届けたいのは、本物だけ 株式会社 駿河屋
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ご応募ありがとうございました。
家族の幸せな暮らしが詰まっている住まい。人生の大半を過ごす、大切な場所です。
住まいは、家族の健康的で楽しく幸せな毎日を守るものであってほしいと願う方は少なくないはずです。文字通り一生ものと言える家ですが、街なかで、更地から家があっという間に建つ様子を目にすることはないでしょうか。
想像以上のスピード感で現れる家の多くは、安定的に手に入る安価な材料を使い、画一的な工法で建てられています。安価な材料の中には、化学物質を多分に含んでいるものもあり、シックハウス症候群の一因にもなっているそうです。
住まうお客さまの暮らしがおざなりにされ、効率的に建てること自体が目的になっている。そんな現代の住宅に疑問を感じ、身体にやさしく、自分たちが住む家にも使いたい『本物の素材』を厳選した家づくりをする建築会社があります。
今回は、自然素材を使い、お客さまのライフスタイルに寄りそった住まいを提案できる建築会社『株式会社 駿河屋』の現場監督を募集します。
お話を伺ったのは、墨田区向島にある駿河屋の事務所。
オレンジ色ののれんが印象的な事務所には、住まいだけでなく、衣食住すべてにおいて安心して暮らすサポートをしたいと、駿河屋がオープンした『空まめの木』というお店が併設されています。
まず、社長の一桝靖人さんにお話を伺いました。
一桝さんは、江戸時代から昭和にかけて、代々、材木業を営んできた駿河屋の九代目。
「小さいころから、父に『駿河屋という屋号は残せ。でも、材木業はやるな』と言われて育ちました。材木は斜陽産業になりつつあって、未来が見えなかったからでしょうね」
業種を変えるということは、一から起業するのとほぼ同じ。
悩みながら、一桝さんは関心を持っていた建築を学び、ゼネコンに入社しました。
「建築について幅広く学び、建築会社として駿河屋を継ぐと決めて、32歳で一級建築士の資格を取って、翌年独立しました。でも、建築会社としては見ず知らずの会社に、いきなりリフォームや新築の仕事が来るはずがない。地域の建築に関わる仕事はどこに集まるだろうと考えたときに、それは街の不動産店だと気付いたんです」
一桝さんは、ハウスクリーニング業を一人で始め、不動産店に営業をかけ続けました。
建築を理解しているクリーニング屋さんとして仕事も順調、不動産店からの信頼も厚く、徐々にリフォームや建築工事の依頼が来るようになったそうです。
しかし、リーマンショック直後から、工事の発注が激減。つらい時期が続く中、友人が通信制の大学院大学を卒業したことが縁で、二年間学びの時期を過ごし、MBA(経営学修士)を取得します。
「かなり厳しいカリキュラムで、大変でした。でも、初年度からの演習で、事業計画を綿密に考える機会があり、代々受け継いできた木材や自然素材の知識を活かし、本物の住まいをつくる。という、駿河屋の事業の原型ができましたし、心から自分がやりたいことはなんだ。と考えたときに、自分の本当に良い、欲しいと思った素材で建てた住まいでお客さまのよろこぶ顔が見たいと強く思ったんです」
自分が自信を持って、お客さまに提供したい素材を使った建築をしたい。限られた予算でも、自然素材を取り入れる優先順位をお客さまに伝え、健康的で幸せになれる住まいづくりをしよう。
そう決意した一桝さんは、下請けの仕事から脱却し、全国に点在する木材などの素材の産地を訪ね歩いた。こうして、素材に携わる人々に触れ、自然素材の持つ本当の価値をお客さまに伝え、本物の住まいを提案しています。
続いて、この会社が現在手がける物件の現場にお邪魔しました。
ここは、墨田区墨田で長年に渡り地元の方に愛され続けてきた、下町の酒場。
昭和6年から営業していたこのお店は、区画整理と店主の高齢化に伴い、2016年に創業73年の看板を降ろすことになりました。
しかし、店主の娘さんが3代目となりお店を引き継がれることを決意。敷地奥のアパートを二世帯住宅とし、2017年12月のお店の再オープンに向け、まさに工事の真っ只中です。
駿河屋には、地元のつながりで仕事の相談があったそうです。
現場で迎えてくださったのは、現場監督歴10年の黒田貴志さん。
以前は、設備関係の会社で電気や空調工事に携わっていた黒田さんは、建設業全体を見られる仕事をしたいと思い、駿河屋に入社したそう。
無垢材が既に張り終わった一室で、お話を伺います。
今回のリフォームで大切にしていることはなんでしょうか?
