墨田の新しい介護コミュニティ すみまめカフェ
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墨田区京島にあるキラキラ橘商店街は、関東大震災、東京大空襲で奇跡的に火災に遭わず、今でも大正時代からの長屋などの建物があり、昭和の面影残る下町を代表する商店街で、そのロケーションはテレビドラマの撮影にも使われることが多い商店街だ。
全長450mのこの商店街は、どこの駅からも少し歩くためお客さんのほとんどは地元の方が中心の地域密着型の商店街となっている。
ところどころシャッターが閉まっているところはあるものの、長年営業しているお店はもちろん新しくオープンするお店も少しづつ増え、墨田区内の中でも活気がある商店街の一つである。
この商店街の中に、2015年4月4日「すみまめカフェ」はオープンした。
「すみまめという名前は、珈琲豆の意味ももちろんありますが、墨田区のちっちゃい版のカフェが集まったという意味も込めて、すみまめカフェと名付けました。ここで墨田の商品を試してもらって気に入ったものがあれば、実際のお店に足を運んでもらえたらと思っています。」
すみまめカフェでは、墨田区内の人気店から商品を取り寄せ販売・提供しているため、一度に区内の人気商品を楽しめるようになっている。
このすみまめカフェを運営している株式会社クリエイト・ケアが、墨田区の情報を発信しながら地域の方と交流してくれるカフェスタッフと、この地域の高齢者のお手伝いや相談に乗ってくれる介護スタッフ兼カフェスタッフを募集しています。
この場所は、この商店街の中でも一番か二番目に広い店舗で、元々は惣菜屋や道の駅など色々なお店が開いては閉まってを繰り返し、ここ五年間は空いたままになっていたそうだ。
そんな時に、介護事業を手がける”株式会社クリエイト・ケア”が介護とカフェを一緒にしたお店ができる場所を探していて、縁あってここを選んだとのこと。こういった介護事業のプロが運営するカフェは、東京都内でもかなり珍しい形態だそうだ。
クリエイト・ケア代表の渡邉さんにお話を伺った。
渡邉さんは、13年間介護業界で働かれていて、ご自身も社会福祉士の資格を持っているそうだ。
今回の募集はどういった経緯ですか?
「お店がオープンして一週間ほど経ちましたが、かなり慌ただしくオープンしてしまったので、カフェ専属のスタッフがいません。まさに今日から一人、土日限定で大学生の子がアルバイトで入ってくれていますが、平日は二~三名、土日は四名くらいの体制にしたいと考えていて募集させていただいてます。」
お店を出す場所に墨田区を選ばれた理由とは?
「文京区とかの商店街もいろいろ探しましたが、なかなかいいなと思う商店街がありませんでした。谷中とかは雰囲気も良かったんですが、既に栄えすぎていて空き店舗がなく入れませんでした。それ以外だと車が走れるような広い商店街が多かったり、商店街自体がそんなに盛り上がってなかったりで、適してなかったんです。そんな時に墨田にご縁があったんです。」
「この商店街は、いろいろな活動をされていて、特に頑張っている商店街という感じがしました。そういった活動は、こちらも参加していこうって気持ちになりますし、単独ではできないことなので、魅力的ですよね。また、この商店街は特に高齢者が多く、切っても切れない存在だと思いますので、商店街を活性化してお客さんに戻ってきて欲しいという想いもありました。」
キラキラ橘商店街のある墨田区京島地区は、平成22年には高齢単身世帯が12,590世帯となり、一般世帯総数の10%を超えこれは15年前と比べると2倍以上にもなる。
クリエイト・ケアは、渡邉さんと前職で一緒だった本木さんの二人で立ち上げた高齢者医療と介護サポートの会社で、ここでは居宅介護支援事業所・訪問介護事業所・カフェ運営の3つの事業を運営している。
介護相談所にちょっとした休憩スペースがあったりするところはあるが、ここまで本格的なカフェと介護が一緒になったのは珍しい。
カフェスペースがかなり充実してる理由を聞いてみた。
「介護って、入りづらい概観のところが多いんですよ。なので、高齢者の方がじゃあ相談行こうってなった時に、どこに行くかというと区役所になってしまいます。でも、近い方はいいですが、遠い方は行くのも大変です。ケアマネージャーは相談業務や申請代行もやっているので、ここでお茶でも飲みながらざっくばらんに相談に来てもらえたらという点と、介護ってどうしても汚いとかきついって一般的なイメージがあるので、それを払拭したいという想いがありました。」
