関わる人を幸せにしたい インクデザイン合同会社
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ご応募ありがとうございました。
「ぼくの仕事は、クライアントが抱えている課題を、デザインの力で解決することだと思っています」
インクデザイン合同会社の仕事を一言で表現すると?という質問に対して、代表の鈴木潤さんはこう答えながら、とあるパンフレットを手に取り、おもむろに自分の手首に紐を結び付けはじめました。
「インクデザインの新規事業お披露目会で配ったものです。立食パーティーや交流会で名刺以外のチラシをもらっても、手がふさがって困った経験ってありませんか?このパンフレットは、紐で手首にかけてもらえればひとまず邪魔にならない。その場で話題にもなるし捨てられなくなれば、この先のご縁がつながりやすくなるんじゃないかと思ったんです」
ひとつひとつ手作業で紐を結ぶ『縁結びのパンフレット』は、鈴木さんの人とのご縁に対する強い思い、そしてこまやかな気配りを伝えてくれる。
インクデザインの想いは、初めて会った時に渡される名刺にも込められている。『世界でたった一枚の名刺』と名付けられたこの会社の名刺は、その名前の通り世界に一枚しかないもの。名刺を同じ人に何度も渡すことはそうそうないため、一度の出会い、ご縁を大切にして会社の気持ちを丁寧に届けたいと思いついたものだそうです。
「この名刺は、おかげさまで評判が良く、お渡しする場で盛り上がることも多いです。名刺をお渡しする機会は、ほとんどの場合一度きり。一期一会のご縁を大事にしたいという思いを込めています。と言いつつ、このパンフも名刺も、コミュニケーション力のあるツールにすることで、初対面が苦手という自分の課題を何とかカバーしようとしているんですけどね(笑)」
インクデザインは、ウェブサイトや会社案内など、企業のビジネスに必要なツールをワンストップで提供するデザイン会社です。
具体的には、コーポレートサイト、IR(インベスター・リレーションズ:企業が投資家に向け、経営状況や財務状況、業績動向に関する情報発信)サイト、ロゴマークなどのデザインや、会社案内、カタログのデザイン、そして企業ブランディングを手がけています。上場企業向けのIRツールの制作と、地域の起業家や中小企業向けデザインツールの提供が中心業務です。
インクデザインのオフィスがあるのは、錦糸町駅から10分ほど歩くコワーキングスペース『co-lab 墨田亀沢』。ガラス張りの一室は開放感があり、スペースを利用するクリエイターの方とも交流をしながら、一緒に仕事をすることもあるそうです。
代表の鈴木さんが、この会社を立ち上げたのは、2013年11月。それまでは長年、印刷会社に勤めていました。
「年々ウェブに関する仕事の割合が高まり、印刷業界でも新しいことに挑戦したいと思っていました。会社の中で徐々に活動はしていたものの、実現できないことも多かったのもあり、独立を考えました」
最初は一人きりで始めた会社も、スタッフが6名に増え、業務も拡大しています。
今回の募集で採用したいと考えている職種は、ウェブデザイナー、フロントエンドエンジニア、グラフィックデザイナー。スタッフの一人が産休に入ることになり、今後の仕事を円滑に進めるための募集です。
今回募集されるウェブデザイナーは、どんな仕事でしょうか。
「ウェブサイトの構成やレイアウトを決め、デザインを作って、コーディングで表示させる形に構築する仕事です。細かいところだと、サイトの更新作業などもあります。当社の主要業務は、上場企業向けのIRツールの制作なので、信頼感の高いデザインを手がけることが多くなります」
職場の壁には、punk.と書かれたポスターがいくつも掲示されています。その中でも特に気になるひとつが表面をスクラッチすることでそこからpunk.の文字が現れたポスター。これは、インクデザインのコーポレートスピリット『pink punk inc.』を表したものだそうです。
『幸せな世の中のために中指立てろ』というパンクな同社のスピリット。世の中の常識を鵜呑みにせず、幸せな世の中を実現するために働こうという、鈴木さんの想いが込められています。
「ぼくは、見えないものを見えるようにするのもデザインのひとつの力だと思っています。スタッフみんなでポスターを削り、そんなデザインへの思いを共有したくて作りました」
「幸せな世の中を実現するためには、自分が幸せでいることが前提。スタッフそれぞれに幸せがあると思うし、その時々でそれも変わると思う。自分の幸せは、常に追求してほしいです。スタッフの幸せな状態をサポートしたいので、ランチミーティングや、オフィスで軽く飲んだりして、みんなの様子に大きな変化がないか確認しているつもりです」
