喜びを実感するものづくり 株式会社石井精工
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ご応募ありがとうございました。
今、人々の価値観や働き方は多様化しています。
それぞれの多様性を受け入れる企業や組織は、優秀な人材を獲得することにつながり、新たな価値創造が期待できるようになりました。
これは、大企業、中小企業など会社の規模は関係ありません。働く人たちは、会社のビジョンに共感し、自分の価値観が受け入れられ、力を発揮できる場所を求める人が増えてきています。そんな時代だからこそ、町工場の想いを伝えるチャンスだといえるでしょう。
培ってきた技術力と信頼を大切にしながら、新たなことに挑戦する会社があります。
葛飾区堀切にある、株式会社石井精工。ゴム製品の金型を設計・製造している創業60年を迎える歴史ある会社です。
昭和34年に墨田区八広で部品加工業を行う会社としてスタートし、墨田区内や茨城県に工場を設立したのち、平成26年に現在の葛飾工場が完成しています。現在は、全ての工場を葛飾に集約して、規模拡大を図っています。
金型は、自動車や玩具、医療用品やスマートフォンのカバーなど、世の中にあるさまざまな製品や部品を成形する大切な役割を持っていますが、私たちの手元に届く多くの製品に金型の存在を感じることは、普段ないかもしれません。
しかし、ありとあらゆるものを成形するために欠かせないのが金型であり、確かな技術力から生み出される高い品質の金型製造でお客さまからの信頼を確立しているのが、この会社です。
今回は、石井精工の製造現場で働く方を募集します。
石井精工の製造現場は、流れ作業ではありません。
造られる金型は、全てが同じものではなく、お客さまのひとつひとつの要望を丁寧にヒアリングし、設計から製造まで一貫した対応で生み出されます。ときには、手書きで描かれたイラストやイメージから図面を作成することも行うのだそう。
日々さまざまな形の金型を成形するので、図面通りに造る技術力、そして何パターンとある加工方法のうちベストなものを選択する対応力が必要です。
「鉄の塊だったものが、図面通りに形となったときは達成感があり、面白いなと感じます。非常に難しい金型を成形する加工方法を見つけ出せると『これだ!』と毎回嬉しくなりますね」
そう話してくれたのは、営業部で営業・企画リーダーとして活躍する石井洋平さん。とても物腰の柔らかい方です。
社長である石井隆司さんの息子さんでもあり、大手製造業に勤務したのち石井精工に入社。現場での製造経験を経て、現在はマネジメントや組織改革、自社の新しい取り組みに注力しています。
「私たちは主に工業製品の金型を製造しているので、自社の名前が一般の消費者に届く機会がほとんどないんです。今後、自社の認知度・ブランド力を高めていかないと優秀な人材が入ってくれることはもちろん、町工場としての生き残りは厳しいものになっていくという危機感を入社してから常に抱いていました」
そこで石井さんは、金型屋が生み出す商品の開発・製造に取り組み生み出されたのが、“香りを纏い、香りを着飾る”をコンセプトに自社の精巧な切削技術を生かしたボタン型のピンズ「ALMA(アルーマ)」。
ピンズの内側にアロマを染み込ませ香りも楽しめるアクセサリーは、石井精工にとってこれまでにない取り組みでした。
「父もいつか自社製品を生み出すということが目標でした。そのため、ALMAの開発には父の反対はなく、むしろ挑戦を後押ししてもらいました」
ところが、スタート当初は新たな試みに対して『新しいことをする時間がない』と現場では躊躇している人もいたのだそう。現場の人たちにとって、金型製造の業務に日々追われ、経験のないことにどれだけ時間を注げばいいのか戸惑いもあったのかもしれません。
石井さんは地道に、取り組みに共感して開発に関わってくれる人を増やし、形にしていきました。
ALMAが完成し展示会などに出展する際には、現場の人たちにもお客さまと直接触れる機会に立ち会ってもらう機会をつくりました。こういった機会によって、現場の人たちの意識にも変化が生まれたのだそう。
「彼らは、常に現場で金型製造をしていますが、これまでお客さまの反応に触れる機会がなかった。そこで、展示会の出店に参加してもらったんです。自社製品に対するお客さまの反応を見たり、製品が店頭に並んでいるのを見て、製品になる喜びややりがいを見出してくれた人もいて、このプロジェクトに手ごたえを感じました」
金型屋が造る高品質のピンズアクセサリーは、人々の彩りを添える製品となっただけではなく、従業員の自信にもつながりました。
金型製造を生かした商品で新たな挑戦をする、石井精工。
実際に入社するとどのような業務を行うことになるのでしょうか。
「当社では主に設計と製造の業務がありますが、入社後は製造現場で金型を造っていただきます。もちろん設計を希望する方も歓迎ですが、まずは加工技術や製造工程を理解してもらうため現場で経験していただくのを大切にしています」
金型製造の工程は、仕入れた鉄材を削り、図面に基づいて仕上げをしやすくするため寸法に近づける荒加工(あらかこう)、中仕上げ、仕上げという機械による加工を経て、最後は人の手によって組み立てや磨きを行うことで完成させていきます。
石井さんも、入社した際は現場経験を積んだのち、設計に携わってきました。設計希望の若手社員の人でも現場作業を経験しながら、早ければ2年目でデータをいじれるようになります。
「現場での経験があると、設計を行うことになったときにも加工する側、設計する側の双方の考え方が理解できます。製造、設計の専門性を高めるのもいいですが、金型製造をするうえで一連の流れができるようになる人たちが増えていくと、自社として新たな挑戦をしていく際にも力になると思っています。ぜひ『ものをつくることが好き』という人に来ていただきたいですね」
社長の石井隆司さんにもお話を伺うことができました。どのような人に仲間となってほしいでしょうか?
