しあわせの家づくり 株式会社 駿河屋
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ご応募ありがとうございました。
木の香りのする家で暮らしたい。
住宅が原因で、体調を崩してしまうなど様々な悩みを抱える人がいて、そんな想いを持つ人が増えています。
材木屋だったノウハウを活かして、天然素材や自然素材に徹底的にこだわった家を建てる、駿河屋。業種を変えながらも、この地で350年以上先祖代々営まれています。
ただ作ればいいという考えではなく、実際に住む人の気持ちに寄り添いながら家を建てる。そうした考え方や姿勢により、今では住宅に悩みをお持ちの方や、暮らしやすい住居を求める方のかけこみ寺にもなっており、今後さらに多くの方の相談に乗っていきたいそうです。
そんな方の暮らしを一緒にサポートしてくれる仲間を募集します。
今回の募集は、現場監督と建築設計、一般事務のスタッフ。
住宅に興味のある方、人に喜んでもらう仕事をしたい方は、ぜひ読んでみてください。
株式会社 駿河屋は、創業1657年の建設会社です。産地の分からない素材ではなく、自ら産地へ行き自分自身の目で確かめ納得のいく安心安全な自然素材を使い、体に良い住宅を作っています。
お話を伺うために、墨田区向島にあるショップ兼事務所である建物に訪れました。
東京スカイツリーの足元にあります。
「どうも!」
店内に入るとすぐさま元気な声で、社長の一桝靖人さんが笑顔で出迎えてくれました。
建設会社と聞くとごつい社長さん。そんな勝手な想像をしていましたが、ジャケット姿に爽やかな笑顔は、誠実で気持ちの良い方だということがすぐに伝わってきます。
早速、一桝さんに詳しいお話を伺ってみます。
駿河屋で働くスタッフは、現在5名。
たった5人で家を建てているかと言うとそうではありません。
外部スタッフの設計士や左官、大工といった現場で作業する職人さんに、現場ごとに依頼をします。ここで働く方は、そうした外部スタッフとうまく連携しながら、一緒に家を建てています。
「お客さまが増えて今の人数ではいろんな動きが取れなくなってきたので、新しい方と一緒にさらに多くの方の要望に応えていければと思います」
駿河屋は、元々350年以上続く材木屋で、一桝さんは9代目にあたります。
大手ゼネコンで長年働いていたが、ここを継ぐために辞められたのは、14年前のこと。
そこから、材木業ではなく建設業に業態を変化させるために、ハウスクリーニングから始められたそうです。
「建築物を作るゼネコンを作りたかったんです。でも、いきなり取引してくれる業者もいないし、材料も仕入れられない。ハウスクリーニングで飛び込み営業しながら、徐々に建築に関わる仕事をいただくようになりましたが、だんだんそれに興味がなくなってしまって。お金以外なんにも残らないし、俺じゃなくてもいいじゃんって」
昔から独立は考えられていたのでしょうか?
「ここの看板があるからやらなきゃみたいなのはありました。でも、自分自身勤め人って向いてないし、やりたい仕事はこれじゃないと思って、32の時に一級建築士を取って翌年に独立しました」
そうして、1人で始めたハウスクリーニングの仕事は、とても順調だったそうです。
「寝る間もないくらい忙しかったです。飛び込み営業がたぶん得意なんでしょうね」
「でも、ぜんぜんおもしろくないし、息子に残したい仕事でもないし、何か新しい方向にいかないととずっと悩んでいる時にリーマンショックになったんです。そこそこのリフォーム工事を大手さんからいただいてましたが、急に締め付けが厳しくなって、辛い時期が続きました」
そこから、たまたまMBAを取るきっかけがあり、次世代へ残せる仕事、社会の役に立つ仕事を卒業論文として考えた事業が、代々受け継いでいる木材や自然素材の知識を活かせる本物の住宅を創る仕事。これをきっかけに新規事業がスタートしたそうです。
新しいことを始めるのに、不安はなかったですか?
