誰も見たことのない、デザイン・コンサルティングチームへ インクデザイン株式会社

東京スカイツリー®が、足元からてっぺんまで見わたせる場所にある、墨田区のインキュベーション施設センターオブガレージ。

インクデザイン株式会社は、2024年11月、墨田区のコワーキングスペース co-lab墨田亀沢（2024年11月クローズ）から、センターオブガレージへと拠点を移しました。

インクデザイン株式会社（以下 インクデザイン）は、「わかりやすく、おもしろく。」をポリシーとしたIR特化のデザイン・コンサルティングチーム。

IR×デザインというコンセプトで、企業独自の取り組みを社会に伝えている会社です。

さて、そもそも……インクデザインが主戦場とする「IR」とはなんでしょうか。

「投資家向け広報」と訳されるIR（インベスター・リレーションズ）は、企業が株主や投資家に対し、財務状況や企業姿勢など投資判断に必要な情報を提供する活動を指します。企業側には、IRで株主や投資家との良好な関係を築き、継続的な投資やサポートを獲得したいという思惑があります。

上場企業のIRコミュニケーションを軸に、コーポレートコミュニケーション、インパクト活動をデザインで支援するインクデザイン。メディアや媒体を限定せず、お客様の課題に合わせたアウトプットを提案しています。

現在、インクデザインでは現在、3職種のスタッフを募集しています。

・営業対応など、フロントに立って案件の進行管理を行うプランナー（企画営業）
・実際のクリエイティブを担うデザイナー
　（アートディレクター、エディトリアル・グラフィックデザイナー、スライドデザイナー）
・IR業界特有の取材やライティングなど、コンテンツ制作に携わるエディター（編集・ライター）

デザインと経営・ビジネスに興味のある方、デザインが好きな方、IR関連制作の経験者、クリエイティブで経営課題を解決し、社会を一歩先に進めたいと思う方、ポジティブに自由を楽しめる方との出会いを求めています。

企業とステークホルダーの間を「わかりやすく、おもしろく。」つなぐ仕事

まず、人材募集の経緯について、インクデザインの代表 鈴木 潤さんにお話を伺いました。

「インクデザインは2024年9月から12期目を迎えました。創業当時は僕1人でスタートしましたが、昨年は仲間が20名を超え、年々業務内容も変化し続けています。

近年は、中期経営計画やロードショーマテリアル等の企画・編集、統合報告書の作成、新サービスの確立、MVV（ミッション・ビジョン・バリュー）の策定、価値創造プロセスの定義など携わる内容の幅が広がり、企業の壁打ち相手として情報整理をするなど、アウトプットの上流から関わる案件が増えています」

特に、デザイン制作を行った株式会社資生堂の「統合レポート2023」は幅広い業界で反響を呼び、インクデザインの認知度は急上昇。数多くの企業から統合報告書 ¹ の制作依頼が舞い込んでいる状況です。

「資生堂さまには、パワーポイントを活用した制作を提案し、受け入れていただきました。デザイン会社が統合報告書を作る際は、通常、InDesignというソフトを使いますが、InDesignがビジネスシーンで使われることはあまりない。そうすると、ツールに軽微な修正を加える場合でも、企業側はデザイン会社に指示を出し、デザイン会社が手を動かすというやりとりが発生し、完成までに手間も時間もかかります。

今は、統合報告書制作にかかる工数が非常に多く、スケジュールもタイト。そのため、企業と制作会社が『共創体制』をとることが、プロジェクト成功の鍵になると感じています。

企業が使い慣れたパワーポイントをもとに共創すれば、制作スピードは大幅にアップ。InDesignよりやや劣る表現力を補うのは、デザイナーの腕です。

見た目の美しさだけでなく、効率や、整頓された良質な情報といった『時代に合ったクオリティ』を保ちながら、企業と制作会社双方の負担を軽くできたこと。これが、資生堂さまの事例が注目を集めた要因でした」

「冊子デザインはInDesign」という業界の既存概念にとらわれず、時代に即したクオリティを担保するためパワーポイントというツールを選んだインクデザイン。「そこ行く！？」な選択に、会社のスピリットである「punk.」を感じます。

鈴木さんに「IR（経営）×デザイン」のどんなところに面白さを感じているのかもお聴きしました。

「僕たちが直接的に解決できる社会課題はなかなかありません。でも、インクデザインは『難しいことを わかりやすく、おもしろく。』することを大切に、社会課題解決に向かう企業と、ステークホルダーの間のコミュニケーションを円滑にしています。

多様な企業様を支えることで、想像しえなかった社会課題解決に間接的に関われている。そう思うと、この仕事は面白いなと思います」

特に、サステナビリティに関する取り組みなどは、企業が声高に語るほど、一般の方がアレルギーを感じて離れてしまう可能性があります。そんなときこそ、「わかりやすく、おもしろく。」のインクデザインの出番。

