町工場を支える力 株式会社 浜野製作所
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ご応募ありがとうございました。
きつい、汚い、危険。
3Kと言われていた町工場のイメージは、もう古いかもしれません。
従業員さんの元気で、はつらつとした挨拶。
働く人が活き活きとして、活気ある社内の雰囲気。
テーマパークのような外観と、驚くほど整理整頓された工場。
遠くからでもわかる、赤いユニフォーム。
今でもまもり続けられる、高い技術力と品質。
そして、町工場の枠をこえた新たな取り組みの数々。
ここには、これまでの町工場のイメージはもうありません。
金属加工メーカー『株式会社 浜野製作所」は、これまでの町工場のイメージを大きく変えはじめているが、決して突然こんな風になったわけではない。ここで働く人たちが長い年月をかけて、日々の地道な仕事をこつこつとこなし築き上げてきた努力の結果です。
今回は、そんな町工場の足元をしっかりと固め支えている、営業部の『営業サポート』と品質管理部の『検査・梱包・出荷』スタッフの募集です。
昭和53年創立の株式会社 浜野製作所は墨田区八広にある。
精密板金加工、プレス加工、溶接といった金属加工を少量多品種で生産する金属加工メーカーです。
チタン製の医療用インプラントパーツや通信機器コネクタなどの精密部品から、機械装置の架台・筐体、店舗用什器などの大型製品、ジュエリーボックスといった身近なものまで、幅広いジャンルの薄板金属製品の設計と製作を請負っています。
なんと言ってもまず目につくのは、その外観。
下町の住宅街にはちょっと不釣り合いなくらいのこのド派手な建物の中では、これまでの下請け仕事だけでなく、町工場の枠を超えた様々な取り組みが行われており、多くのメディアで注目を集めている。
まずお話を伺うのは、今回募集する営業サポートの方と一緒に働くことになる、営業部の片倉さんと山下さん。
営業サポートの仕事は、製造現場が図面をもとに製造に入る前に、必ず見積もりや注文書を基幹システムに入力し、指示書を出力しなければいけません。この基幹システムへの入力が主な業務になります。
現在は、専属の担当者が1人で担っていますが、他業務との絡みでどうしても滞ってしまうため、新たにここを手伝ってくれる方を募集しています。
「今回の募集を機に、新しく入った方でもすぐできる簡易的な形に社内システムを変えます」
専属の人しかできない、分からないといった業務がいくつもあり、新しく入る方にもすべてをお任せするというよりは、作業を分散させることが今回の狙いのようです。
基幹システムの入力は、毎日の作業ではありますが通年して忙しいというわけではないため、短時間のパート雇用になります。逆に、勤務時間帯などは個人に合わせて調整ができるポジションなので、時間帯が厳しい方もまずは相談してみてください。
必要な経験はありますか?
「製造業の経験がなくても、基本はパソコンが使えれば問題ありません。電話やメール対応をしていただくこともあるので、しいて言えば事務経験があればとっつきやすいとは思います」
そんな営業サポートの仕事を長年1人でこなしてきたのは、西村さん。
ここで働いて10年以上になる西村さんは、アットホームな雰囲気を気に入っているそう。
同じ部署で一緒に働くお二人にとって、西村さんはどういった存在でしょうか?
「やはり長く働かれてるので、お客様に対して交渉してくださったり、我々にアドバイスをしてくれてミスを事前に防げたことも多いです。僕らはどちらかというとがさつなので・・・(笑)」
お客さんとのやりとりは多いですが、基本的には電話やメールでの対応がメイン。
顔の見えない相手だからこそ、声のトーンや口調によって与える印象はがらりと変わります。明るくてはきはき喋れる、そんな人が向いているかもしれません。
長年担当されていた方の後任ポジションであり、重要なシステムを担うということもあり、プレッシャーも大きいかもしれません。
「こちらも任せっきりにするのではなくて、自分が担当するお客様のものはチェックしますし、社内には他のスタッフもいてフォローはできるので、心配しなくても大丈夫です」
どのくらいで仕事は覚えられそうですか?
