キラキラの一年生 すみまめカフェ
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ご応募ありがとうございました。
2015年4月4日、キラキラ橘商店街にできた「すみまめカフェ」。
区内では珍しい介護相談窓口を併設したカフェとして話題になったが、オープンして約半年。介護はもちろんカフェとしても着実に地域に根ざし、今ではこのあたりの欠かせない交流の場になり始めている。
そんなすみまめカフェで、さらに店舗をそして商店街を盛り上げてくれる、意欲的なスタッフを募集されています。
すみまめカフェは、以前オープンまもない頃にすみだの仕事で取材し、求人を掲載させていただいた。今回改めて求人掲載のため、約半年ぶりにキラキラ橘商店街にあるお店に伺った。
お店があるキラキラ橘商店街は、すみまめカフェのように新しいお店も少しづつできはじめており、墨田区の中でも活気のある商店街の一つだ。暗くなる18時頃には、ほとんどのお店のシャッターは閉まり人通りもまばらになるが、今年3月に街路灯を整備したことで、夜でも明るく安全な商店街に変わり始めていて、以前来た時とはまた印象が変わっていた。
今回も出迎えてくれたのは、株式会社クリエイト・ケアの渡邉さん。
クリエイト・ケアとして介護事業を手がけながらこのカフェの運営も取り仕切っている。
久しぶりにお会いすると、不思議と以前に比べとても穏やかな印象を受けた。
渡邉さんは墨田の出身でも墨田に住んでいるわけでもない。ただ、この場所で長い時間を過ごすことで、下町の雰囲気に徐々に馴染んできているのかもしれない。地域の方にお話を伺うと、イベントに参加されたり、積極的にコミュニケーションを取って地域のことを理解しようとされているんだそうだ。
なにより、スタッフ同士のコミュニケーションがよく取れていて、お店自体に活気が溢れている。
そんなお店の活気を牽引しているのが、今回お話を伺った秋葉さんだ。オープン直後からここで働いている彼女は、墨田区の出身で『すみだの仕事』から応募してくれて、見事に採用された一人。
「ここを知ったのは、母がお店の前を通ってここができたことを教えてくれて、ネットで調べて『すみだの仕事』の求人を知りました。求人を見て、普通のカフェじゃなくておもしろいなって思ったのと、お客さんとのコミュニケーションを重視されているように感じて応募しました。」
「実際、ここは出会いがいいから続いてます。色んな人に出会ったり、人に会いたいとか、人に興味がある人はすごい向いてると思う。誰にでも話さないといけないわけじゃないけど、話してもいい雰囲気がいいかな。」
実際に、秋葉さんと話すことを楽しみにされているという年配のお客様も多いんだそうだ。
今回の募集は、秋葉さんと交互に入れるアルバイトスタッフを募集されているが、ゆくゆくはホールやキッチンだけでなくカフェ全体を俯瞰して見てもらいながら、さらに一歩先へ進んで行ってもらえる方を募集されている。
働いてみて、大変なことは?
「最初はお客さんが少なくてひとりひとり丁寧にサービスができたけど、ランチも始めて徐々にお客さんが増えることで、そうもいかなくなってしまいますよね。一度にお客さんが来ちゃった時があって、その時は申し訳ないなぁって。ランチもそうですが、何か新しいことをはじめると必ず問題は出てきますよね。」
確かに、前回取材させていただいた時よりも確実にお客さんは増えているように感じる。取材中もひっきりなしにお客さんが来店され、取材が終わるまで途切れることはなかった。
ここで働く魅力は?
「このカフェの一番の特徴は、介護相談窓口があってケアマネさんが常にいてくれること。ケアマネさんは普段から手が空いてる時は、カフェを手伝ってくださるので、おじいちゃんおばあちゃんの対応の仕方みたいなのを見て勉強できます。車いすの人ならどこ持ってあげたらいいかとか、私では対応できない方でも、うまく対応してくださったり。」
「それとさっきも言いましたが、ここには色んな人が来てくださって、お客さんとも仲良くなれるので、出会いが多いのも魅力です。徐々にカフェだけじゃなくてスペースを貸したり、イベントやったりしてるので、そこでまた広がったりもしています。」
今夏からパスタを始めとしたランチメニューを開始。さらに、秋からはスープのセットメニューが加わった。また、店内で販売しているパンも入れ替えを行っているが、こういったメニューの変更や改善には、アルバイトスタッフの意見も取り入れているそうだ。
「パンは、仕入れ先のリストがあってどれがいいか選別させてもらってます。今並んでいるパンは私の独断と偏見ですね(笑)」
「お店も小さいし、スタッフもそんなにいない。色々と意見を求めてくれたり試食させてもらったりしながら、一緒に改善していってます。実際に働いてて何が必要か分かるし、言える環境だし、むしろ求めてくれる環境なのはいいと思います。」
スタッフは全員カフェのロゴが入ったお揃いのTシャツを着ているが、この半年の間に作られたそうだ。こういったものにもスタッフの意見が反映されている。
「最近だと、月1回のペースでドッグカフェを始めました。スタッフみんながペットを飼っているということもあるのと、わんちゃんを連れて通る方が多くてやってみよう!ってことで始めたんですが、こういうイベントはやってるこっちもすっごく楽しいんですよね。」
すみまめカフェは、商店街にあるお店ということで同じ商店街との繋がりが強いことも特徴の一つだ。オープン前からずっとお店のことを見て来られた、キラキラ橘商店街の事務局長である、大和さんにもお話を伺った。
「すみまめカフェは、商店街が募集した店舗なんですね。空き店舗対策ということで、ある程度条件をつけて募集しました。最初は、介護的なことを中心にという話だったんですが、我々も商店街なのでモノを売っていただいて、お客さんに出入りしてもらえることを条件にしたところ、渡邉さんの方でもカフェということが頭にあったみたいでやってもらいました。」
「商店街は全体的に日曜休みが多いんですね。駅から離れてるものですから、外から来る人はいないんですよ。でも、スカイツリーができてからは来られる方が増えたので、日曜はやってもらいたいということをお願いして開けてもらってます。そのおかげで、日曜に商店街に来た方もちょっと休んでいってもらえるようになりました。」
ここが出来たことで、商店街として他に何か変わったことはありますか?
