PINK PUNK INC. ! インクデザイン合同会社
こちらの求人は募集が終了しました。
ご応募ありがとうございました。
名刺交換をしたときに、裏面が不思議な模様になっていることに気がつきました。気になって代表の鈴木さんに、名刺に込めたストーリーについて聞いてみました。
「これ、ぜんぶ違う図柄なんです。出会いは1回、名刺を同じ人に何度も渡すことってまずないので、世の中で1枚しかないものを渡すことでご縁を大切にして、弊社の気持ちをていねいにお届けできればと思います」
その話しを聞いて、人との出会いや向き合い方について、改めて考えさせられたような気がしました。
多様化していく世の中で、なにかを犠牲にして仕事をするのではなく、関わるすべての人が幸せになれる、そんな会社を目指しているのが『インクデザイン(incdesign)合同会社』です。
今回訪れたのは、墨田区亀沢にある印刷会社サンコーが運営するコワーキングスペース『co-lab 墨田亀沢』。
錦糸町駅から歩くこと10分ほど。
駅の賑やかさとは打って変わり、下町風情が残る落ち着いたエリアにある建物の1室がオフィスになります。1~2階は、印刷工場になっており、工場直結のコワーキングスペースとして、グラフィックやWEBを中心としたクリエイターが在籍しています。
この会社は、企業のためのデザインをする会社で、主にWEBや印刷物などのデザインを手がけています。ジャンルとしては、少しかっちりとした企業のコーポレートサイトや、IRサイトがほぼメインとなっていますが、他にもアウトドアブランドやキャンペーンサイトといったジャンルの仕事も請け負っています。
この会社で、グラフィックデザイナー、WEBデザイナーを募集しています。
会社が立ち上がったのは、2013年11月。
創業当時は、足立区にあるインキュベーション施設にオフィスを構えていましたが、今年の春より墨田区へ場所を移し活動されています。
出迎えてくれたのは、黒いハットにピンクの短パンを履いた代表の鈴木さんは、これからどこかへ遊びに行くかのような出で立ちでしたが、とても話しやすく仕事に熱い方です。
印刷会社で15年勤めていた鈴木さんは、印刷だけに囚われず新しいことに挑戦したい、そんな想いからこの会社を立ち上げられました。
「WEBの需要が多くなり、新しいことに挑戦しながら印刷業界の中で、もっとチャレンジしたいという想いがありました。でも、どうしても会社では実現できないことが多く、だったら自分でと思って始めました。ここに入居したのも、このコワーキングスペースの『縮小する印刷業界を盛り上げたい』というコンセプトがあったからでした」
今回募集する方は、WEBかグラフィックのデザイナーですが、小さな会社なのでどちらか片方が長けている専門的な方というよりは、どちらもできるとかいろんな経験や興味のある方が望ましいそう。
例えば、コーディングやイラスト、プログラムだけができますという方ではなく、自分で手を動かして制作することもあれば、必要な人に依頼をしたり、スケジュールの進行管理やお客さんとのやりとりといったディレクションもして、全体のイメージが作れる方。
「独り立ちしてフリーランスになりますくらいを目指してくれる方がいいですね。逆に一部のパートだけもくもくとやりたいです、みたいな人だと厳しいと思います」
最初から全てができる必要はないそうですが、気持ち的に何でもやりたいという向上心がある人が合っているように感じます。
co-labのガラス張りの1室がインクデザインのオフィスです。フリースペースがよく見えて、他の入居者の方ともコミュニケーションが取りやすい。
現在、6名のスタッフが所属していますが、パートさんや在宅のメンバーもいるため、ここで働くのは4人ほどになります。
墨田区のこの場所に事務所を移してみて、どうですか?
「いいですよ。落ち着きますし、綺麗ですし。あと、なによりシェアオフィスは、いろんな人が来ることがすごく刺激になりますし、繋がりもできやすいですよね」
手がけられた足立区にあるお店のショップカードでは、墨田区のデザイナーさんにイラストをお願いするなど、早速ここでの繋がりが始まっているようです。
区内の仕事なども、今後はやっていかれるのでしょうか?