「温かな家族のありかたを表現できたらと思っています。今回の工事を通して、人情味あふれる下町らしい住まい方、暮らし方を地元のみなさまに伝えたい。東京スカイツリー®が開業して5年経ち、このあたりの歴史ある下町も変化の時期を迎えています。そんな中、今日まで残ってきたアパートを改修し、二世帯住宅として住み継ぐためのお手伝いができることを、同じ地元の会社としてうれしく感じています」
現場監督のお仕事は、どんなものですか?
「一言で表現すると、お客さまの希望が詰まった設計を形にしていく仕事だと思っています。設計士や職人の方々と、工事の進捗や仕様の確認を行い、作業がスムーズに流れるようにしています」
現場監督が一人で担当する現場は、約4、5軒。地元のお客さまだけでなく、関東近郊でも工事が進んでいます。
全てオーダーメイドなので、1軒ごとの仕上がりまでの時間は、他の会社と比べて長いことが多いそうです。
「新築の住宅で約5ヶ月、リフォームだと1~3ヶ月ほどかかります。お客さまのライフスタイルに合わせて仕様をつくるので、打合せの回数も多いのですが、直によろこばれる顔が見られるのはうれしいです」
このお仕事で、難しいところはどこでしょうか?
「スケジュールの調整が一番大変です。建築工事は、さまざまな業者さんやお客さまが関わるひとつのプロジェクト。現場は天候にも左右されますしね。工期が遅れていくと、業者さんの日程の確保も大変です」
2017年の4月に大手スーパーゼネコンの社員を辞めてまで入社した峯田さんは、現場監督として黒田さんに付きこの会社の仕事を覚えているところ。
入社の決め手は、ホームページに記されている、社長の想いに共感したことだそうです。
「以前は、大きなビルの設計図面を製作していました。設計したビルが完成するのはもちろんうれしいのですが、自分の設計は建物のごく一部に関わるもの。自分が建築に一から携われる仕事をしてみたいなと思っていました」
「また、ビルをつくる素材は、予算でほとんど決まります。自然素材に対する駿河屋のこだわりに惹かれたのも、議論の余地のない素材の決め方に違和感を覚えていたからかもしれません」
入社してみて、大変だったことはありますか?
「私は、新築しか見てこなかったので、リフォームならではの問題によく直面しています。現場ではプロでも事前に予測できないことも出てくるなど、図面にはない想定外が起こることがあって、今あるものを生かすリフォームの難しさを実感します」
現場監督になられて間もないですが、やりがいを感じる瞬間はありますか?
「やはり、工事が無事に完成して、お客さまの喜ばれる顔を直に見られるときですね。想像を超えたものをつくることができたのかなと、うれしくなります」
ちょうど工事現場で作業中だった、大工の阿部さんにもお話を伺いました。
阿部さんは、一緒に働くならどんな現場監督の方がいいですか?
「大工の仕事は集中力が必要なので、現場監督が来てもしばらく気付かなかったりします。なので、声をかけづらいかもしれないのですが、分からないことがあれば、遠慮なく尋ねてほしいです」
「そして、自分の考えを話してくれる人と働きたいです。お互いの考え方が違ったとしても、話し合ってすり合わせていきたい。いいものをつくりたいという思いはきっと同じだから」
仕事中以外にも、話し合いをしたり、コミュニケーションを取る機会はありますか?
