全てのお客さんに一期一会で ガレージ酒場 品田
こちらの求人は募集が終了しました。
ご応募ありがとうございました。
ガレージ、ハンバーガー、煮込み、酒場、様々な文字が並び、外から見ると何屋さんかとても分かりづらいお店が墨田区にある。
これだけ色々のぼりを出しても、書かれていないラーメン屋と間違われることなんてしょっちゅうだそうだ。
ここはラーメン屋でもなければちょっと変わったお店なんかでもない。
最近ビルを立て直されたのでお店は新しいが、ここで生まれ育った店主が先代から引き継ぎ、大事に家族で営んできた下町ならではのあったかい酒場だ。
そんな「ガレージ酒場 品田」で一緒にお店を盛り上げてくれる、新しい家族のようなスタッフを募集されています。
ガレージ酒場 品田は、墨田区東駒形にある。
元々は品田さんのおじいさんが昭和6年に創業した「品田屋 酒店」という酒屋だった。
店主の品田 宗保さんは、墨田区生まれ下町育ちの三十九歳、二児の父親だ。
今のお店をオープンさせる前もこの場所で、二十三歳の頃から十三年ほどバーを経営されていた。
今回の募集について、お話を聞かせていただいた。
「嫁が服飾のデザイナーをやっていて、そっちの本業に復帰することなって、嫁さんの代わりに働いてくれる方を募集しています。今は母ちゃんにも手伝ってもらってますが、もう年齢も年齢なので徐々にアルバイトさんと切り替わっていってもらいたいと思っています。」
「今回は2名採用したいと思っていますが、四時間くらいの短時間勤務なのでまかないも出せませんし、たくさん働きたい方だと合わないかもしれません。ただ、そういった理由もあって週二からで、別の仕事とのかけもちもぜんぜんOKです。」
冒頭でも述べたが、このお店はもともとは品田さんのおじいさんの酒屋から始まった。
そのあと、品田さんのお父さんが酒屋と酒場を、その次にお母さんが酒屋とスナックを、そして宗保さんが酒屋とバーを営み、その後建物自体を二年前に立替え、今の形になった。
今の店内に飾られるものは酒屋で飾っていたものもあれば、趣味で集めたものも様々だ。
そう、ここはそういった要素をごちゃ混ぜにガレージに詰め込んだガレージ酒場なのだ。
「ガレージ酒場 品田」がある三つ目通りは、大通り沿いに関わらず不思議とこのあたりはお店が少ない。
この地で47年暮らす、お母さんの公子さんに話を聞いた。
「私がお嫁にきたときはここは商店街だったんですよ。でもそれにしては道が広すぎるんですよね。今はもうその名残もほとんどなくなってしまってね。今はマンションができて、下でお店をやらなかったり、肉屋・魚屋さんなどのお店も多かったのに、今はもうぜんぜんなくなってしまいました。」
「この場所で何がネックかと言うと、周りにお店がないでしょう。お店がちっちゃいから、うちがいっぱいだと他にいく店がないんですよ、うちに来たいけどいつもいっぱいだから来れないとおっしゃってくださるお客さんもいて・・・。お店屋さんがもっと増えて、この通りももっとにぎやかになってもらえるといいんだけど、そればっかりはなかなか難しいよね。まあ、案外来てもらったなんとかなるんですけどね~。奥に詰めさせますから(笑)。」
公子さんは、70歳にもなるが今でも元気にお店に立たれている。
「うちって外から見ると何屋か分からないから入りにくいでしょう?前から気になってましたとか、3年間入れませんでしたみたいなお客さんって多いんです。だからそういう時は、なーんで入ってこないの!って怒るんですよ。」
「お客さんの半分くらいは、母ちゃんに怒られに来るのが目的みたいな人も多いんです。単身赴任の方が結構いらっしゃるので、こうゆうおふくろみたいなのがあったかいと感じてもらってるのかもしれないですね。明るい居酒屋なので女性1人のお客さんも結構いらっしゃいますが、そういった方にも母ちゃんみたいなのがいると安心なのかもしれません。」
そんな公子さんが作る「母ちゃんの一品」はお店の人気メニューだ。