「私たちにとってありがたいのは、まず話題性ができたということですね。ケアマネージャーがいるという介護カフェみたいなのは、今までやった例がなく話題になっているということが一つ。」
「もう一つが、Free WiFiが飛んでいたり、電気のジャックが各テーブルにあったりと、今の若い人たちのある程度ニーズにあったカフェなんですね。ここの商店街というのは駅から離れているので、近隣型、地域密着型の最たる商店街なんですね。近所の方々がリピーターとなって来て食べてきた商店街なので、どちらかというと高齢者の方が中心でしたが、ここは若い人が入ってくれています。」
そのあたりは想定通りという感じでしょうか?
「このあたりは、完全にお得意さんだけで形成されているお店が非常に多いんです。だから、最初はイメージが湧かなかったんですが、商売って実は『出やすい店を作れ』っていうんですね。そうゆう部分では、パンだけ買いに来た人も、ここ雰囲気いいなとかおもしろそうだなってことが伝わるので、ただものを売るだけじゃなくて、若い人たちに注目していただけるようなおもしろい動きです。その結果4月にできたばかりですけど、少しづつ口コミで広がっているように感じます。」
このお店の『出やすい』理由はなんでしょうか?
「渡邉さんをはじめスタッフも非常に笑顔でいいものですから、親しみもあって小さいお子さんが入ってくれたり、新しい試みをやってみたりとか、いろんなチャレンジ性もお持ちなところです。非常に話題性にもなって、商店街としてもウリの一つになっていますね。」
大和さんの商店街事務局は、すみまめカフェから徒歩10秒ほどのところ。普段から度々お店を心配しては、こんな風に覗いて声がけをされているようだ。
「お金をかければ新しいことは色々できますが、それよりも既存の中で活かせることを生かして、それを強みにするのが一番いいんじゃないかと。そうゆう点では長屋をリノベーションしたということで、新しいスタイルに変えるんじゃなくて、親しみやすいところから近所の方も新しい方も入ってもらっていると思います。」
近所のおじいちゃんおばあちゃんにも人気で、今でこそこのカフェの顔となった秋葉さんだが、実はここで働くまでは地元が好きじゃなかったんだという。
「ここで働くまで、特に高校生の時とかは地元が嫌いでした。何もないしむしろ地元とのコミュニケーションはシャットアウトしてたくらい。知り合いも少なかったし。でも知らなかっただけで、ちっちゃいお店とかおもしろいお店が多いことに気付きました。」
「この商店街は、イベントも多くてお店としては基本的に全部参加するようにしています。今までそういったことも参加してこなかったんですが、お店と仕事を通して関われるようになったのも良かったかなと思います。」
どんな人がここの仕事に向いてると思いますか?
「おじいちゃん、おばあちゃん、ママさん、ちっさいお子さんも多いので、臨機応変さは必要だと思います。おばちゃんならすぐ駆け寄ってあげたり、座りながら同じ目線、同じペースでお話できるようにするとか。その反面入り口のところでは、持ち帰りのパンも販売していて、自転車から降りずに急いで買われるお客さんもいたりするので、全部が同じ接客ではないところですよね。」
「あとは、私みたいにうるさくなくていいと思うんですけど、笑顔で明るく元気に話せる。当たり前ですけどね。」
この先このお店は、どんな風になっていって欲しいですか?
「これからは半年分のデータがあるので、それを活用してよりお店を良くしていくにはどうしたらいいか考えていかないといけません。でも、半年経った今でもお店を一緒に作ってる感じはまだまだあるので、一緒にお店を作って行ける感覚が味わえるし、意見が言えるのもやりがいあると思うので、一緒にみんなでいいお店を作っていけるといいなと思っています。」
2年目に向けて、これからも日々改善と進化を繰り返す、すみまめカフェ。
一緒に地域に愛されるお店を作りながら、商店街を活性化していきたい方、ぜひ応募してみてください。