2018.08.08(水)

ものづくりを仕事にする 株式会社 浜野製作所

こちらの求人は募集が終了しました。
ご応募ありがとうございました。

浜野製作所

「ものづくりが好きな方に来てもらいたい」

どんな方と働きたいですか?という質問に対して、従業員のみなさんの口から最初に出てきたのはこの言葉でした。

ものづくりに関わる仕事をしたくても、どうやって仕事を探せばいいか分からない方もいるでしょう。未経験で雇ってももらえるのか不安。体力のいる作業や労働環境、厳しい職人の世界についていけるか自信がない、そんな方もいるはずです。

もちろん仕事だから厳しいことはたくさんあります。しかし、町工場で働く環境は劇的な変化を遂げようとしています。そして、誰だって最初は経験なんてありません。ものを作ることが好き。この仕事には、その気持ちがまずは一番大事だと思います。

ものづくりがしたいという夢を持っているのに、諦めかけていた方にこの会社のことを知ってもらいたいです。

浜野製作所

『株式会社 浜野製作所』を、すみだの仕事で取材させていただくのは、これで4度目。今回はどんな方を募集するのか、お話を伺うために一年ぶりに工場を訪れました。

墨田区八広の住宅街には不釣り合いな迫力ある町工場に到着すると、以前よりさらに大きな建物が増えていることに気がつきます。第1、第2、第3の三つの工場に加え、平屋建てのインキュベーション施設「ガレージスミダ」が、2017年10月に建て替えられ、立派なビルへと変貌を遂げられています。

今では下町の町工場のイメージは微塵もなく、初めて訪れるとここが町工場と思わない方もいるかもしれない。しかし、ものづくりを核とした町工場であるということは変わらない。

浜野製作所

ここでは、レーザー加工や、金型、精密板金、プレス加工といった多彩な金属加工技術で、医療機器の部品や、半導体関連部品、事務機器関連部品など、さまざまな場面で不可欠となる部品を製造しています。長年培ってきた経験を用いて、あらゆる企画を具現化する体制が整っていることが特徴です。

設計段階から製造を見通した職人のアドバイスが受けられ、プロダクトの試作から量産へスピーディーに移行できたり、運営するインキュベーション施設にベンチャー企業を誘致し、身近で開発が行えるとあり、近年ものづくりベンチャーから厚い信頼を得ています。

そんな浜野製作所では、今年の8月より新体制をスタートします。今回の募集では、新たに新設される2つの部署『経営企画部』と『営業部』で働く方を募集します。

まずは、この新体制について、責任者である常務取締役の片倉さんにお話を伺います。

浜野製作所

「新体制を機に、製造部を除く各部署に30代の中堅社員を部長として配置します。その中で働き方や態勢を見直すこともやりたいと考えています。我々みたいな頭がかたい責任者は少なくなるので、より働きやすい環境になると思いますよ」

具体的にはどのような見直しをお考えでしょうか?

「いろんなことに取り組みを始め業務が拡大しています。従業員も30人だったのが46人まで急激に増え、これまで職人が集まってなんとなく勢いで来たところもあるので、残業や土日の出勤も含めてしっかり労務や総務を整えましょうというところです」

「つまりちゃんとした会社になろうよと。我々も経験がなくどうやっていいか分からないので、一緒に助けていただきながら仕組みを作っていただける方、経験は必要ありませんが、そこに面白みを感じてくれる方を求めています」

30代の中堅社員を責任者にするのは、大きな決断のようにも思います。
そこにはどんな意図があるのでしょうか。

「新卒の子だと自分の子供くらいの歳で、話が合わなかったり命令口調にもなってしまう。それに、ベンチャーからいろんな要求も増え、柔軟な対応を求められますが、我々ではどうしても固まってしまっています。そこで、30代が間に入り下を引っ張って行くほうが柔軟ですし、ゆくゆくは世代交代なども見据えた人事を浜野も常々考えています」

浜野製作所

浜野製作所は、今から17年前、浜野社長と従業員一人の小さな他と変わらない町工場の一つにすぎませんでした。さらに、2000年6月には、近隣の火事に巻き込まれ本社兼工場が全焼してしまう。

しかし、すぐに最低限の機械を揃えて操業を再開し、地域の方々や取引先に支えられながら再起を果たしました。そして、そこから破竹の勢いで工場も人も拡大を続け、今ではこの地域を代表する町工場へと成長をしてきました。

今回の募集は、そんな急成長を遂げてきた浜野製作所の態勢を見直すべく、新しい部署で基礎となる仕組みを一緒に作り上げていってくれる方。もちろん既にいる各担当者と一緒に進めるので、ゼロベースのスタートではありませんが、これからこの会社がさらに一歩上へと進むための大切な基盤を作る役割となります。