「ないですね。僕でできなきゃ誰もできないと、その頃は思っていたので。ただ、下請けを続けながら徐々に軸足を変えるつもりが、始めたとたんに元請けから仕事をストップされて、大変な時期もありました」
「だから、よく親父の事業を継承した老舗の若旦那みたいに見られますが、ほんとはぜんぜん違うんですよ。でも、思い切ってやらないと変わらないんだなって思います。下請け脱却をずっと目標にしてたので、スタッフの顔色が良くなりましたね。一般のお客さまがいかに喜ぶかだけを考えてやっているので、やりがいはあるしすごく喜んでもらえる。その後のお付き合いも長くできる、気持ちの上でも非常に健全な仕事になってきたと思います」
今回募集する現場監督は、簡単に言ってしまうと、家を作る仕事。
設計が図面を引いたものに対して、職人さんを段取りしたり材料を仕入れたり、細かいおさまりを決めたりしながら一緒に作る。あくまで実際のプレーヤは職人さんであり、そういった方と連携しながら現場がスムーズに流れるように交通整理をする役割です。
人を採用する上で、重視している点ってありますか?
「駿河屋の考え方に共感してくれる人ですよね。あとは、自分でちゃんと頭を使って動ける人。そして、言われたことだけではなく、どうしたら会社が良くなるかを考えてくれる人。アイデアがないと中小企業は伸びないので、新しい知として入ってくれると嬉しいですね」
今回募集する現場監督の仕事は、現場を中心に動ける方と会社全体をマネージメントしてくれる方を募集しています。
現場の方は、人に喜んでもらいたいという想いと熱意があれば、資格や経験は今はなくても大丈夫です。一方、マネージメントは、現場から設計、そして経営までを勉強したいという方。会社全体を俯瞰して見る幅広い業務になります。
「当社もゆくゆくは事業継承を考えないといけません。そういった意味で全体を見られる視点のある人であったり、経営的なところをぼくの下で勉強して、大番頭になってくれる方に来てもらえたらと思います」
「また、経験が浅い方にも、挑戦して欲しいと思っています。資格や経験があればより良いですが、最初はなくても構いません。そこは、本人次第ですね。今いるスタッフも未経験でしたが、現場監督とし立派に成長してきましたし、お客さまからの信頼も厚いですよ」
現場監督として働く、黒田さんにもお話を伺います。
現場監督として働く方は、2名。
黒田さんは、9年目になりますが、未経験からのスタートだったそうです。
「前は設備関係の会社で、電気や空調工事をやっていたんですが、建設業という大枠の中で全体を見られる仕事がしたかったんです」
新しく入る方は、まずは黒田さんの下について仕事を覚えてもらい、ゆくゆくは一人で現場を任せられるようになって欲しいそうです。
「私も一からだったので、先輩に付きながら見て覚えたり、調べたりして最初は大変でした。でも、全部自分ひとりでやるわけでもないので心配しなくても大丈夫です」
一人で担当する現場は、およそ4~5件ほど。
ほとんどが住宅で、新築を建てるのに5ヶ月ほど、リフォームで1~3ヶ月といったスパンになります。お客さまの様々な要望に応えるため、建てるまでの期間は他の会社よりも長いそう。
「うちには決まった仕様もないですし、お客さまひとりひとり違って、その都度打ち合わせも必要なので、あまりいっぱい現場は持てないんです。でも、その分ひとつひとつ手間をかけて丁寧にやるので、効率は良くないですが喜んでいただいてます」
この仕事の大変なところは?
「設計が決まっていても急な変更があったりも多く、そんな時にはいろんな方に動いてもらわないといけないので、柔軟性がすごく必要だと思います」
お客さまとはもちろんのこと、職人さんとのコミュニケーションや信頼関係は重要で、月に1度職人さんを集めた会議をやったり、飲みに行くということも重要だそうです。
ここで働く魅力は?