「私達の活動は、介護職もクリエイティブでお洒落にしたいという想いから活動をはじめたので、介護職員がサービスに行ってないときにカフェの仕事をすれば空いている時間を有意義に使えるし、介護だけじゃなくてカフェがあることで、お洒落ってイメージになれば見た目も変わってくるのかなというのがありました。ただ、思った以上にカフェの割合が大きくなりすぎました(笑)」
本木さんは、現役のケアマネージャーで、渡邉さんと想いが同じだったそうだ。
「元々はNPO法人で、そこでは”介護とITを結びつける”という想いの仲間たちが集まり、全員本職はそれぞれ別に持ちながら、空いてる時間を利用してはじめました。介護に縁のない方々にも興味を持ってもらいたい、介護って暗いってイメージをなくしたい、体力とか体を使わなくても頭の筋肉を使えば、もっと介護が注目されるんだってことを知ってもらいたいという想いがありました。」
ただ、NPOとしての活動だと制限があったりすることから、NPOとは別に株式会社クリエイト・ケアを2014年11月にお二人で立ち上げた。
介護相談のスペースは思ったよりもコンパクトになってしまったそうだが、ケアマネージャーさんとの距離も近く話しやすそうだ。
相談に来る人は、相談というよりは愚痴だったり、日常会話だったり、オムツのあてかたとか替え方とかどうしたらいいの?というような質問が多いことから、気軽に話せる場所がカフェだったようだ。
また、介護をされている方も相談する先がなかったり、一人で溜め込んでる方もいるため、「体を壊す前にここで息抜きしながら相談してもらえたら」と本木さんは言う。
「介護保険を使ってる、サービスを利用してるって人は、担当のケアマネージャーさんが既にいます。これから介護保険を組みたいという人とか、子供さんだったりお孫さんだったりがどうやって申請したらいいかの相談にきてもらいたいです。
さきほども言ったように、そういったことが区役所に行かなくても相談できたり、申請の代行をしています。要は、実際にその方にどうゆうサービスが必要かケアマネージャーがマネジメントするんです。」
黒板になった壁には、店内で取り扱われている商品の店舗マップが記されている。
ここに出店する際に、商店街に想いを伝えて協力してもらい、メイドイン墨田の商品を集めることができたんだそう。協力店舗は、今後も増えていく予定で、こういったマップ作成や商品の説明という意味でも、働く方はこのあたりの地域や地理にくわしい方のほうが適していると言えるだろう。
渡邉さんは、前職ではどんなことを?
「前職も介護の会社に勤めていました。最初は現場から入って13年くらい働いていて、最終的には管理職をしていました。いくつもある事業所のマネジメントといったことですね。」
介護の仕事をはじめたきっかけは?
「20代の頃は、バーテンダーや居酒屋の店長をやっていたり、スキーのインストラクターをしていました。そんな時にたまたま介護の仕事が目に付いて講習を受けてみたら、高齢者や認知症の方の対応って話術や技術がとても大事で、その奥深さに引かれました。」
そんな介護の世界で、渡邉さんは変えたいことがあるんだという。
「介護って、給料も安いしきっちり雇われの身でも給料が上がっていかない。国からの報酬が決まっちゃってるので、なかなか上がらないし、結婚したら家族を養っていけなくてやめちゃうって人が多いです。だったらせめて自分の従業員だけでも、一般の企業並みの給料にあげて潤してあげたいって思って自分ではじめたんです。」
「少子化でこの業界には若者が絶対に必要です。外国人の労働者に頼ると言っても、やっぱり文化が違うのでなかなかマッチしません。言葉の壁もありますけど、元々の感覚が違うので、必要なのは日本人の若い方。そうゆう方をひきつけていかないと今後厳しくなっていきます。」
カフェスペースは非常に広いスペースがあるので、様々な利用に使ってもらえたらと考えているそうだ。こういったスペースがこのあたりには少ないこともあり、営業時間後の時間貸しや商店街の会合やママさんの習い事、コミュニティカフェ的なことにも使えるようだ。
この仕事の難しさは?
