進化し続ける町工場 株式会社 浜野製作所
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ご応募ありがとうございました。
町工場を表現する『3K』という言葉があったことをご存知でしょうか?
かつて、『汚い、危険、きつい』ということを指して、町工場の仕事が揶揄されることがありました。こうした表現は、若者を町工場から遠ざけたひとつの要因だったかもしれません。
そんなイメージも今は昔とばかりに、年々町工場の魅力を高めている会社があります。
株式会社浜野製作所は、1978年創業の墨田区八広にある会社です。
会社のイメージカラーは、赤。
建屋、工場の機械、床面をはじめ、従業員の方たちの作業着やジャンパーまで赤色で統一されていて、ものづくりへの熱量を感じさせる印象的な会社です。
さまざまな業種の金属部品の製造を行っている、浜野製作所。現在、従業員の数は50名を超え、本社の板金工場のほか隣接して3つの工場を構えています。
また2014年からは、ものづくりの開発拠点『Garage sumida(ガレージスミダ)』を運営しています。
ここでは、次々と大小さまざまなコラボレーションやプロジェクトが誕生しており、町工場が新たなものづくりを創出するという、革新的な取り組みをしています。
今回、浜野製作所は『営業(正社員)』と『製造(パート・アルバイト)』で働く仲間を募集します。募集する各部門の雇用形態は異なりますが、募集条件以上に浜野製作所の仕事、人、雰囲気を知って欲しいなと思います。
まずは、営業の仕事について。
営業の仕事は、お客さまからの依頼をカタチにしていくために、関係各所との調整がとても重要となる仕事です。お客さま、自社の製造部門、協力会社などとのコミュニケーションが大切になってきます。
お客さまからいただいた図面に基づいて見積書を作成し、受注手配、そして配達納品までが主な業務内容です。
現在、営業・事務サポートの5名体制で日々業務を行い、平均年齢は35歳くらいなのだそう。成長を続けるこの会社では、根幹となる業務をより強化していくために営業で活躍してくれる方を求めています。
「最初は、特に金属加工に関心があって入社したわけではないんです」
営業の仕事について話してくれたのは、入社5年目の村井さん。前職は旅行会社に勤めていたそうで、異業種から製造業へと転身してきました。
業界未経験で入社したため、当初は専門用語を理解するのはもちろん、図面を読み取ることさえ非常に難しかったと言います。
「図面を読み取り、各種加工の特徴が理解できないと、お客さまへ最適なご提案もできないですし、製造部門や協力会社に的確に作業依頼をすることもできません。とにかく必死で覚えました」
浜野製作所では、未経験でもチャレンジできる環境ですが、いきなり一人で何かを任されることはありません。少しでも早く職場に馴染み、営業担当として活躍できるよう一緒に歩んでいく文化があります。
入社後1カ月程は、製造の現場を通じて金属加工や、それに付随する塗装などの処理関係を学んでいきます。この期間で、現場の方々とやり取りをしていくので、業務内容だけでなく社内の雰囲気も掴んでいくことができます。
先輩社員として指導する立場となる村井さんいわく、「すぐにあらゆる加工方法の中からお客さまに適した提案ができるようになれるわけではないと思います。でも、半年ほどすれば少なくとも図面を読み取り、図面通りに金属をカタチにしていく指示がある程度できるようになる」と言います。
加工方法が提案できるまでには、2~3年ぐらいはかかりますが、入社当時、金属加工にあまり大きな関心を持っているわけではなかったという村井さんも、今5年目を迎え製造業の世界を楽しんでいます。
「現場が非常に近く、一人で乗り越えられないものがあったときでも、サポートしてくれるスペシャリストたちが身近にいるのは心強いと思います。サポートしてくれる環境があるので、未経験だった私でも乗り越えてこられたと思っています」
村井さんを隣で見守っていた営業部の宮地部長は、彼の良さを話してくれました。