企業とステークホルダーの間に立ち、分断を埋めていく。ユニークな解釈を加えた潤滑油となって、社会を一歩ずつ良くする力になる。

そんな役割を果たし続けるため、新たな人材と出会い、自由度を守りながら組織化を進めていきたいと鈴木さんは考えています。

1. 企業の財務情報と非財務情報を統合し、企業の全体像を包括的に示す文書。
   企業の長期的な価値創造の仕組みをステークホルダーに理解してもらうためのツールでもある。 ↩︎

お客様の困りごとや希望から企画を立て、進行管理を行うプランナー

続いて、鈴木さんが現在担っているプランナーのお仕事内容についてお聞きしました。

「プランナーは、IR資料や統合報告書を制作する上での進行管理、企画、クライアントとのやり取り、営業業務を行います。お客様先に出向き、アウトプットの方針を決めたり、アートディレクターとともに内容の企画をします。アートディレクターとタッグを組むため、デザインの知識はそこまで必要ではありません。

ただ、特にプランナーと、後に出てくるエディターについては、『IR関係の制作業務経験、統合報告書・中期経営計画のディレクションや営業経験、編集・ライティング経験のある方』という条件を設け、優秀な方と出会うまで妥協はせず、採用活動を続けていきたいと思っています」

「インクデザインのコアはデザインであり、クリエイティブな思考です。その源泉であるデザイナーが仕事に集中できる環境をつくるためにも、優秀なプランナーとエディターを募集し、IR×デザインの市場をさらに拓いていきたい。そして、時代に合わせて変化していける会社になりたいです」

企業に関わる情報を読み取り、伝わる表現を模索するデザイナー

次に、インクデザインの要であるデザイナーの佐本 茜さんにお話を伺います。

佐本さんは、前職でのIR分野の制作経験が活かせるのではと感じたこと、先にインクデザインに入社していた前職の上司から声をかけてもらったことがきっかけで、2021年9月に入社されました。

「今は、統合報告書や決算報告書のアートディレクション、デザイン、進行管理、クライアントとのやり取りを担っています。Webやパワーポイントなど、IR資料のアウトプットは多岐にわたりますが、Web制作については入社後に学ばせてもらい、形にできるようになりました」

IR分野のデザインをする上で強く意識しているのは「情報整理」だと佐本さん。

「紙面に限りがあるので、『全て載せたい、伝えたい！』という企業様の想いを汲みながらも情報の優先順位を確認し、掲載する情報量を決めていきます。また、同じ情報が載っていても、掲載順やクローズアップの仕方で印象がガラッと変わります。こちらでプロトタイプをつくって、お客様と何度もやりとりを重ねてページを構成していきます」

統合報告書の制作は、週1回の定例会を重ね、短くて半年、長いと１年ほどかけて行われることが多いそう。

「プロジェクトが完了する頃には、お客様から『戦友のような存在』と言っていただくこともあります。制作物を見て『デザイン最高です！』と温かい言葉をいただいたり、イラストを褒めていただけたりすると、表面上は落ち着いてお礼を伝えていますが、心の中で自分に全力拍手しています」と佐本さんは笑います。

では、IR分野のクリエイティブを行う上で求められるスキルや姿勢は、どのようなものでしょうか。

「IR分野のデザインには、まず情報の読み解き力が求められます。企業様から、有価証券報告書や決算報告書類、掲載したい情報の箇条書きといった資料をいただいてアウトプットするのですが、情報を整理し、取捨選択する力はデザイナーにも求められています。

最低限、数字にアレルギーがないといいのかな……正しい情報発信をしないと企業様の信用にかかわるので、掲載される情報に責任を持って、制作に向かえる人が向いていると思います」

リモートワークが中心のインクデザイン。多摩市在住の佐本さんの出勤は、多くても月1回ほど。週2、3回オフィスで働く社員もおり、個々の事情に応じて決めているようです。

「他のメンバーと対面する機会は少ないですが、それぞれの得意が際立っていて尊敬しているし、『私も自分の領域で頑張ろう』と勇気をもらえます。インクデザインは大小問わずチャレンジを応援してくれる会社で、潤さん（鈴木さん）に許可をもらって有志で会社内のシステムづくりをしたり、Gatherというバーチャルオフィスで社員同士のコミュニケーションを促す取り組みも始めました」

この先、デザイナーとして手を動かしながら先進事例やIR関連の知識をさらにインプットし、成果物のレベルアップを目指したいと語る佐本さん。2024年からは、アートディレクター（AD）としての役割も担っています。

「まだまだ名前負けで恐縮ですが、潤さんとお客様先でお話を伺い、責任者として制作進行をしています。デザイナーとADに職位の上下はありません。それぞれの特性や希望に応じ、デザイナーとして専門性を高める人、ADとして新たなキャリアを拓く人の両方が共存していることも、インクデザインの特徴だと思います」