「そうですね。熱い地域だと思うので根付いてやりたいとは思っています。ただ、地域にとわられず、特化してる業界に注力し、ビジネス寄りのデザインを確立してその分野をさらに強めていくつもりです」
上場企業のIRツールに特化して専門的に携わっているので、長年の経験や蓄積したノウハウを持っています。その独特な知識を持っていることは、他にはない大きな強みなんだそうです。
また、業界自体が狭いがゆえに少しハードルが高い分野でもあります。地味でニッチだが、そういった意味でも他にはない強みであり、今後はさらに深く踏み込んでブランディングやコーポレートコミュニケーションなどに取り組んでやっていきたいといいます。
ただ一方で、技術的には何か一つに特化したスペシャリストはいないため、技術的なことを学びたいという人には向いていません。
「WEBとか紙で切り分けず、業界に特化して幅広くやれることを一つの強みにしています。お客様の表現したいことを制限せず、そこに対してベストプラクティスを提案することが、デザイナーであり会社だと思っています」
次に副代表であり、デザイナーの倉田さんにお話を聞く。
鈴木さんとは、前職が同じで10年以上も一緒に働いていたそうです。この会社が立ち上がって2年後の1年ほど前に入られました。
「前の会社は2社目だったんですけど、Macを使った仕事をしたいと思って印刷会社に入りました。未経験で取ってくれて、いろいろ教えてもらったので、すごく感謝しています」
「でも、印刷業界ってのはシュリンクしていて、その中で伸びているのはネット印刷や特化したサービスを提供している企業。どこまでいっても効率的に印刷機を回してなんぼの世界なんです。そんな環境で、個人的にWEBの仕事が増えてしまって、自分の仕事はここじゃなくてもいいのかなって」
そんな折に、前職で一緒だった鈴木さんに誘われ、働くことに。他にも何社か検討されたそうですが、やはり長年一緒に働いていたという点がここで働く大きな決め手になったそうです。
10年以上の付き合いがある倉田さんから見て、鈴木さんってどういう方ですか?
「常に進化していて、現状に絶対満足しないタイプですよね。やっぱり新しいことを常に考えてやってる人って世界がどんどん広がっているので、会社もそうなっていきたいと思っています。現状のままでもいいのかもしれないけど、それって結局は後退なので、そこを明確にもって進んでる方ですね」
会社の取り組みを聞いていると、お金にならないような取り組みも多い。
でも、それが何かの仕事に繋がったり、ふとした閃きに繋がるかもしれず、おもしろいと思ったことは何でもやってみるそう。やらされるのではなく、自分からいろいろと楽しもうとすれば、とても楽しめる環境だと思います。
最初は一人で立ち上げた会社ですが、メンバーが入ったことで変わったことはありますか?
「まずは売り上げが上がったこと、そしてチームとして機能するようになり、多少会社っぽく組織になってきたという、このステップはものすごく大きいですよね。それに伴い、いろんなことが出てきますが、乗り越えて会社は成り立っていくので、そこはいい面だったと思います」
お二人がどんな人と働きたいか、伺ってみます。
まずは、鈴木さんから。
「一番はちゃんとコミュニケーションが取れること。デザインはコミュニケーションだと思うので、自分のデザインとか自分の想いだけをぶつけるのではなく、ちゃんと人の話が聞けて、お客様がどういうものを求めてるか理解できる、というかしようとする人が大前提ですね」
「あとは、会社だけに価値を求めない人。会社が全てで、会社のためなら何でもしますという人は合わないんです。いろんな価値感を持ってる人の方が絶対プラスになるので、副業してもらってもいいです。それが、仕事に影響のない範囲で価値のあることなら、支援もしたいなと思っています。実際、今のメンバーでも他で仕事してますし」
倉田さんは、どうですか?