インクデザインでの働き方は、フレックス制度を取り入れたフルタイムから、週に数度だけの出勤、リモートワークなど、柔軟に設定されている。それも、スタッフの幸せな暮らしを守りながら、会社の可能性を拡げようとした結果生まれたものだという。
「自分一人で始めた会社ですから、いきなりフルタイムで働ける方を採用することが難しいのは理解していました。それなら、この会社で働きたいと感じてくれる方であれば、個々人に合わせた働き方を受け入れて、一緒に頑張りたいと思ったんです。仕事のクオリティさえ守ってくれたら、働き方は自身の裁量に任せるという方針は、今も変わっていません」
インクデザインには、2017年の3月に住澤みかげさん、6月に田中優子さんと、2名の女性社員が入社し、現在は全員で6名。
元気なキャラクターで、職場の雰囲気を明るくする住澤さん。
入社して約半年とは思えないほど、職場に溶け込んでいます。以前は、インテリア関係の見本帳をつくる仕事、次は採用関係のツールをつくる仕事に携わり、BtoB向けのグラフィックデザインを手がけてきました。
まずは、住澤さんにインクデザインに入社したきっかけを伺いました。
「この業界は、夜遅くなることも多いですが、ライフスタイルに合った働き方ができると求人に書かれていたことと、家が近いという理由で応募しました。いま思うと、だいぶ気軽な応募理由でしたが、潤さんとの面接中にはもうここはいい会社だと感じました。だから、少しでも気になったらぜひオフィスを見に来てほしいです。風通しがいい職場で仕事ができて、私にはぴったりでした」
今後どんな方と一緒に働きたいですか?
「特に、こんな方というのは想定していません。私は、潤さんや他のみんながこの人がいいと思う方なら、多分私もそう思うし、それに仲間が増えてくれるのが今から楽しみです」
一方、落ち着いた雰囲気の田中さん。上品な着こなしが印象的です。
「服装は、以前の職場がウェブ関係ながらかなり堅い会社だったので、その名残ですね(笑)」
現在は、デザイナーとして週5日働いています。インクデザインに移ってからまだ4ヶ月ほどということもあり、前の会社との違いに驚くことも多いそうです。
「まず、立場関係なく、フラットに話せることにびっくりしました。あと、前の会社は、雑談ができないくらい静かで、それが当たり前。元々、自分自身も積極的に話すタイプではなかったので不満はなかったのですが、今はちょっとしたことでも話しかけられて、自分がすごく楽にいられます」
「求人情報に社員の暮らし方が最優先、それに合わせてフレキシブルな働き方ができます。と書かれていて、実際そんな会社あるのかな…と正直半信半疑でした。でも、働き始めて早い段階で潤さんたちが、お子さんのお迎えなどで私より先に帰られて驚いたことがあります。もちろん、締め切り前などは自宅で作業をされているのですが、社員の生活を大切にしているというのは本当なんだと思いました」
田中さんはどんな方と働いてみたいですか?
「私もみかげさんと同じで、新しい仲間が来てくれるだけで単純にうれしいです。最近、スタッフでランチ会を時折開くようになったので、そういう時間にも参加して楽しめる方だといいですね」
次に、デザイナーの倉田さんにもお話を伺いました。
この日も、仕事が立て込んでいた倉田さん。黙々と取り組まれる姿が印象的です。
デスクに置かれた『がくどう6:00!!』のメモは、お子さんのお迎え時間を記した倉田さんのもの。子煩悩なパパの顔ものぞかせます。
鈴木さんとは、前職で10年以上一緒に働いていて、インクデザイン立ち上げから約2年後に入社。現在は、デザイナーであり、会社の副代表も務めています。
これまで鈴木さんと二人だった倉田さんから見て、新しいスタッフが入社したことで会社の雰囲気は変わりましたか?
「職場の雰囲気は、以前より明るく和やかになりました。それに、雰囲気だけでなくできることも増えたのがうれしいですね。みかげさんが動画の編集をしてくれるので、会社として対応できる業務の幅が広がったし、優子さんは、ぼくら以外で初めてのフルタイムスタッフとして入ってくれて、気持ちの上ですごく頼りになっています」
元々は、鈴木さんと同じ会社で印刷の仕事を中心にしていた倉田さんも、現在はウェブがメイン。この仕事をする上で必要なスキルや心構えはありますか?
「コーディングなど、ウェブデザイナーとしての基礎的な知識はもちろんあるといいですけど、ウェブ業界は新しい情報を常に取り入れないと生き残れません。規格そのものが変わることもあるし、バージョンアップしないと、自分のテクニックもどんどん古くなる。常に業界の新しい動きをキャッチしようと、アンテナを立てることが必要になると思います」
では、どんな人と一緒に働きたいですか?