社内外の潤滑油となり「伝えるべきこと」を選び抜くエディター

続いて、エディターの清田睦月さんにお話を伺います。

エディターの主な業務は、IR資料、統合報告書などの原稿を、お客様からいただく資料等をもとに編集・企画すること。お客様との打ち合わせやディスカッションの内容をかみ砕き、デザイナーに伝える役割も担います。
それ以外にも、社長インタビュー等の企画、実施、ライティング、自社メディア等での記事作成も行っています。

清田さんは、大学3年次に「すみだの仕事」に掲載されたインクデザインの求人募集を見て「記事を書く仕事ができるかも」とインターンを希望。ただ、その後入社に至った決め手は意外なところにありました。

「元々、大学1年生からOB訪問をしたり、それに飽き足らず先輩のエントリーシートを添削したり……とにかく、さまざまな企業を知ることができる就職活動が大好きでした（笑）。私がインターンでインクデザインに入った2019年頃、『IR』に関わる仕事はほとんどありませんでしたが、潤さんが『この先、IR分野に乗り出したい。その時には、ライティングや編集が絶対に必要になる』と、ビジョンを語ってくれていました。

『IR』に関わる仕事は、大好きな就活の延長のように感じましたし、インクデザインならさまざまな企業様に関わりながら働けると感じ、入社したいと思いました。経営者に近い立場で働けることも、魅力的でした」

鈴木さんが語っていたビジョンが実現に近付いたのは、3年ほど前。その間、清田さんはIR分野以外の記事の執筆やインタビュー経験を積み、現在は在住している静岡県を拠点に全国を飛び回り、経営トップのインタビューや統合報告書のライティングをおこなっています。

「今年はありがたいことに、採用パンフレットや業界紙の取材案件が大幅に増え、先月は20営業日中10日ほどインタビューをしていたような状況で……。インタビューは事前準備にも時間がかかるので、本気で仲間を求めています！」

そして、メイン業務であるIR分野のライティングは、お客様からいただいた資料やデータ、伝えたいことの箇条書きや完成イメージをもとに行うことが多く、割合としては約8割に上るそう（インタビューや、質問票のやりとりからの文章化が約2割）。

「IR分野のライティングに必要なのは、謎に体育会系で恐縮ですが「めげない心」だと思います（苦笑）。文章力の前に、お客様にいただいた資料の読み取り自体が難しいことも少なくありません。

各業界では当たり前の話題、専門用語を理解するところから始め、企業様が本当に言いたいこと、ステークホルダーに伝えるべきことは何かを考え抜いて文章にしていきますが、どちらかというと、ライティングよりは情報を基にしたリライト（書き換え）の方が近いかもしれません。

大変な部分ばかり話してしまいましたが、自分が仕上げた文章がクライアントに喜ばれるとうれしいですし、多くの方が目にするメディアに文章が載ると『また頑張ろう』とやりがいを感じます。常に知らない世界に触れられるので、飽きが来ないのもこの仕事のいいところです」

この先は、企業が投資家に向けて会社の特徴・成長戦略・企業価値の増大の道筋について説明をするための「エクイティストーリー」の制作なども増えそうだと語る清田さん。お客様から情報を受け取って整理し、企業ごとの軸や魅力を見出して伝えていく重要な仕事です。

「エディターとして、企業様とデザイナーの間に立ち、人と人とのコミュニケーションの円滑化に取り組むことはもちろん、年々増えてきた社員の間にも立って、同じことをしたいです。普段は静岡にいますが、東京で仕事があるときはメンバーを誘って食事に行き、少しでも会社が組織として円滑に回るサポートができたらと思っています」

クリエイティブを軸に、社会を潤いで満たしていく仕事

最後に、募集に向けたメッセージを鈴木さんに伺いました。

「インクデザインの仕事は、お客様の課題や想いが起点です。そのため、お客様に常に謙虚に相対し、柔軟な発想でアウトプットのお手伝いをしたいという想いがあります。

また、ツールがどれだけ変わっても、当社の軸がクリエイティブであることは変わりません。お客様が喜んでくださることを前提に、今まで世の中になかったクリエイティブを生み出していきたい。今は『IR×デザイン』という市場を開拓する道半ば。ぜひ、これまでにないデザイン・コンサルティングチームづくりに力を貸してほしいです」

先日、中途採用の募集に踏み切ったときは「会社員経験を活かしながら、クリエイティブ領域に関わりたい」という方からの反響が、最も大きかったそうです。

企業とステークホルダーの間をユニークにつなぎ、社会を一歩ずつ良くする力になる。そんな仕事に挑戦できるこの会社で、一緒に働いてみませんか？

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文章：岡島　梓
写真：小関 華穂
編集：「すみだの仕事」編集部

※ 掲載にあたって
インクデザイン株式会社は「すみだの仕事」の運営元、編集部を担う企業でもあります。
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