「いろいろ経験できることです。建設現場という枠の中だけじゃなく、打ち合わせから現場からイベントから接客から、幅はすごく広いです。大変かもしれないですけど、やりがいはすごくあります」
産地研修を必ず受ける制度があり、夏と冬には熊本のい草農家に泊まり込みで行き、栽培や刈り取り体験をしたり、木の伐採や植林といった経験をすることができるそうです。
「それと、下請けをやめて駿河屋ブランドとしてやってきて、お客さまと直でできるようになり、喜んでもらえる顔が見られるのは、やりがいありますよね」
ここでは、建設会社でありながら、多くのイベントを手がけていることも大きな特徴です。木を使って工作するワークショップや、農業体験、流しそうめんといった様々なイベントが月に1回ほどのペースで企画されていて、その全てをスタッフで運営をしています。
なぜ、こうしたことをするのか、それは大前提としてこの会社が家を作る会社だということを認知してもらうこと。そしてもう一つの理由を、一桝さんはこう話します。
「一般の住宅に住んで、具合が悪くなる人ってすごく多いし、小さいお子さんが木や土に触れるって今なかなかできない。駿河屋と関わることで様々な体験ができるし、コミュニティもできる。何より楽しいと思うんです」
「だから、今後はイベントをもっと増やしたいし、今はスタッフが運営してますが、将来的にはお客さまも運営側に巻き込んで楽しく開催したいと思っています」
こうしたイベントで、毎回足を運んでくれるコアなファンを増やして、お客さまも一緒になって運営できるような流れや、濃いコミュニティを作って、駿河屋があってよかったと言ってもらえるような、地域に欠かせない会社を作っていきたいそうです。
ただ、こうしたことはすぐに数字には現れない。今でもイベントだけで見ると儲けはほとんどでていない。一見すると非効率な活動は、当初は社員からの反発も大きかったそうです。
「こういう方向に行くって話をして始めたら、従業員が半分やめていきました。理解できないのは当たり前だと思います」
「今いるスタッフもようやく分かってきてくれるようになりましたが、イベントは人件費を考えたら赤字でしょうね。営業的な面もありますけど、今の家は本物の木が使われていなくて、それを子供が木だと思ってしまう。ヒノキやイグサの香りを間違って覚えてしまう。それって大人になっていく上ですごく残念なことで、子供のうちに本物に触れてほしいんですよね」
一桝さんがこの事業を始めたのには、材木屋だったことが大きく影響しているそう。
「子供の頃から倉庫や加工場で遊んでいて、今でも木の匂いを嗅いだ瞬間、昔の記憶が鮮明に蘇るくらい染みついています。うちは350年以上の暖簾があり、木にも詳しい。それを活かすことが祖先に対しての恩返しにもなるし、何よりぼく自身が楽しい仕事だし、これこそ次世代へ残す仕事だと思いました」
この事業をここまでに成長させたのは、日々全国を飛び回る一桝さんの行動力と、フットワークが大きいように感じます。
「ぼくが山や川に積極的に行くのは、半分遊びだけど半分仕事。自然志向の方がたくさんいて仕事にも実際に繋がっていますし、ブログやメルマガで発信してもおもしろい。そこからお客さまになる方も増えています」
そういった体験を綴る会社のブログは、毎日欠かすことなく更新され、情報発信にも積極的です。このブログには、一桝さんが持つ知識が惜しげも無く書かれており、アトピーやシックハウスなどに悩んでいる方が、このブログを読んで相談に来られることも少なくないんだそうです。
情報発信やイベントを運営する上で、欠かすことができないのが一般事務のスタッフです。一般的な事務仕事はもちろんですが、イベントの企画や運営、情報発信のための冊子作りやコミュニティの顧客管理といったことも、担当業務です。
一般事務の仕事について、スタッフの雪村さんにもお話を伺いました。
雪村さんは、結婚を機に一時は墨田区を離れていました。しかし、生まれ育った下町が好きで再び暮らすようになり、ここで働くことになったそう。
ここで働こうと思ったきっかけは、なんだったのでしょう?
「家づくりの知識は全くなかったんですが、子供のころから、建築とか家とか大工さんがすごく好きで興味があって、家づくりに関わっていたい、そういう人たちのそばにいたいなって気持ちがあったんです」
この仕事は、未経験でも大丈夫でしたか?
「前の会社で事務の経験があって、内容はそう変わりなく入りやすかったです。うちで特殊なのはイベントですね。段取りとか準備の大変さはありますけど、みんなでいろいろと相談しながらやるので、そのあとに楽しさがあります」
雪村さんはどんな方と働きたいですか?
