2015.10.19(月)

人が集まる会社 株式会社東京アート印刷所

こちらの求人は募集が終了しました。
ご応募ありがとうございました。

東京アート印刷

「今ってコミュニティが足りないと思うんです。だから、みんな存在意義を探しているんじゃないかな。マンション暮らしで隣を知らないって人が多くなって、リアルに集まる場所ってのを僕らは作りたかったんです。」

墨田区は他の区に比べて、地域の繋がりは強い方だと思う。様々なコミュニティもある。
ただ、昔に比べるとマンションに住む新しい住民の方が増え、コミュニティ力も徐々に弱まってきているのも事実だ。

東京アート印刷

株式会社東京アート印刷所は、地域の繋がりやコミュニティ作りを積極的に行っている。

創業51年にもなる印刷会社だが、会社の事業を聞いてみると一般的な印刷会社とは一味違う。それもそのはず、『すみだ・ストリート・ジャズ・フェスティバル』『すみだバルウォーク』『すっじゃ』をはじめ、墨田区で行われる様々な規模のイベントを企画・運営している。月に1本はイベントを手掛けているそうで、墨田区でイベントのあるところに、この会社ありと言っても過言ではない。

「うちのことを町おこしや地域活性化をやってる会社って認識の方が多いのも事実です。だから、いい意味でも悪い意味でも、入ってからのギャップは結構あるかもしれません。」

手がけるイベントは数もそうだが規模も年々大きく、より地域に密着したものになっていて、そんな墨田区での地域活動を一緒に仕掛けてくれる仲間を募集しています。

東京アート印刷

東京アート印刷所は、昭和39年に台東区で山田製版印刷社として創業。
イベントや地域活動の印象が強いが、今でも印刷工場を持っている印刷屋さんで、チラシやポスター、パンフレット、書籍など紙媒体を中心に幅広くデザインをしている。

東京スカイツリーと錦糸町の間くらいにあるオフィスにお話を聞きに伺いました。

東京アート印刷

約26年前の1989年に開設されたというオフィスは、今では明るくて綺麗なオフィスとなっているが、それもそのはず昨年リニューアルしたばかり。

「以前は、オフィスでもタバコをがんがん吸うような会社で、壁は真っ黄色でしたよ。」

と、笑って話すのは、2代目社長の山田直大さん。

東京アート印刷

まずは、山田さんにお話を聞かせてもらった。

「この会社は、ほんとは継ぎたくなかったんです。それまで広告代理店にいて、そっちの仕事が好きでしたから。でも、親父が糖尿病で仕事できなくなっちゃって。兄弟みんなやる気なくてどうしようもねえなってことで。」

山田さんが会社に入ったのは、もう20年近く前のことで、社長として後を継いだのは、10年ほど前の2005年のことだそうだ。

「最初は、ほんとひどい状態でしたね。だから、悪いところをびしばし言っていたら親戚はみんな辞めていきましたね。全部否定していきましたから、みんな怖かったと思うんです。」

「モラルを知ってもらう、分かってもらうってことが、最初時間がかかりましたね。振り回して振り回して来たけど、会社が生き残ることを最優先で考えて来て、会社はどんどん良くなりましたね。」

東京アート印刷

今回の募集について、詳しく聞かせていただいた。

「みんなに余裕がないんです。新しいことに挑戦してもらいたくても目の前のことで必死ですし、帰る時間も遅くなってしまっている。そういった状況を改善したくて、みんなのサポートをしてくれて、かつ地域を良くしたいという想いのある方と一緒に働きたいと思っています。」

イベントをはじめあらゆる業務があると思いますが、具体的にはどんな仕事になりますか?

「イベントの多くは、お店さんとの交渉が必要で、お店回りを動いてもらいたいと思っています。開店前の15時~17時頃がお店には一番訪問しやすいので、そこで働ける方がベストです。その他にも、書類の作成から行政とのやりとり、内職みたいなラベル貼りやエクセルの入力みたいなこともあれば、お客さんと会うこともあったりと、基本的には何でもです。」

「最低限パソコンができれば、誰でもできる仕事だけれども、それがうちは結構なボリュームがあるのと、うちの会社の特徴としては『人と会う』ということが大きくて、その両方をやってくれる人って意外に少ないんですよね。」

東京アート印刷

社員の太田さんにも、お話を聞かせてもらった。

高校卒業してすぐこの会社に入社し、今では10年以上も働くベテランだ。
働く従業員は10名。平均年齢は40歳なので、太田さんはその中でも特に若いそうだ。

「デザイナーで最初入らせていただいたんですけども、その時まだ18だったので、できる人間が即戦力で入れてもらったわけじゃなくて、できない子を育てようって形で取ってもらえた形でした。何もできないところからでしたが、がっつり丁寧に教えてくださいましたね。」

東京アート印刷

長年デザイナーとして活躍してきた太田さんだが、今年の1月より町のことを第一に考える『地域わくわくデザイン』部に移動し、営業やディレクションをメインに担当されている。

「今は外回りがメインになっていますね。営業で仕事を取って来るだけじゃなくて、それをまとめるディレクションまでもやろうとしています。」

10年ここで続けて来られたのは、何か理由がありますか?

