下町風力発電 株式会社チャレナジー
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株式会社チャレナジーは、台風のような強風・乱流下でも発電できる『垂直軸型マグナス式風力発電機』というプロペラのない次世代風力発電機を開発し、再生可能エネルギーの普及を目指している会社です。
2016年に沖縄に試作機を設置し、世界初の台風発電実証実験にチャレンジしています。
「革新的な風力発電事業は、やりがいに満ちていると思います。社会的なニーズがありますし、この先ビジネスとしても成長が期待できます。ぼくらの強みは、自分たちで開発して知見をストックし、特許も押さえていること。思い上がりかもしれませんが、ぼくたちがやらなければ、日本のエネルギーシフトの実現はありえないぐらいの強い気持ちで取り組んでいます」
チャレナジーの代表取締役CEO、清水敦史さんはこう話します。
発電機開発のきっかけは、2011年の東日本大震災で起きた原発事故。
事故を目の当たりにした清水さんは、エンジニアとして、脱原発、そして未来に生きる人々に持続可能な社会への道筋を示すことを決意しました。独力で垂直軸型マグナス式風力発電機を開発、特許を取得し、2014年10月『株式会社チャレナジー』を創業しました。
風力発電にイノベーションを起こし、 全人類に安心安全な電気を供給する。
これが、チャレナジーのビジョンです。
「ぼくたちが作る風力発電機の形状を真似るだけなら簡単です。でも、沖縄の試作機が暴風雨にさらされる中で得られた情報は、世界で我々しか持っていませんし、実際に風力発電機が効率よく働くには、形だけでなく、さまざまな要素が上手く重なる必要があります。その絶妙な重なりを生むのが、ものづくりの技術。今は、ぶっちぎりで世界の先端にいると思ってます」
チャレナジーの拠点は、墨田区八広で金属加工全般を手がける株式会社 浜野製作所が運営するものづくりインキュベーション施設『ガレージズミダ』。2017年12月には、ガレージスミダの建て替えリニューアルに伴い、浜野製作所の旧板金工場3階に固定のオフィスを構えました。
墨田区の町工場と密に繋がり、すぐ側にものづくりの現場がある環境で、どこにも負けないスピードと勢いで風力発電の開発は進められています。
「今までは、インキュベーション施設の一角や、他社の会議室を間借りしてきたので、専用のオフィスは初めてなんです。メンバーは20代後半から30代後半が中心で、開発に関して意見を戦わせることもありますが、和気あいあいとしていて雰囲気はいいと思います」
いきいきと職場のことを話してくれたのは、販売戦略担当として働く水本穣戸(しげと)さん。
「今、社員は9名で、そのうち女性エンジニアが1名です。最近は、風力発電の可能性に興味を持った海外からの応募もあり、外国人の方も採用が多くなっています。みんな日本語が上手で、打ち合わせもほとんど日本語ですよ」
水本さんのお話を伺うそばでは、会議が行われている真っ最中。テレビ電話を使って遠方からも参加している方がいます。
土曜日の午前中は、ボランティアで参加をしてくれる方を交えて、技術開発に関するディスカッションを定期的に開催しているそうです。
「代表の清水も当社の技術メンバーも、もともと風車の研究や、再生エネルギーに関わる仕事をしていたわけではないので、専門家の力を借りて開発を進めています」
「他社にお勤めの方もボランティアで協力くださっていて、本当にありがたいです。ホームページ上の募集を見て、ものづくりが好きな方、自分の手がけたものが世に出るのを見たいという方が集まってくださっています」
チャレナジーの事業には、こうしたボランティアで関わってくれる方をはじめとした、多くのサポートの存在があります。2016年に行ったクラウドファンディングでは、395人のサポーターからの応援によりなんと目標金額の201%を達成。400万を超える資金調達に成功しています。
「これまで、多くの方のご厚意で事務業務もサポートいただいていたのですが、社員が増えるにつれて、経理や事務業務の負担も大きくなりました。今後、社員数は確実に増えるので、ここで会社としての体制を整えたいと思っています」
今回の募集で求める方は、経理業務を中心とした一般事務になります。
「NEDO(国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構)や沖縄県などの助成を受けていることもあり、社内の会計担当者のサポートが中心になりますが、イベントの準備や、時々に発生する仕事のお手伝いをお願いすることになると思います。正社員やパート・アルバイトといった雇用形態も、勤務日数も相談可能です。副業などの働き方も問いません」
経理や事務関係は、今はほとんどを副代表の宮崎さんが受け持っており、負担が大きいため、新しい方にはサポートから入っていただき、徐々に仕事を引き継いでいってもらいたいそうです。基本的には、きちんと仕事ができてさえいれば、残業もほとんどなく夜遅くまで残っているメンバーもいないそうです。
どんな方と働きたいですか?