「イベントのようなうち独特の仕事に慣れないで続かない人もいたので、明るくて楽しいことが好きな方。パートさんって、言われたことだけやって時間になったら帰るってイメージですけど、そうじゃなくてもっと中に入ってきて、一緒に楽しみながら考えながらやって欲しいです」
「いろんな仕事があるので、大変といえば大変ですけど、飽きないと言えば飽きない。いろんなことにも挑戦させてもらえるので、考えてやりたいって人ならすごくやりがいあると思います」
雪村さんから見て、一桝さんはどんな方ですか?
「バイタリティがあって、誠実で尊敬しています。だから、大変だけども一桝さんの下で働きたいって思って、やってきたのかと思います。確かに厳しい部分もあるけど、ちゃんとすごく見ててくれるのでやってこれたのかなって」
事務所の入り口には、厳選した自然素材の商品が並ぶお店が、そして事務所の2階には実際に自然素材の家に宿泊できるモデルルームが併設されています。
こうしたお店の接客や、ショールームの管理も仕事の一つです。商品はスタッフみんなで相談したり、実際に使って気に入ったものを扱っているそうで、商品の選定などもできます。
また、地元の方にふらっと立ち寄ってもらえるように作られたそうで、収穫したばかりのお野菜が並ぶ日もあり、地元のお客さまとの接点や仕事も大事にされています。
「地元のお客さまからお声がけいただく機会は増えています。家はメンテナンスしてくれる人がいないと絶対に長持ちしません。作ったはいいけど、作った会社や工務店がなくなることもあって、どこに頼んだらいいんだって言ってるうちに、痛みがひどくなってしまうことが多いので、アフターケアも含めてお付き合いできればと思っています」
「うちは、小さい仕事を頼もうと思っても頼みづらいというか、たぶん高いだろうと思われてるんですね。でも、近所のおばあちゃんから網戸を張り替えて欲しいって言われても行くんです。そんな風にこの地域で濃いコミュニティとしてやっていきたいと思っています」
区内で実際に手がけられたカフェに案内してもらいました。
墨田区押上にある『CAFE 883』は、今年オープンしたばかりのお店です。
「せっかく作るなら墨田区内で完結したいって想いがあったんです。そんな時に曳舟にある1010cafeさんを駿河屋さんがされたと聞いて、お店に行ってみたのがきっかけです」
と話す、オーナー折元さんご夫婦は、関西出身。
墨田区の魅力にどっぷりとはまり、自分たちが出すお店は墨田区で、そしてその工事や設備といったものも全て区内のもので完結させたい、という強い想いをお持ちだったそうです。
依頼した当時のことを伺ってみます。
実際にお願いしてみて、いかがでしたか?
「職人さんみんなにすっごいハートがあって、人間味あふれる感じの付き合いで、一緒に作ったって感じがすごくしました。担当の方もむっちゃええ人で、すごい気持ちよかったですね」
「完成した後も、職人さんがお茶しに来てくれたりと、関係が続いているのもいいですよね。あと、着工式をしてくれて関わった業者さんがみんな来てくれたり、DVDや写真集をプレゼントしてくれて、ほんと至れり尽くせり。すごく感激でしたよ。涙出そうでしたもん」
折元さんは、依頼した際にここまでのことは期待されていなかったそう。
そうした依頼以上のことをやる、会社としては非効率なことをやる理由について、現場監督の黒田さんがこんな風に話してくれました。
「完成した時に式をやって泣いて喜んでくださる方がいるのは、こちらも嬉しいですよね。現場とお客さまが接する機会は普通の会社ではあまりないですが、駿河屋ではそういった場に職人さんも積極的に参加してもらって喜んでる姿を見てもらうんです。そうして、みんなが喜んでるとやっぱりやってよかったなって」
お客さまにさらに満足してもらえるように、駿河屋では新しい取り組みとして『不動産業』も始まっています。
「家を買ってもなかなか思うようなリフォームができず、失敗することもあるんです。物件ありきで来られる人もいて、これではあなたの夢の住まいは実現できません。という気の毒なこともあります。だったら最初からやりたい夢を聞いて、建築的視点で夢が叶うような物件を探して、提案できたらと思って不動産業を始めました」
誰かのために動いて、それが結果として喜んでもらえる。
それは、とても気持ちの良いこと。
もちろん失敗もあると思います。
だから、駿河屋の挑戦はこれからもまだまだ続いていきます。
一緒にお客さまの喜ぶ顔がみたいという方は、ぜひ挑戦してみてください。