ペッパーフードサービス ペッパーフードサービス
みなさんに知ってもらいたい『仕事』や『会社』が墨田区にはたくさんあります。
でも、それを知るのって難しいです。
だから、そんなところを地元を良く知るメンバーでちょっとづつ紹介していきます。
第一回目は、すみだ経済新聞編集長の山田さんが墨田に本社を置く(株)ペッパーフードサービスに伺った時の話。
それでは、山田さんお願いします。
意外に知らない人がいるのだが、『いきなり!ステーキ』ことペッパーランチを運営する会社、(株)ペッパーフードサービスは墨田区に本社を置く上場企業である。
1月の上旬に、1枚のファックスが届く。
よく読んでみると、墨田区吾妻橋にあるペッパーフードサービス本社3階の研修センターを『いきなり!ステーキ研修センター店』として開業するとのこと。なんとメニューは、通常店舗より割安らしく『研修センターにつき不手際はご容赦ください』という言葉を掲げ、割安で商品を提供しているようだ。
当社は、すみだ経済新聞を手掛けているため一応メディアという立場なのである。
「そういうなら行ってみますか」と取材がてら半分はただただ、おいしいお昼をお得に食べに行こうとご訪問することになりました。
『いきなり!ステーキ』は、お値打ち価格の本格ステーキを、お客様のご注文のサイズに合わせて目の前でカットし、立食形式でお召し上がりいただく斬新なスタイルで、2013年12月に1号店を開店して以来、瞬く間に2年で78店舗も出店している驚異的な店舗なのです。
取材当日、食べる前にまずは取材しなければと、広報の川野さんとお話しさせていただいたのだが、いきなりステーキだけにいきなり先制パンチをいただく。
「上野のお店は看板が良く目立ちますね」と冒頭に言ったのだが、帰ってきた言葉は「上野の出店は一か八かの賭けでしたよ。だって、当時資金繰りに余裕が無い中で、社長が出店を決めたのですから」と。
これだけではない。
ハウステンボスへの出店も、ナショナルブランドとしては初めてのことだったらしく、あの澤田社長(HIS会長)に直談判したそうだ。
そんな話が延々と続く。
そりゃ腹が立つだろうと思いきや決してワンマンではないとのこと。
最後は、一瀬社長が判断すると言いつつも社員の意見をよく聞いてくれるというのだ。お話しすればするほど自分が思っているイメージとは大きくかけ離れていることに気づかされた。
本社にある研修センターの話もそうだ。
決して新人を研修するための場所ではないのだそうだ。
「本当の新人は、ここには来ません。既に店舗に勤務している社員が主に研修する場所なんです」。
本当にびっくりさせてくれる。
第1号店を開店してから急激に増えていくにあたり、統一ルールの必要性を感じ作ったのだが、やっているうちに『何か違う』『更なるサービスを向上させるためには』等、今一度店長レベルの社員でも原点に返って軌道修正をするために、本社の研修センターは存在しているのだという。
ではなぜ安いのか?と、意地悪な質問をしてみると「やはり指導員が横に立って、調理や接客の指導する事はお客様にとっては不快なものですから、それをご理解いただくため、研修センター店は通常点よりも安くしているのです」とのこと。
事実、「研修店価格」ということで、ランチメニューは、通常価格よりも100円、レギュラーメニューのステーキは、通常価格よりも1gあたり1円も安くなっている。
また、決して『安い肉=良くない肉』ということではないということも付け加えておく。食べてみればわかるが、これほど身近に高級部位の肉がこの値段で食べれるとは到底信じられない。
川野さんもそこについては「原価そのものが高いから当然のおいしさなのです。我々はコストを下げるために肉の質を下げるのではなく、立ち食いステーキにすることで回転率をあげたり、メニューを徹底的に絞り込み、ステーキを美味しく食べていただく事以外のコストを圧縮しております。でも、お客さまの目の前でカットしたり、希望どおりの焼き加減で仕上げたりすることへのパフォーマンスは常に高いものを目指しているのです」とのこと。
このことがきっとお客様の満足に繋がるのだなぁ、とあらためて感心してしまった。
この徹底ぶりが功を奏し『いきなりステーキ』のファンが増えているようで、そのようなマニアのために会社は『肉マイレージカード』を用意しているのだそうだ。これはチャージして使えるプリペイド機能付きのカードで、もちろんチャージ額に応じてボーナスも付く。
広報の川野さんは、自分の会社をこんな風に言っていた。
「当社もユニクロの柳井会長がおっしゃるように、1勝9敗の連続なんです。うまくいかないことの方が多いのが本音。ダメだったらすぐにたたんで新しいことに取り組む。」
「でもその反面、継続は力なりというだけあって、苦しい中でも続けていくことも大切なのです。正直、常識を超えている社長についていくのは楽な事ではありませんが、いつもワクワクしている自分がいて毎日がおもしろいですよ」
と、歯が見えるほどのこぼれる笑顔には、決して広報として伝えているのではなく、本心で答えているような言霊が宿っていた。
『まずは行動する』ことをモットーにしている一瀬社長。
お会いこそできなかったのだが、ゼロを1に変えていくエネルギーもさることながら、チャンスを掴むためのスピード『すぐやる精神』をモットーに注力している強い姿勢が社員にも伝わっており、それが以心伝心のように心を奪われた取材でした。