「単身赴任で一人暮らしをされてる方って、こういったメニューって普段食べれないですよね。手作りでちゃんと作っていて、スーパーのよりぜんぜん美味しいと思うので、みなさんそれを期待してくださって、大体頼んでくださいますね。」
と話すのは、奥さんの千尋さん。
千尋さんは、墨田区生まれではない。結婚を機にこの地に移り住んできたのだが、奥さんと公子さんが実の親子かと思うほど、お二人の息はぴったりだ。
元酒屋というだけあって、品揃え豊富なお酒。
「お酒を扱う仕事なので、未成年の方はお断りさせていただいてます。お酒が飲めないといけないわけではないですが、一杯どうですか?と言われることもあります。バーもやっていたので、お酒は色々種類があるんで、店員が分からないなんてことがないよう、覚えていただく必要もあります。でも、まだ母ちゃんもいるので仕事はゆっくり覚えていってもらったら大丈夫ですよ。」
「基本的にはホールの仕事になりますが、小さいお店なので、厨房もちょっと手伝ってもらったり全体的に少しづつできる方がいいですね。調理はあくまで補助的な簡単なことだけです。」
とは言っても、仕込みや店内清掃といった基本的なことも品田さんが担当されるので、今回働いてもらいたい方にはやはりホールの仕事がメインとなるようだ。
どんな方を求めていますか?
「うちは基本的にお客さんとコミュニケーションを取ったり、お客さん同士で交流したりしてもらいたいと思っています。
時には恋愛相談に他のお客さんも一緒になって話しを聞くこともあったり、なるべくみんなで楽しめるように共通の話題にして引き込むようにしています。そうするとあの人がいるからまた行こうかなとなってくれる。もちろんそうゆうのが苦手なお客さんにはしませんけどね。そういったコミュニケーション力のある方だといいなと思っています。仕事的にはそんなに難しいことはないので、経験は必要ありません。」
「お客さんの大半は近所の方です。お店から歩数を数えられるくらい近い方も多いんです。なので、働いてくださる方にも近所や自転車で来られるくらいの方がいいですね。ほとんどないと思いますが、場合によっては残業していただくこともありますし。」
お客さんが参加できるイベントも定期的に開催している。
この写真は、ボーリング大会の様子だ。
「ボーリング大会すごく盛り上がりますよ。バーの時から結構やってて、このお店になってからは次が二回目です。人数は大体十五人くらいで、私くらいの年代の方が多いです。みんなで仲良くなっていただくと、次くるときに来やすいですし、来る時間帯が違うお客さん同士で繋がれたりするんです。」
「こういった関係もお客さんと店員という関係ではなくて、みんなきどらず仲良くなる下町のいいところですね。全てのお客さんに対して一期一会だと思って対応していて、僕らの接客は人によっては暑苦しいと感じられる方もいらっしゃるかもしれませんが、この雰囲気を気に入ってまた来たいと思ってくれる方がいたらいいなと思っています。
うちはお客さんを選べないけど、お客さんは選べますから。だから一緒に働いてくれる方にも、この雰囲気を気に入って選んでくださるといいですね。」
取材中は、宗保さん、奥さんの千尋さん、お母さんの公子さん、そしてお子さんの家族総出で対応していただいたが、とても暖かいアットホームな雰囲気で、確かにきどりがなく壁がない。なさすぎるくらいだ。
「普通のお店ってお客さんとあんまりしゃべらないと思うけど、うちはすぐにみんな一体になるからその雰囲気に慣れるまでは時間かかるかもしれません。でも、きっとすぐに慣れると思うから飛び込んできてほしいですね。」
人を楽しませることが好きで、なにより自分たちが楽しむことがこの一家は好きなんだろう。
合う合わないはきっとあると思う。だから、まずはお店に行って、品田さんやお客さんたちに一度会って話してみてください。
そこで自分が楽しいと感じるかどうかが大事だと思う。