「制作でデザイナーをずっとやろうと考えた時に、一個一個の案件は楽しいけれど、与えられたものをこなしていくだけでは、出来ることに限界があるなと感じたんです。」

「でも、最近は楽しいことが次々に出て来て、仕事の飽きもないし、やりたいってことがあったらば言えるしできる環境なので、やりたいことをやっていける環境です。他にやりたいことがあっても、社内にいた方がメリットを最近は感じるんですよね。」

東京アート印刷

今では会社として欠かせない存在となった太田さんだが、失敗も挫折もあったそうだ。

「今だから笑って話せますが、印刷の仕事でお店を怒らせてしまったことがありました。私自身も外に出始めの頃で、コストに見合わないことをNOと言う時に、言うにしても言い方ってあるじゃないですか。割とはっきりとNOと言ったら怒られちゃって。。」

「最初の大失敗だったので、一番印象に残ってます。でも、そうゆうのを積んで来て、もちろんすぐには戻らないけど、今は一回失敗しても戻せばいいと思えるし、戻せると思えるようになりました。」

今、そのお店との関係は?

「今もすごく仲良くさせてもらっていて、一昨日も行ってチケットを納品したんです。納品するとスケジュール的にどう考えても間に合わないよね、みたいなのが見えてしまって、その場で全部仕分けして、商店街の各店舗への配布の手伝いをしました。やりすぎかもしれないけど、やりすぎるくらいやりたいなって思える相手になってきてますね。」

東京アート印刷

太田さんがこれまで働いてきて、どんな人がこの会社には向いていると思いますか?

「人としゃべることが好きな人がいいですよね。逆にそうじゃない人もいたけど、今はコミュニケーションを取ることが楽しいって言ってくれる人もいます。人数が少ないので、3年ほど前から制作も取引先を持つようにしていて、新規を取りに行ったりはしないんですけども、営業さんから案件が来たりすると見積もりを出したり、やりとりもするようにしていて、制作しかやらないって人には向きません。」

「それと、この会社は『いいことをやる』っていうのと『仕事をやる』っていうのがごっちゃになってるので、仕事の仕方がおかしいって思う方もいるかもしれません。後々仕事になればいいなって思って、楽しいことだから乗っかれる人はいいと思うんですけど、仕事は仕事できっちりしてた人は合わないかもしれません。」

東京アート印刷

『すみだ・ストリート・ジャズ・フェスティバル』は、完全にボランティアで行われている。
外部のボランティアスタッフも8歳~75歳までと、幅広い年齢層の方がたくさん関わる大きなイベントだ。なぜこれをやっているのか、山田さんに伺った。

「これは、社員に強制はしていません。来たい人、やりたい人だけやってもらっていて、基本的に業務時間以外にやってもらっています。」

そもそも、ボランティアで始めたわけは?

「子供に何か残したかったんですよ。例えば、父親を見てかっこいいな、この町で生まれてよかった、日本人でよかったって言わせたいんですよね。そのために何ができるかっていうと、たまたま僕らはジャズの生の音を聞かせて感動させる、かつこの町ってかっこいいなってことが、僕らが考える理想の町だったんですよね。」

普段の印刷やデザインの仕事もありつつ、その傍らイベントもこなす。イベントが入れば入った分だけ、仕事は増えていく。『楽しいことだから続けられています』と話していたが、実際大変ではないのだろうか。

「すみジャズは、町おこしのためにボランティアで始めましたが、いつのまにかこのイベントに僕らが救われているんです。例えば、イベントを通して本音がぶつかりあって、会社の中の繋がりがすごい深くなることもありますし、イベントで知り合って結婚した人間も何人かいたりと人の人生を変えているようなものになっています。だから、僕らは恩恵を受けているから恩返しをしている。そんな感じですよね。」

東京アート印刷

さらに、ウェブメディアも運営されていて、この『すみだ経済新聞』もその一つ。
本当に印刷会社とは思えないほど事業の幅が広い。

そんな会社で働く魅力とはなんだろう。

「イベントはマネジメントが全部学べることですね。すみジャズは、可視化を必ずやっているんです。そういう意味で知らないことは全部教えていて、全部分かるし、どうやって動いてるか分かります。墨田区で何かやりたいんだったら行政など、繋がれる人は全部紹介もします。」