浜野製作所

昨年できたばかりの本社工場は、一階が板金工場、三階はスタッフが働く本社オフィス。そして、二階がこれまでのインキュベーション施設『ガレージスミダ』となっています。どのフロアも驚くほどスタイリッシュな造りで、自然と気持ちがワクワクしてくる空間です。

ガレージスミダには、個室が三つ、フリースペースは20~30人が会員として入居できるそうで、現在一社が個室に入居中です。また、立食形式なら最大80名を収容でき、毎週1~2回ほどのペースでイベントも行われており、外部の方との交流の機会も増えているそうです。

「いろんな人が来ていろんな刺激を受ける。そんな時に、当然事務所のスタッフだけが対応すると現場はほったらかしになってしまいますが、我々はそういうことはなく、現場も懇親会に出たり、異業種の集まりに出たりして、情報がダイレクトに入りやすい環境を作っています」

このガレージスミダの運営や入居者の管理を行っているのが『経営企画部』という部署。

部長の小林さんにお話を伺ってみます。

浜野製作所

経営企画部という部署は、今後どのような役割を担っていくとお考えでしょうか。

「あらゆる産業が劇的な変化をする中、町工場もものづくりそのもののあり方や組織体制、働き方などを見直し、従来の延長線にない変化を自ら起こしていかなくてはいけないステージに差しかかっています」

これまでにない変化とは?

「人材の採用や育成、人事労務、教育、総務まで幅広い領域に及びます。まさに自らその先頭に立って変化の兆しを掴み、新たな波風を起こしていくのがこの部署です。これまで培ってきたものづくりをアップデートさせ、今まで見たことのない町工場、中小製造企業の未来を創っていきたいと思っています」

その言葉通り、ここ数年の浜野製作所が行ってきた取り組みは、これまでの町工場の常識を覆し、その勢いは他の工場までも牽引しているかのようにも見えます。

浜野製作所

経営企画部の仕事は、ガレージスミダの施設運営の他に、人事・労務の仕組みを構築するための業務、そして、新たなものづくりサービスの実現に向けた各種事務サポートも担う。

これら全ての業務をこれまで主に小林さんが担当しており、まずはそのサポートという形で入っていただき、徐々に仕事をお任せしていきたいそうです。

どのような方にこの仕事はお任せしたいですか?

「そつなく上手く世の中を渡り歩けるような方は、向いていないかもしれません。そつはたくさんあるけど、それでも前向きに一生懸命生きている方が良いと思います」

この仕事のやりがいを教えてください。

「正解のない未来に対して自ら問いや仮説を立て、新たなことに挑戦していけること。さまざまな業界業種の最新情報や奇人・変人と接することで、日々溢れるほどの知的好奇心が満たされることです」

小林さんから見て、浜野製作所はどのような会社ですか?

「ものづくりを通じて世の中の役に立てる、新しい未来を切り開いていける圧倒的な可能性を持った会社だと思います。まだまだ整っていないところが山ほどあるからこそ、主体性を持って関わる意思と行動力があれば、会社と自分自身の成長を共に実感できる会社です」

続いて、今回募集するもう一つの部署『営業事務』の宮地さんにお話を伺います。

浜野製作所

宮地さんは入社して、まだ1年ほど。前職の頃から関わりがあったことや、職歴やスキルなどを鑑みて、この短期間で部長に抜擢されました。

まずは、意気込みを伺ってみます。

「営業というとどこの会社にもある一般的な職種のように捉えられますが、浜野製作所の営業は専門的な知識を持った専門職に育てていきたいと思っています。医者や弁護士といったいわゆる専門的な知識を持った方々と同じように、『ものづくり』については圧倒的な知識と経験で課題を解決してくれる。そんな強力なチームにしたいですね」

「また、今の日本を作り上げてきた本物の職人を繋ぎ、オールジャパンのものづくりチームとして、世界の製造業並びにガレージスミダに集まる想いのある人々の夢を形にしていきたいです」

どのような方がこの仕事には合うのでしょうか?

「まだ見ぬ未来にワクワクしながら一緒に走ってくれる方が最適かと。目まぐるしく変わる世の中に対応していくため、目まぐるしく変わる会社に目を回さない人」

浜野製作所

経営企画部と営業部のある三階の本社オフィスも、驚くほどに鮮麗されたスペースです。

営業事務の仕事は、会社全般に関わる総務の部分になります。具体的には、電話や来客の応対、生産管理システムへの受発注登録、製造への作業指示書の手配、納品書発行、協力工場への連絡、書類・資料作成といったことがあります。

難しい専門用語などはもちろんありますが、技術職などに比べて経験やスキルがないとできない仕事ではなく、それよりもお客さまとコミュニケーションが取れることが特に重要になってきます。

浜野製作所の売上は、毎年約20%ほど増加しています。当然社内の仕事量には限りがあるため、協力工場さんにお願いする場面も多々あり、今では200近い工場との取引を管理しているのもこの部署です。

宮地さんにとってこの仕事の醍醐味ってなんでしょうか?