「各所とのコミュニケーションを図るうえで、村井さんはとてもバランス感覚に優れています。また、仕事において嘘をつかないという姿勢もお客さまに信頼していただけているところだと思います」
営業は、各所のステークホルダーと適切なコミュニケーションをとっていくことが最も大切な仕事です。
お客さまや現場などそれぞれに想いや方針がある中でそれを的確に理解しながら、しっかりとカタチにしていかなければなりません。相手への敬意を忘れず、現状を嘘偽りなく伝えていく丁寧な姿勢が営業担当として信頼を得る要因のように思います。
浜野製作所で働く方たちはどのような人が多いのでしょうか。
宮地部長からの言葉に少々照れながらも、営業を通して感じていることを話してくれました。
「純粋な人が多いなと思います。いい意味で人間的にも裏表がない人が多いですし、仕事に一生懸命に取り組む人たちの集まりだと思います」
「新しいことにもどんどん挑戦している会社なので、華やかに見られることもありますが、実際は現場の人たちの地道な努力と丁寧な仕事があるからこそ、今の浜野製作所があると感じています」
現場の技術力への確かな信頼があるからこそ、村井さんは営業担当として思い切り仕事をすることができているのでしょう。
続いて、製造部門。ここではパート・アルバイトの募集をしています。
慣れていけば、どなたでもやっていくことができる仕事です。そのため未経験であっても安心して取り組むことができますし、勤務時間についても融通がききやすいので、より幅広い方が働きやすいポジションになっています。
「なんでも楽しく作業することができています」
そう明るく話してくれたのは、製造部で2年半程勤務している東海林さん。以前、すみだの仕事の募集を通じて入社してくれた方です。
浜野製作所には、板金・プレス・機械加工などの大きく3つの分野の金属加工があり、さまざまな加工技術に携わることができるのも魅力のひとつといえます。
パート・アルバイトの方が行うことは、加工をする熟練の技術者たちをサポートする仕事です。最初は、金属加工がしやすくなるように下準備をする手伝いから覚えていきます。
レーザーで切り抜いた部品を外したり、加工後に出た切り屑を空気の力で綺麗に落としたり、溶接した後にできる茶色く焼けた部分に電気を流して落とすなど、加工前後に必要な処理をしていきます。
ほかにも、バリと言われる金属加工の際に出る出っ張りを除去する作業、お客さま指定のラベルを作成する作業、組み立てをするための部品の選別と梱包などと、現場の方々が作業しやすい環境をつくる手伝いがメインになってきます。
業務は細かなものが多いため、毎日同じ作業をこなすわけではありません。
日々行う作業に変化が起こる中でも、「よい緊張感を持って、退屈することなく楽しんでできる」と東海林さんはいいます。製造部での仕事は、黙々とひとつのことを行うよりも変化を楽しむことができる人が合っているのでしょう。
東海林さんは、前職でデザイナーをしていたので手先を動かして物を作ることに携わるのは初めて。
そんな未経験からのスタートでも活躍できているのは、ひとつひとつの作業に対して、先輩たちが親切丁寧に教えてくれる環境を大切にしているから。
中には機械を扱うこともあるので、最初は怖いと感じることもあるかもしれません。それに金属は重いので、持ち運ぶことやちょっとした作業でも慣れない重さに苦労をするかもしれません。
そういったことに対して、無理強いすることなく、その人のその時のレベルに応じてやれる範囲を増やしていくようにしています。だからこそ、苦労や失敗があったとしても、一歩一歩成長していく喜びを感じることができるのでしょう。
「社内はフレンドリーな方が多いと思います。マニュアルなどもありますし、機械の操作もわかりやすくなってはいます。それでも分からない時には丁寧に教えてくれるし、なかなかうまくいかないときも手伝ってくれる温かさがあります」
「今、楽しくてしょうがないんです」と声を弾ませて話す東海林さんを見ていると、私にも何かできそう、やってみたいとワクワクしてきます。
では、いかにして今の雰囲気ができ上がったのでしょうか。
3年目を迎えた製造部板金部門のリーダーである、尾上哲也さんにもお話を伺いました。