「それと、好きなのがイコールになってるのかなと思います。儲けるじゃなくて、どうやったら喜ぶかなってことを、みんなで考えながら具現化していくことが、ちゃんと結びついていて、そこはやっぱりいいと思います。」

東京アート印刷

お二人にどんな方と働きたいか、率直に聞いてみた。

「お金を稼ぎたいと思って来てくれる人が私は好きです。要は夢を追い過ぎている人は、うちの会社はリアルな部分も多くて『地域活性ってすごい、素晴らしい』って気持ちだけだときつかったりするので、しっかり自分でお金稼いでいきたいって人の方が、我慢できることもあると思います。うちの会社って、長くいてくれると相性がだんだん良くなってきてくれたりもするけど、すぐに抜けちゃう方は、やっぱり夢を追ってる感が強いかなって思います。」と、太田さん。

「仕事を楽しめる人がいいですよね。8時間仕事しなくちゃいけない、通勤の往復や支度って考えると10時間以上の方は人生の半分になるので、その時間を楽しめない人とはできないかなって思ってます。ただ、面接は社員にもやってもらって、最終的には太田を含めた社員に選んでもらうようにしています。」

「それと、地域を愛してくれてる人ですね。この町のイベントごとがすごい増えているので、墨田を愛している方。短時間しか働けない方でも、そういった方が地域に散らばっていてくれるとすごい助かりますね。」

お互いの印象も聞いてみた。
太田さんから見て、社長はどういった方ですか?

「みんな思ってると思うんですけど、良くも悪くも振り回すなーって思ってます(笑)でも、人を振り回すのって結構大変じゃないですか。振り回す覚悟がないとできないし、言ったからには自分が大変だったり。みんなにとっていい悪役?なのかな。自分で何か作り出せるかって言うとできない人がほとんどで、なんだかんだ言って山田さんが走り出してくれないと会社が動かないからねってことは分かってると思うんです。」

逆に山田さんから見て、太田さんは?

「人の心を汲みますよね。営業のセンスって何かって考えると、技術的なことってどんどん覚えて早くなるけど、相手の心を汲み取ってそれに対して120%でできる人間が相手に喜ばれるし、それができる子なんじゃないかなって。だからお客さんが離れないですよね。」

東京アート印刷

イベントをやっているのは、『恩返し』と話していた山田さん。
だが、参加しているイベントは、地域の防犯パトロールや清掃活動といった、ほんとに小さな活動にまで及ぶ。

なぜそこまでするのだろうか。

「ボランティアと言えばボランティアでしかないけど、それによって町を守る町会としてのシステムに加わらせてもらえたり、町の一員になれたのかなと思います。必要とされるところにやっぱり存在意義を感じるんですよね。自分も協力してもらったから協力し返すって感覚は強いです。」

東京アート印刷

これまでも色々なことに挑戦してきた東京アート印刷所。
これからどういった方向に進んでいくのだろうか。

「仕事が印刷業でいたいとか、代理店でいたいとか、町おこししたいとか僕の中にはないですね。どうなってもいいと思ってるんだけど、社員が幸せになるというのは、具現化したいというのはあります。」

「将来『どうしたいか』ではなく『どうありたいのか』が大切なのかなと。でも、それは経営者側のエゴかもしれません。社員にしてみれば給料面や休日等、日々進歩することで心の余裕が出来るような会社にすることが、今一番の課題かなと。18歳の子(太田)が入社して10年経っているのにも関わらず、まだそこまでたどり着いていないのは、情けないかぎりです。」

東京アート印刷

オフィスに伺ってお話させていただいて驚いたのが、会議室が制作部の真ん中にある。
それも壁や仕切りもなく、すぐ隣では制作や電話をしている。

「社員に隠し事はしたくないんですよね。それに、従業員は目の届く範囲の人数でいいと思っています。人間性が分かって頻繁に話しかけてあげて、目の行き届く範囲の人間が幸せになれる。ちっちゃい会社なので、自分が雇ってる人間は守りたいんですよ。」

こんな風に山田さんは話してくれた。

話の途中、他のメンバーにも話が振られ、手を止めて会話に参加してくれる。話の内容によってはちょっと話しにくい環境な気もするが、会議室に通されて担当者とだけ話すよりもずっとこの会社のことが分かるし、雰囲気を感じられる。

人と話すことがとにかく大好きな方、ぜひ、応募してみてください。
きっと、山田さんたちの方がもっと話し好きだと思うから。

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