「営業の最前線として、収益の柱を作れることが醍醐味です。また、ものづくりという切り口でなくても、なんでも切り込める会社なので、頭を柔らかくして、今までにない商売の形を具現化できるところも大きな魅力であり、やりがいです」

浜野製作所には、近年女性のスタッフも増えています。その割合は、全体の二割を占めるまでになり、事務職はもちろん製造部でも二人の女性が活躍されています。そのうちの一人、東海林さんはすみだの仕事の前回の募集で入社くださった方です。

浜野製作所

東海林さんは、もともと品質管理部のスタッフの募集に応募されましたが、適正や経験を考慮し、製造部への配属となりました。他にも、小さなお子さんのいる方は時短勤務で働けるなど、その方の状況に合わせて柔軟に対応してもらえる環境があるそうです。

応募された決め手のようなものはあったのでしょうか?

「サイトに掲載されていた社長のお話の内容と同じことを、面接の時にも話されていたので、それが常に考えている正直な思いだと分かり、サイト用に綺麗事を作る会社が多い中、信用ができると思った為です」

入社して半年。実際に働きはじめて、ギャップや驚いたことはありませんか?

「ギャップはありませんでした。比較的、皆が思っている事を言える風通しの良い、女性にとっても働きやすい職場と思っています。そして、それぞれが抱える生活事情をかなり考慮頂ける会社です。困ったことがあってもしっかりと聞いてもらえるのでとっても働きやすいと思っています」

女性の方だけでなく、今年は三名の新卒が入社し、来年も既に内定が出ている方もいて、若い方の採用も増えています。

浜野製作所

中途採用に比べ、社会人経験のない新入社員には、ここでしっかり成長してもらえる人材教育ができる環境を整えようとされています。

しかし、人が増えていくことで新たな問題も浮上しています。それは、地方に比べ都内では場所が限られているため、今のスペースでは60人ほどが限界。墨田区以外へ場所を移すようなことを検討されていないのか、また墨田区にこだわり続ける理由を、片倉さんに再度うかがってみます。

「考えていた時期もありましたが、墨田区にはやはりこだわっていて今はないです。それは、東京はコストも高いですが、情報発信はもちろん、ものづくりの開発部隊が設計、デザインをするのに拠点を置いているところが多いんです」

「今メールなどでやりとりできますけど、face to faceで話をして仕様を決めていくことが大事ですし、それには東京にものづくりの拠点があった方がいい。これが念頭にありそこがうちの売りになっています」

人が増えていくことで、会社の目指すところや社長の想いを、これまでのように直接伝えられる機会も減っていくのではないでしょうか。

「社長が一人で伝えられる量は限られるので、人数が増えていけばこれまでのように一人一人との直接的なコミュニケーションの機会はどうしても少なくなっていくとは思います。ですが、毎日出勤していますし、週一回の全体朝礼で話をしたり、年二回、全社員との個人面談を実施しているので、コミュニケーションを取れる機会はあります。あとは、各部署の部長が社長の想いを代わりに伝えていくということも、今後は重要になってきます」

浜野製作所

コミュニケーションの場として、ガレージスミダの一角にはバーカウンターが設けられています。

建物を建てる際に、従業員同士の交流の場が欲しいと専務たっての希望で、唯一のこだわりだった部分。就業時間後には誰もが自由に使用することができ、休みの日には家族を連れて来ることもあるそうです。

また以前、全従業員にiPadが支給されたこともあり、まるでカフェやITベンチャーのような環境や待遇には、若い方にとっての町工場で働くイメージ自体も変わるように思います。なぜ、これほどまでに充実した環境にこだわられるのでしょうか?

「今まで、町工場的なやり方でここまで来たので、それではここから先は難しいと思うんです。成長していくことも、若い方に来ていただくことも、新しいことにチャレンジすることも」

「今回の態勢変更は、我々としては若い方がもっと活躍しやすいような環境を整えてあげる必要があり、なかなか難しいところですが、それでも次に進むにはやらないといけないので、これを機にさらに大幅に変えていきたいと思っています」

浜野製作所

今年6月には、浜野製作所からとびっきりビッグなニュースが飛び込んできた。

それは、ベンチャー支援の取り組みを天皇陛下がご覧になるため、ガレージスミダを訪問されたこと。このニュースには誰もが驚いたが、それ以上に従業員の士気は高まり、なによりも従業員の家族に誇れる会社へと一歩と近づいたと言います。

名実ともに墨田区を代表する企業となった浜野製作所は、他の企業のお手本となれる『働きやすい会社』を目指し、また新たな一歩を踏み出しました。

町工場のまだ見ぬ新たな可能性を一緒に模索していってくれる、そんな方からのご応募をお待ちしております。

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