地域の仕事に出会う
本日12月20日は、すみだの仕事で初めて記事を掲載した日です。
運営を開始して、丸3年になります。これまでお話を伺ってきた取材先は、最近できたばかりのお店もあれば、何百年も続く老舗企業まで。ほんとうに多種多様な仕事が墨田区にはあるんだなと、いつも思います。
取材をさせていただいた従業員さんの中には、20年、30年とずっと同じ会社で働く方もいます。終身雇用がなくなりつつあると言われる一方で、まだまだこうした働き方をしている方もたくさんいるのも事実で、せっかくご縁があった会社、雇う側は長く働いて欲しいですし、働く方も長く働きたいと思う方もやはり多いのかもしれません。
しかし、求人にはタイミングがあります。就職活動をしている時期に、必ずしも自分がやりたい仕事に出会えるとは限らないですし、働きたい会社が募集をしているとも限りません。特にインターネットを使った仕事探しでは、探せる求人の数に限りがあり、公に募集は出していないけど良い人がいれば取りたいというところだってあります。
さらに、ネットの求人情報は、表面的なことだけで実際に入ってみるとイメージと違うということも少なくありません。入社前の限られた情報の中で選んだ会社は、思い描いていた理想と違ったり、ちょっとした待遇の不満や挫折をしてしまうと、簡単に放り出してしまうかもしれません。
採用後のミスマッチは、応募する側にとっても雇用する側にとってもその後の負担はとても大きいです。そのリスクをできるだけ減らせるようにとすみだの仕事で取った手段は、企業の本音を発信することと、当たり前すぎて見落とされてきた魅力を拾い上げることでした。
これまでの取材を通して、一般的な就職活動では決して出会うことができなかった仕事にたくさん出会いました。その度に、こんな仕事があったんだという驚きと、もっと早くこんな仕事に出会いたかったなと、悔しくなることすらあります。
墨田区に来てすぐの頃、「こんなことをしたい」「こんなことで困っている」と話すと、「こうすればいいよ」とアドバイスをもらえたり、「この人に聞いてみるといいから紹介するよ」そんな風に声をかけてくれる人がほんとうに多く、あっという間に横の繋がりが広がっていきました。
カフェや居酒屋で、話をしているうちにお店の店主が仕事先を紹介してくれたり、隣のお客さんが「うちに来なよ」と声をかけてくれたり。昔はもっとそういう仕事の出会い方がたくさんあって、今のようなインターネットで初めて名前を聞いた会社を受けるのではなくて、誰かの紹介で生まれる仕事の探し方、そんなぬくもりのある発信をこれからもしていきたいです。
どこの地域にも、まだまだ知られていない魅力的な仕事がきっとたくさんあるはずです。そんな仕事に寄り添いスポットライトをあて、目を向けてもらえるきっかけをこれからも作っていけたらと思います。4年目もどうぞよろしくお願いいたします。