「特別な資格などは不要ですが、できるだけ、他社で経理や一般事務業務に携わっていた方に来ていただきたいです。主体的に意見を出して、会社の仕組みを一緒に作ってくれる方だと、よりうれしいですね」
「あと、当社のビジョンに共感してくれる方、成長中の企業を応援してくれる方であってほしい。東日本大震災に伴う原発事故を見て、何も感じなかった人はいないと思うんです。ただ、そこから大企業を辞めて、独力で事業を進めた清水さんの想いは、誰よりも強い。どんな職種であっても、彼が作ったチャレナジーのビジョンに共感し、同じ想いを持った方に来てほしいんです」
細かい制度ややり方はこれから作っていく段階。一から仕組みを作って行くのは大変な部分でもありますが、自分で作っていける醍醐味は大企業では得られないやりがいでもあります。
水本さんが入社を決めた理由を教えてください。
「以前は、環境・途上国開発のコンサルタントをしていました。2015年に、フィリピンで途上国の課題を考えるスタディーツアーに参加して、そこで清水さんと宮﨑さんに出会ったんです」
「その時は、正直彼らが何を言っているのか分かりませんでした(笑)。でも、帰国後それまで続けていた途上国支援や再生可能エネルギーに関わる仕事を、技術力を生かした形で進められるのではないかと思い、入社しました」
チャレナジーが開発している風力発電の特徴を教えてください。
「強風下でも発電できることが一番の特徴です。風速30mで発電できたのは、世界初だと思います。日本で風力発電が普及しない理由のひとつは、台風の多さ。一般的なプロペラ式の風力発電は、強風にさらされると回りすぎてプロペラが折れたり、発電機が熱を持って発火したりします」
「一方で、私たちの風力発電機は、プロペラの代わりに3本の円筒を備えています。風の中で円筒を回すと、マグナス力という力が生まれ、その力で発電機が動作します。円筒の回転を止めると、いくら風が吹いてもマグナス力は生じません。この円筒の回転数は、風速に応じて変えられるので、風力発電機をどんな状況でも安定的に稼働できる技術なんです」
風力発電機といえば、プロペラを用いたものが一般的ですが、実はそうしたタイプの風力発電機は、強風により暴走し事故・故障をまねくリスクがあるため、強風時に止める必要があります。
この仕事のやりがいはなんでしょうか?
「事業展開をするため台風の多いフィリピンに行くと、電気もないところで暮らしている人が今でも大勢います。台風も、温暖化で年々大型化していて、フィリピンをはじめとした、台風の被害を免れない地域の人たちに、自分たちの風力発電機で少しでも良い生活を送れるようになってもらいたい。実現はもう少し先ですが、その未来を思い描くのはやりがいを感じます」
技術会議に参加されていた、エンジニアでスペイン出身のハビエルさんにもお話を伺いました。
ハビエルさんは、なぜチャレナジーに入られたんですか?
「以前から風力発電の勉強をしていました。母国のスペインには、プロペラ型の風力発電機が多いのですが、あるネットの記事で、チャレナジーが、全然違う形の風力発電機の開発に挑戦していることを知って、入りたいと思いました。毎日、すごく楽しいことばかりです」
どんなところにやりがいを感じますか?