「基幹業務だけなら、1ヶ月かからないと思います。ただ、今回マニュアルを作りながらティーチングをして、つぎに入る方にも活用できる体制をこの機会に作る予定です。基幹業務は、適当にはお願いできないので、そういう意味では特にしっかりとレクチャーしたいと思います」
続いて案内していただいたのは、本社工場の目の前にある第三工場。
品質管理部は、ここの1階にあります。
納品や出荷があり、とくに人の出入りの多い建物です。
現在は、検査員が2人、梱包が1人の3人体制ですが、業務過多と人手不足が続いており、別の部署にヘルプをお願いすることも少なくないんだとか。
品質管理部の仕事は、実際にできあがった製品を一つずつ図面と照合する検査業務と、検査が終わった製品の梱包、そして最終的にお客さんに届ける出荷業務になります。客先のクレーム対応や社内の品質管理業務などもここの仕事になります。
日々の出荷数は、20~30点ほど。
数だけ聞くとそれほど多くないようにも思いますが、1つの製品に対して100カ所以上の検査が必要なものもあり、日によって忙しさにはばらつきがあるそうです。
品質管理部が立ち上がったのは、5年ほど前。
以前は選任者がいたものの、製造部の一工程でしかなく今のような明確な部署分けはされていなかったそう。ベテランの検査員の退職をきっかけに体制が見直され、新たに部署として立ち上がりました。
続いてお話を伺うのは、部署の立ち上げの際に製造部からこちらへ抜擢された、小俣さん。
今は、品質管理部で部長を務められています。
墨田区出身の小俣さんは、中小企業向けの就職セミナーで社長の想いに感銘し、インターン入社。以来、10年以上この会社を支えてきました。
「検査は、時間がかかりますけど決して難しいことはやってません。中には突拍子もない図面もありますけど、チェックするところはだいたい決まってますし、最終確認は我々がするので、やらなきゃいけないことをしっかりとやれる人なら大丈夫です」
品質管理や検査と聞くと、素人ではできないような専門分野に思われがちだが、お話を聞くとそんなことはないよう。
資格が必要なものではなく、計測器具の使い方を覚えてきっちりとできる方なら問題はありません。意外なのは、理系や工業系の学校を出ている方がほとんどかと思いきや、小俣さんもそうではないそうだ。
「文系や理系だからってのは関係ないですね。それよりも性格的なところ、几帳面かどうかの方が重要だと思います」
「ただ、いきなり検査から入ると不明なところが多いので、未経験の方ならパートさんでも最初に現場を体験してもらうといいかもしれないですね」
検査は、ノギス等の測定器を使い図面どおりに製品ができているかを調べる。形状が複雑で測りにくいものや、数の多い製品については、特殊な機械で読み取り画像で計測をすることもあります。
品質管理という仕事のやりがいは?
「完成品がくるので技術力が手に取って見られますし、無事お客様のところに届いて喜んでいただける、自分が作ってるわけじゃないですけど、安心するというかよかったなと思います」
「また、現場の頃は自分の工程だけでしたが、いろんな工程や協力会社様の品物がきますし、樹脂や木や革なども目にできて、見地は広がりました。お客様とお話する機会もあってクレーム対応もありますけど、改善の機会と捉えるとそれもやりがいや楽しさではありますね」
検査し梱包された製品は、最終的なお客さんに届けられる。製品の最終段階を担っているという点で、責任も大きい仕事です。
浜野製作所への新規のお客さんの問い合わせは、月に50件にも及ぶ。
そのほとんどが、少量多品種でさまざまな形状や素材の製品がここにはやってきます。
「全く同じものがずっと流れてくるのではなく、真新しいものがバンバン入ってきます。同じ製品や慣れた製品なら、勝手も分かりますし時間も読めますが、まるっきり新規や複雑なものは読めません」
「そのため、仕様を営業さんやお客様に確認したりといったことも多いです。どういった仕様か、どういった使われ方をするのか、初めての会社さんだと分からないので、心配だから余計に見ないといけない、でも納期は迫ってる。そういった日々の葛藤はありますね」
現在、梱包業務の方をメインで担当しているのは、木下さん。
小俣さんよりもキャリアは長く、ここで働く以前も板金やプレス工場を経験されてきたそう。
梱包は、検査を終えた製品を壊したり傷つけたりすることなく、無事に届けられるよう緩衝材などで包み出荷する作業。製品によっては、柔らかいものやバランスの悪いものもあり、一様に決まっているわけではありません。製品を見てつど柔軟に対応していく必要があります。
この仕事にはどういった方が向いていますか?