「やはり飲みの席ですね。今日もこのあと工事部みんなと社長と行きますよ。考えを共有する場にもなりますから」
このあとすぐに現場に戻られた阿部さん。急にお呼びしたのもあり、インタビュー中は少し表情が硬かったものの、木組みの上で金槌を振るうその顔は、別人のようにいきいきとしていました。
現場を束ねる棟梁として、現場監督のお二人にとっても頼れる存在だそうです。
再び、事務所に戻り、社長の一枡さんに『ともに働きたい方』について伺います。
「意志疎通ができないと、現場監督は務まりません。数多くの関係者とコミュニケーションを密に取り、時には交渉することも必要になります。明るくて、気の利く方と働きたいです」
この会社で働いて、成長できる点について教えてください。
「現場監督は、プロジェクトマネージャーです。物件を複数担当すると、同時並行で業務を進める必要があり、自然と管理能力が高まります。多くの方とコミュニケーションをとるので、現場監督が務まれば、どんな仕事でもできると断言できるくらい人間力も上がると思います」
「また、木工のワークショップや、農業体験、流しそうめん会といったさまざまなイベントを月に1回ほどのペースで実施しています。これを企画から運営までスタッフが手がけるので、プロデュース能力がつくと思います」
こうしたイベントは、駿河屋が自然素材で家を建てる会社だと認知してもらうことを主目的にしているが、直接的に会社の利益に結び付くようには見えづらいため、以前はスタッフからの反発もあったそう。
それでも、イベントを続ける理由はなんでしょうか。
「私自身、材木屋で本物の木に触れて育ち、小さいころから自然と親しむ暮らしを送ってきました。子どもたちが小さいうちに本物の素材に触れてほしい。生きること、食べることを体感してほしい、本物を知って欲しいという想いがあります」
「最近、子どものアレルギーが増えていますが、免疫力を高めるには、小さいころからお米づくりなどでどろんこになるのがいいそうです。私たちは家を建てるだけではなく、人と人との交流も含め、健やかな暮らしをつくりたいと思っていて、この想いを少しずつスタッフも理解し、頑張ってくれています」
引き渡しの際には、涙を流すお客さまがいるそうです。
「産地に出向き、自宅に使う大黒柱をご家族で切るといったイベントも行っています。実際、自分たちで素材に触れたり、家を造る職人さんに会ったりすると、お客さまにとって家の持つ意味合いが変わるんです。思い入れが強まるほど、意見がぶつかったり、大変な思いをされるご家族もいらっしゃると思います。でも、それを乗り越えて、家族がひとつになれる家やお部屋が目の前にある。感極まるシーンを見ると、こちらもこの仕事をしていて本当によかったなと思います」
最後に、採用にあたり重視したいことを教えてください。
「健康で楽しく幸せに暮らせる家をつくりたいという私たちの想いが徐々に伝わり、お客さまが増えてきました。そして、今の駿河屋には、お客さまを幸せにできる、よりよい家を作りたいという想いを持ったスタッフが集まってきています。現代の家は、新築しても、数十年で取り壊すことが当たり前。ビニールや化学物質を多用した家は、壊されたあと産業廃棄物として扱われます。そんな家はお客さまも私たちもつくりたくないはずです」
「だから、『私たちの考え方に共感できる方』という条件を重視しています。求める資格や経験などは特にありませんし、建設業界は今まさに活況で、建築士や現場監督は引く手あまたの状態、中小企業は知名度がなく採用には苦労します。でも、当社ホームページ上でも語っているのですが、想いに共感してくれる方と仕事をしたいと願っています」
『駿河屋の生命線は、想いを共有するスタッフ』という一桝さんの言葉が、心に響きました。
同じ想いを持った仲間で幸せな家をつくり、お客さまをよろこばせたい。心地よい暮らしを提案したい。そんな家づくりに関わってみたい方は、ぜひ挑戦してみてください。