「小さな会社なので、価値観を共通して持っていたいです。いろんなことを犠牲にしてただ仕事をしていたことがあったので、そういう会社に入ってもつまらないし、それとは違う会社にしたいですよね。だから、そこに同調してくれる人であって欲しい」
「あと、DTPはテクニックの意味では、新しい知識を必要としないし、illustratorだって勉強すればある程度のところで技術的には完全にストップします。ただWEBは、テクニックもバージョンアップするので、探究心があるといいですね」
以前の職場では、新卒や中途採用にかかわらず毎年新しい人を採用していて、倉田さんも常に誰かに教える立場だったそう。
「自分が前の会社に入った時は、早く覚えないとって焦りがあったんですけど、なんで教えてくれないの?みたいな受け身の子が増えてる感じはあります。ここはクオリティを担保していれば、好きなようにできる環境ではありますが、勉強したい覚えたいって気持ちがないとそもそも厳しいかもしれないですね」
この会社には、ちょっと変わった制度がたくさんあります。
ご自身たちがこれまで働いてきた中で『もっとこうなったらいいのに』とか『もっと楽しく仕事をするために』ということを考え、どんどん取り入れているそうです。
まず1つが、みんなの座る椅子。
特にデザイナーは、座っている時間が長く一生のうちで考えると相当な時間をそこで過ごす。そのため多少高くても一生の多くを過ごす椅子は、こだわったものにしているそう。
また、ずっと作業をしていると体に悪く、コミュニケーションが生まれなくなってしまうため、1時間の間に5分間だけ必ず手を止め休憩や話しをする時間を設けているそうです。
他にも、積極的に社外の人とも関わってもらえるように、名刺を100枚配り切るごとに1万円が支給される『名刺なくなったら手当』といったユニークなものから、必ず毎朝掃除をして、良い環境で良い物を作ろうといったものまであります。
また、以前は印刷会社に勤めていたお二人の経験と、印刷工場直結のコワーキングという場所を活かして、少し遊び要素も取り入れた実験的な印刷にも挑戦されており、名刺もその取り組みから生まれた1つです。
このような制度や取り組みは、今後も増えていくのでしょうか?
「そうですね、利益には直接関係ないものばかりですが、他の会社の事例とかをみていいものは真似していこうと。今後も進化していきたいなと思っているので、どんどん提案してくれる方が来てくれるとうれしいです」
また、勤務時間にはフレックス制度を取り入れており、フレキシブルに働ける点も魅力です。「実際、働きやすさはものすごく担保されてると思います」と、この制度の良さを語る倉田さん。
「子供の具合が悪いとか奥さんが保育園にいけない時は、自宅作業に切り替えるなど融通はすごく利きます。もちろん入ってすぐや経験の浅い方だと、いきなりそこまでの自由さってのはないですが、ちゃんと自分をコントロールしてお任せできる方なら自然とそうなると思います」
「ぼくは自分の人生にとって仕事が一番じゃないんですね。家族をすごく犠牲にして何かやることに本当に意味があるのかって思うので、クオリティを担保してれば自分の裁量で好きにやれるってことは、たぶんこの先も変わらないと思います」
4年目に入ったインクデザイン。
これまでは、考える暇もなくひたすら転ばないように走り続けてきたという鈴木さんに、これからどんな会社にしていきたいか聞いてみました。
「なぜ働くかっていうことを考えると、ぼくは自分が幸せであるために働いていて、他の人にもそうであって欲しくて、終着点はないんです。あり続ける姿ってのは、自分とチームが幸せであることがまず大前提です。誰かの不幸の下敷きになにかをやるってのはしたくありません」
「例えば、幸せってなにかっていうと、その時々によって定義はどんどん変わってくるものだと思っています。例えば、早く帰って子供と一緒にお風呂に入ることが一つの幸せだったりとか、そういう細かい幸せの寄せ集めを、まずはスタッフで共有をしたいと思っております」
「自分たちが幸せならそれを価値としても提供して、関わる人みんなが幸せになりたいと思っています。そこにデザインは関係ないのかもしれないけど、今できるのはデザインで、その力で幸せであり続ける世の中に何かしら寄与できればなというのが、なりたい姿じゃなくてあり続けたい姿ですね」
採用は、いかにしてお互いの共通点を見つけていき、惹かれ合えるかどうかだと思います。
お二人の働き方や価値観など、なにかしら合致するところがあったら、ぜひお話を聞きにいって共通点をさらに探してみてほしいなと思います。