「まだ会社の規模が大きくないこともあって、自分で事業の多くを見ることができるのは、やりがいにつながっていると思います。今年の夏、石垣島に今までより大きな試作機を立てるという一つの目標があるので、そのために頑張っています」
大手電気メーカーを退職し、創業当時1人でこの事業をスタートした清水さん。
墨田区で創業した理由について伺いました。
「創業の最後のひと押しが、2014年3月にビジネスコンテストで優勝したことでした。そのコンテストの審査員の一人が、浜野製作所の浜野社長だったんです。懇親会で浜野さんが『今年ガレージスミダというインキュベーション施設を作るので、一緒にやらないか』と声をかけてくださって」
「まだ会社も作っていない状況で、まさに渡りに船でした。墨田区に縁はなかったんですが、その年の10月にガレージスミダで登記をしました」
こうして、ガレージスミダに入居したベンチャー企業第1号となったチャレナジー。
拠点を共にしている浜野製作所とは、どのような関わりを持っているのでしょうか。
「入居以来、試作機製作のアドバイスをいただき、実際に部品の一部を作っていただいています。実は、昨夜も出荷期限が迫る部品を製作してもらっていました」
「ここは補強したほうがいいと、浜野製作所の社員さんから意見をもらい、どうしようかと考えているぼくらの横では、さっさと補強に必要な部品の図面を引いてくれていて。ぼくたちは、研究開発はできても、それをうまく形にできない。本当にありがたいです」
研究開発型のものづくりスタートアップ企業チャレナジーの研究開発力と、浜野製作所の技術力。下町風力発電プロジェクトは、この2つの力が合わさることで、爆発的に開発が進んでいます。
清水さんは、どんな方と働きたいですか?
「ベンチャー企業で情熱的に働けるかどうかは、会社のビジョンに共感できるかに懸かっていると思います。今のメンバーも、風力発電の中でも最先端の難しい技術に挑み、日本でのエネルギーシフトを実現するというビジョンに共感してくれています。新しく入ってくれる方も、そうであってほしいです」
「今回の募集は事務担当ですが、エンジニアも常に募集しています。特に、風車を大型化すると、数百ボルトを超える電圧を扱う必要があるので、電気工事士の資格を持つ電気エンジニアはありがたいですね」
創業されてから、印象的だったことについて教えてください。
「1キロワットの試作機が沖縄に立ったことですね。小さいながらも夢が結実した瞬間でしたから。創業後すぐに、特許を取得した方式では十分に発電できないと分かったり、失敗ばかりでしたが、多くのご縁のおかげで実現したんです。これは一例ですが、ぼくらの事業のことを新聞で知った方が『うちの土地に風車立てていいよ』と連絡をくださったこともありました。それが正に沖縄の試験機が立っている土地です」
「もう一つは、沖縄の試作機が、台風の中で回ってくれたこと。想像を超えた暴風雨で回る試作機を一日中見ていました。暴風の中でも通常時と同じように安定的に回り続ける様子にぐっときましたね」
会社としての今後の目標について教えてください。
「今後は、量産機の開発を成功させて売上目標を達成し、会社の規模を大きくします。本当に世界を変えようと思ったら、10キロワットから100キロワット級、メガワット級と、風車の大型化が不可欠です。プロペラ型の風力発電が100年かかった大型化の歩みを、私たちは駆け足で追いつき、追いこさなければならない。そのために、将来的には何百人、何千人という会社になって、ビジョンを実現したいです」
「もうひとつの目標は、ものづくりのアイデンティティを活かした世界的ベンチャー企業になること。日本の産業の強みは、やはり長年培われてきたものづくりの技術にあります。ぼくらがもしもトヨタやホンダのような世界的企業になれれば、ものづくりでの起業を志す人が増えるはずです」
最終的には、風力発電で作った電気で水を電気分解することで水素を取り出しエネルギーとして使う、究極の循環社会を実現したいという、清水さん。
人類の未来を考え、風力という再生可能エネルギーへ世界をシフトさせることに全力を傾けるチャレナジー。社長をはじめとした、社員の方々の熱い想いに共感する方に、ぜひ応募いただきたいです。