「切り替えがうまい人がいいですね。画面に向かう時間が長く、機械とだけ向き合っているようで疲れることもあります。適度に周りと会話したり、疲れたら息抜きして、コンディションとモチベーションを保つことが大事だと思います」
倉田さんがモチベーションを保つために心がけていることはありますか?
「意識しているのは、画面の向こうには、必ず人がいるということ。何らかの課題を解決してほしいと、自分たちにデザインを依頼してくれた人がいてこそできる仕事ですし、完成した仕事は探してもらえれば世界中から見てもらえる。そう思うと頑張れます」
鈴木さんに、面接を行う上で特に見ている点を聞いてみました。
「資格や職歴については問わないのですが、ポートフォリオは拝見したいです。あと、細かいところでいうと、面接には私服で来てもらっています。服装ににじむ雰囲気ってあると思っていて、その方が入ってもスタッフみんなが居心地よい環境でいられそうかどうかは見ています」
実際に採用するにあたり重視することはなんですか?
「自分が何をしたいか探求しているかどうかですかね。こんなことをしてみたい!という思いがある方は、技術の習得も速いですし、新しい業務にも積極的に取り組み、才能を開花されるケースが多いです」
「ウェブに限らず、何か作ることが好きだという方もいいですね。ただ、私たちが手がけるのは、人が作りたいものを形にする仕事なので、アーティストというよりはお客さまが先にいる職人的な方が向いていると思います。あと、気質でいうとプライドは低く、誇りは高くだといいですね」
プライドと誇りって、同じ意味ではないのでしょうか?
「デザインの前段階には、対面やウェブ上でお客さまとのコミュニケーションが必ず発生します。そのときは、デザイナーにありがちな私はこうしたい、これが絶対にかっこいいというプライドを捨てて、その会社から何でも吸収するという姿勢でいてほしいです」
「でも、実際に手を動かす段階になったら、誇りを持てるくらいのアウトプットにしてほしい。そんなふうに思っています。プライドが高いだけだと、素直にお客さまのご意見を取り入れられなかったり、些細なダメ出しに折れてしまったりする。出だしのプライドは捨てて、取り組んでもらえるとうれしいです」
それは確かに大切な姿勢ですね。このお仕事で、他に大変なことはありますか?
「会社のビジネスツールを作ると、社内からさまざまなご意見が寄せられます。ご要望がまとまらないと工数が増え、大変だと感じる瞬間があります。また、仕事に取りかかる前、お客さまに納得いただけるアウトプットができるかと考えこむことはあります」
「クリエイティブな仕事では、避けて通れないので仕方ないのですが、責任を感じて重くなることがあります。あと、締め切りが重なって、帰りが遅くなることも場合によってはあります」
次から次へと新しいことに挑戦するインクデザイン。今後の展開も戦略的に考えているのかと思いきや、鈴木さんからは意外な答えが返ってきました。
「実は、長期的な目標は考えていないんです。今は、自分たちが培ってきた『クリエイティブ』をベースにして、おもしろいと思うことに飛び込んでいくのが大事かなと思っています。飛び込んだ先で生まれたご縁がもとで、自分たちのできることが増えたり、アイデアをもらったり、仕事を一緒にできたりと、自然に新たな展開を迎えていける気がします」
今年、インクデザインは新規事業として『KAZAMIDORI』というサテライトオフィスを茨城県日立市にオープンさせました。茨城県北クリエイティブプロジェクトという、商店街の空き店舗等をシェアオフィスとしてリノベーションしたり、クリエイターやクリエイティブ企業等をサポートするプロジェクトに鈴木さんが賛同し、生まれた事業です。
「私は茨城県日立市で生まれ育ちました。プロジェクトの存在を知って地元に帰ると、日立製作所のお膝元としてにぎわっていた街は、時が止まったように沈んでいました。歳を重ねたせいもあるのか、自分がここに場を持つことで、地元に交流が生まれたり、クリエイターの働き方を変えられないかと思ったんです」
「また、地元で悶々としているクリエイターの方にも出会い悩みを聞いたことも、サテライトオフィスを持とうと思う動機になりました。この先どうなっていくのかはまだ見えませんが、地元のために何か役に立てたらと思っています」
人とのご縁を大切に、デザインの力で、関わるみんなを幸せにしたい。
インクデザイン合同会社は、そんな思いをベースに、さまざまなつながりを拡げています。一度、鈴木さんや他のスタッフと話してみたいという方からのご応募を心待ちにしています。