「真面目で、正直な人と仕事がしたいですね。製造業では人が作業しますからミスが起こることもあります。作業工程のどこかでミスをしているものをうやむやにして作業が積み重なると、結局最後は製品として承認できずお客さまに納めることができなくなってしまいます」
「ですから、常に丁寧な作業と何かあったときにはしっかりと報告をする真摯な対応ができる人を求めています」
この会社では、お客さまはもちろん、金型製品に対しても真面目に誠実に取り組む人たちが集まっています。石井社長もまた働くうえで『真面目に、正直に』ということを大切にしているといいます。
「かつては、金型屋さんから金型製造の仕事をいただくというような同業者の下請けをしていた時代もありました。決していい生活を送れていたわけではなかった」
「しかし、お客さまに誠実な対応をしていれば信頼にもつながり、その信頼がさらに次の仕事へとつながっていき、挑戦する機会も増えていきます。当社の技術力が向上してきたのも、ひとつひとつ丁寧な対応を心がけてきたからこそだと思っています」
現状を把握しながらできること、できないことに向き合い、今できる最大限のパフォーマンスでお客さまに示していく。そんな誠実な対応をしてきたからこそ、今の石井精工があります。
石井社長がお話される言葉は真っすぐで、にこやかな表情に確かな自信と安心感があります。
石井社長や営業リーダーの石井さんをはじめ、ここで働く従業員の方たちは明るく朗らかであるのが非常に印象的。現場の方たちにも、石井精工の魅力や仕事で感じている想いを伺いました。
機械のある現場の工場は1階、2階に分かれています。電気を流して鉄を削る切削機が数種類あり、その全ての扱いを覚えていくのだそう。
勤続11年目となる嶋田さんは『金型ができたときの喜び』がモチベーションのひとつになっていると言います。
「お客さまの要望はさまざまなので、鉄の塊だったものが金型として出来上がると嬉しいです。社長は厳しい面もあるけれど、普段は温厚で面白い方だし、社員の人たちも明るい人が多いです」
若手社員も口を揃えて、『明るく、素直なコミュニケーションがとれる人』と一緒に働きたいと言います。
5年目の森崎さんは現場での様子について話してくれました。
「現場作業においては、機械で切削しますが、加工した金型の良し悪しを感覚によって判断することがあります。正直、教えるときにも曖昧な表現になることもあるんです。そこは経験を重ね、そして常に周囲とコミュニケーションを取りながら覚えていき、金型が綺麗かどうかの判断ができるようになっていく必要があります」
「大変なこともありますが、明るさや誠実さを持ってコミュニケーションをとれる人が、石井精工の風土には合っていると思います」
金型を製造する一定の技術力を身につけるには、時間がかかります。人によって、数年でできるかもしれないし、10年以上かかる場合もあるかもしれない。先輩たちの技術を教わり、体に覚えこませ、日々地道に経験を積むことが必要です。
だからこそ、前向きに周囲とのコミュニケーションを取りながら進めていける気骨のある人が求められるのでしょう。
今社内では、チームづくりにも力を入れているのだそう。営業リーダーの石井さんは、ALMAの開発によってより従業員たちが仕事に対し前向きな取組みができると感じていました。
そこで通常の業務においても、これまでとは違う取組みを取り入れました。リーダーを決定し、起こる出来事に対してチーム内で課題解決をするため、メンバーそれぞれの自主性を促す動きを作っています。
「これまでは、課題点や何か事象が起きたときの判断をトップダウン形式で社長自らが判断する機会が多くありました。しかし、これからはリーダーを中心に現場で議論し合い、解決策や方法を自ら導き出していけるようチーム力を高めていきたいと思っています」
「ホワイトボードにある付箋はそのひとつで、ひとつ起こった課題に対して、それぞれの意見を出し合ったものです。自分の経験や考えを伝え合い、主体的に課題解決を図る方法をこれからも模索していきたいと思っています」
丁寧にコツコツと積み重ねてきた経験と、今ある技術力をもって、お客さまの要望に応えていく。
真面目に、誠実に取り組む石井精工は、お客さまに対してだけではなく、従業員がよりものづくりをする自分に誇りが持てることにも挑戦しながら、前を向いて歴史を紡いでいます。
あらゆる商品を手にしても金型の存在は感じられないかもしれません。しかし、一人一人現場に立つ人たちの金型があるからこそ、商品はできあがっています。
ものづくりは、面白い。
そんな想いで取り組める会社で働いてみませんか?