「根気強くテキパキとできること。ここはお客様に製品が届く最終工程で、数値を一か所見逃しただけでクレームに繋がり兼ねないので、まあいっかではなく厳しく見れてまめに色々と気がつく人だといいです。あと、単純な入力作業ですが、パソコンが苦なくできるといいです」
最後に、取締役である片倉さんに、この会社の営業の仕事について伺ってみます。
以前は、食料品の卸商社で営業をしていましたが、内勤へ移りたいという想いから浜野製作所の工場勤務を希望して転職されたそうですが、今も営業を続けられている。
「ここは工場勤務で未経験OKだったんです。で、念願のものづくりに入ったんですけど、2年しないうちに営業をやれと。営業やりたくないからきたのに、結局ここでも10年以上やってます」
いま振り返ってみて、どうですか?
「たぶん営業でよかったと思います。大雑把でものづくりには性格的には向いてなかったですし、営業は臨機応変な対応が求められるので、向いてたのかなと思います」
片倉さんから見て、浜野製作所の営業の仕事とは?
「営業は楽しい仕事ですよ。お客様に喜んでもらうこともですが、求められたものを作って世の中にだすのは、我々しか経験できないこと。その橋渡しが営業なので、要望通りのものができて喜んでもらえるのが一番の醍醐味ですかね。怒られたり色々ありますが、そんなことは吹っ飛ぶくらい現場がいいものを作ってくれて、世の中に広めていけるのは営業冥利に尽きます」
「自分のスキルも上がっていくので、ルーチンじゃないのが一番面白いかもしれないですね。なので、営業サポートもいろんなお客様に合わせた対応を求められます」
部下の山下さんから見て、片倉さんはどんな上司ですか?
「束縛しないというか、自由な感じがあります。僕は以前大きな会社にいて、これをやれあれはやっちゃだめって人が多かったんですけど、決められた枠はなく売上を上げれば自由にやらせてくれる。なおかつ困った時には、いいアドバイスをくれるアドバイザーです」
「部活の先輩って感じでもありますね。こういう風貌でよく勘違いされますが、社内では一番のおちゃめキャラで冗談もいいますし、事務所の中ではファンも多いですよ」
平均年齢は、30歳後半。40歳を超える社員もいるが、スマートフォンでSNSを積極的に活用したり最近の流行りに敏感な方も多いそう。若い方に合わせて努力をしているのかと片倉さんに伺ってみると、どうやらそうではないよう。
「興味じゃないですかね。20代の子についていけないとか、知っとかないと嫌われるみたいなのはないです。ミーハーなのかもしれないですね」
「仕事が遊びで遊びが仕事みたいな境目がなく、ものを作るのも一生懸命やってそれがたまたま仕事になった。こだわりがあったりとか楽しみたいって好奇心が常にあるのかもしれませんね」
スーツ姿の人は一人もいない社内は、確かに普通の会社とはちょっと違う。パーテーションなどの区切りはほとんどなく、窮屈な感じや会社っぽさはあまりない。こういった自由な雰囲気は、どのようにして作られているのだろう。
「そもそも彼らは優秀で、優秀な人を縛り付けてあれしろこれしろと言うよりは、会社が何を求めてるかそれに対して自分が何をやらないといけないか、僕が言わなくてもよく理解してくれているんです」
そんな従業員の方の多くは『ここは居心地が良い』と、そんな風に話します。
「逆にきっちりって人は、ゆるくてはまらないかもしれません。大学のサークルの延長線上みたいですけど、ちゃんと仕事として成り立ってやってます」
ものづくりの現場には、体育会系のようなイメージもあるが、営業部も製造部も年齢や役職での上下間はほとんどないそう。もちろん、パートや社員といった垣根も全くなく、誰もがフラットな関係に近い。
最後に、会社としての今の課題を伺ってみました。
「属人化している業務がたくさんあり、誰かがいないとできない、分からない状況があります。今回は、特に可及的な部署の募集ですが、技術者レベル職人についてもそろそろ新しい人を育成した方がいいんじゃないか、という社内的な問題は抱えています。おかげさまで仕事はたくさんあるのですが、それを捌くのに四苦八苦してしまっている状況で、少しずつ改善していきたいと思います」
浜野製作所は、どの部署も高いレベルで仕事をこなしてきた。
そのため、簡単に技術を次に継承していけるというものではないのかもしれない。
しかしこの先、何年、何十年と、会社を継続・発展していくには、いま新しい力が求められています。仕事は真剣だけど、遊びもとにかく真剣、そんな風に仕事もプライベートも全力で楽しみたい方は、ぜひ応募してみてください。