やりたいことができる環境をつくっていきたいと尾上さんは考えていて、仲間のひとりひとりをしっかり見て、互いにコミュニケーションが取りやすい環境づくりを大切にしています。
「最初に、朝礼が非常に静かだということを感じて。とにかくシーンとしていて、みんなが意見や考えを活発に伝え合うことができていないと感じたんです」
メンバー同士のコミュニケーションが活発になれば、仕事の忙しさも把握でき、業務量の調整や協力体制を組むことができる。そこには、我慢して何かをするのではなく、楽しんで乗り越えていこうとする尾上さんの考え方があります。
そして、些細なことでも発信することを部門のメンバーに求め、尾上さんからも「忙しいですか?」といったちょっとした声掛けも大事にし、先輩から寄り添っていく姿勢をみせていきました。
月一回のミーティング後には、チームで任意に飲み会も開催しているのだそう。もちろん強制ではありませんが、業務以外でこうした一見非効率に思える時間を設けているのは、みんながやりたいことができ、楽しく働いてほしいという想いがあるからこそ。
ひとりひとりに向き合い、特性を理解して的確に判断してくれる信頼できるリーダーがいるのは、働く人たちにとって心強い存在です。
こうした取り組みにより次第に意見を出し合ったり、共有し合う光景が増えていきました。
尾上さんもリーダーとして一人ひとりの業務状況をしっかりと把握することができ、必要なところは自身も手伝うなど、スムーズに業務を進めていける環境がつくられていきました。
一人でできないことも、できるようになる職場の雰囲気づくり、業務内容やタスク管理を通して自分のことを見てくれているという実感があるからこそ、メンバーも応えたい、行動したいという思いになってゆくのかもしれません。
職場内に立場はあれど共に働く仲間同士尊重し合っていることや、思い切りやってみようする現場の前向きな気概が伝わってきます。
一生懸命だからこそ自分で抱えてしまう人もいるかもしれません。そんな人がちょっとしたことでも抱え込まず、些細なことも相談できる環境は、未経験でも安心して働くことができそうです。
浜野製作所の社内の取り組みにはユニークなものがあります。
そのひとつは、月に一度実施されている『工場開放日』というもの。これは、一般の人向けのオープンファクトリーではなく、従業員の技術力向上やものづくりの楽しさを感じてもらいたいと始まった取り組みで、任意で参加できる日となっています。
機械を解放し、従業員の人たちが作りたいものに挑戦したり、機械技術の再確認ができる日になっていて、家族を呼ぶことも可能。参加する社員たちは毎月心待ちにして楽しんでいるようです。
製造部の東海林さんも、女性社員何人かと相談してアクセサリー作りに挑戦しようとしているそうで、こうした遊び心を大切にした取り組みがあると、楽しみながらも改めて自社の誇りに気づかされたり、技術力の向上への意欲が高まったりするそうです。
浜野製作所は、大手企業やメーカーに頼る構造になっていた町工場が、自ら受注や販路開拓をしていくことができる新しい町工場として、中小製造業が生き残っていくカタチを体現しているといっても過言ではない会社です。
その証として、『ものづくり日本大賞』で経済産業大臣賞の受賞をはじめ、これまで数々の賞を受賞し、ものづくりの確かな技術力と会社のさまざまな取り組みが高く評価されています。また、天皇陛下(現在の上皇陛下)がご視察にいらっしゃるなど、今後ますます浜野製作所の注目は高まっていくはずです。
町工場として行く末に危機感を抱いていても、積極的かつ大胆な取り組みをするのは、そう簡単なことではありません。それでも、下請けとして地道に取り組んできたことでノウハウや知見が溜まり、大手メーカーにも負けない一貫したサービスを提供できる強い会社へと成長してこれたのは、純粋にものづくりを楽しむ心と時代も人も受け入れ壁を越えていこうとする会社の懐の深さがあるからでしょう。
浜野製作所は、金属の世界を突き詰める人たちの情熱を感じながら働ける町工場。
ものづくりの世界を楽しみながら働いてみませんか?