「介護の教育でもそうなんですけど、その方がよそにいったときに恥ずかしくないようにしたいというのはあります。医療職と介護職は非常識と言われていて、普通の企業からするとすごい非常識なことをやってるんです。その業界だけでやってくならいいけど、他のところにいって恥ずかしい思いするのは本人なので、一般的な常識とかはきっちりと教えていきたいと思いますが、頭から押さえつけたりしないで、その人の個性も引き出していければと思っています。スタイルがガチッとしてもあてはまる方もいればあてはまらない方もいるので、そこは柔軟じゃないとやっていけないですし。」
「サービス業っぽくないけど、介護もサービス業です。介護保険を利用して、国から9割いただいてるからどうしてもサービス業って認識が少ないけど、そうゆう介護と言うサービスを買っていただいているので、介護はサービス業なんです。
介護の方で働いてもらう方には、カフェも手伝ってもらいたいと思っているのですが、サービスと言う面では、カフェで接客の勉強をしてもらったら介護でお客様のご自宅に行っても役に立つはずです。」
カフェでは、火を使った調理はない。
基本的には、珈琲を入れたり、パンをオーブンで温めたり、パンにチーズなどを挟んだりといった簡単な料理だけなので、難しい知識や経験は必要ないそうだ。
店内の一角には、対面販売用のコーナーが設置されている。
なんでも商店街を利用される方は、自転車を降りないで商品を買われる方が多いそうなので、お店に入らずに買ってもらえるようにする予定だそうだ。
また、このカウンターには墨田区のインターネットでしか売っていないような伝統工芸品などが置かれて販売もされる予定でこういった販売も仕事のひとつになる。
どんな方と一緒に働きたいですか?
「一週間営業してみて、子供連れのママさんから、杖をついた年配の方までかなり幅広い方が入って来てくださいます。そのため、地元に根付いたアットホームな感じを出したいので、カフェの経験よりも明るくて話好きな方がいいかなと思っています。近隣の区の方でも大丈夫ですが、地元を愛してくれる方ならお店を盛り上げてくれるんじゃないかって思いますし、このへんのお客さんが来た時に、ここで暮らしてる人の方が会話がスムーズですし、他のお店の紹介もできるのでできるだけ近くの方がいいです。あとは、この雰囲気をいいな、って思ってくれた人が一番かなと思います。」
「それと、ヘルパー二級を持っている方であれば介護の仕事をしながら、カフェのアルバイトもお願いしたいと思っています。サービスがないときに時間を持て余すのはもったいないので、どちらの仕事も出来るという方はうれしいですね。さっきも言ったようにカフェの仕事が介護のサービスにもきっと役に立つはずですし。」
「あと、介護の仕事は、資格がないとサービスに入れないんですが、そういった仕事を目指して勉強してる方が勉強の合間で、カフェでバイトしてもらって、資格が取れたら介護の方で働いてもらうというのもいいと思います。実際に働いてる方のお話を聞いたり、現場を横で見ながら働けるので、とても勉強になると思いますよ。」
「それと、免許をお持ちの方も大歓迎です。うちで扱っているパンは区内のお店から仕入れているものなので、毎朝直接お店に取りに行ってます。三輪のバイクなので、原付だと乗れないので普通免許をお持ちの方なら大歓迎です。」
取りに行く店舗は、本格石窯パン工房tomtopmさん、LE PATISSIER T.IIMURAさんの2店舗だそうだ。区内に住んでいる方なら誰もが知ってるような人気店。パン好きには堪らない。
最後に、今後の目標を教えて下さい。
「2号店、3号店を出したいですね。このモデルが成功すれば、色んな自治体でもやってみようってなってもらえると思うので、このノウハウを利用して広げていきたいですね。
介護のサービスエリアって、大体半径5キロくらい。中学校の範囲と言われていて、ここに来れる人って限られるので、たくさんの方に利用してもらえるように数を増やしていかないとと思っています。」
キラキラ橘商店街に限らず、こういった介護の需要は日本各地で増えてきている。
間違いなくこうした形態のお店は今後も増えてくるし、必要とされる仕事だと思う。
介護に良いイメージを持っていなかった方や、給料の面で続けられなかった方にぜひとも働いてみてほしいと思うし、渡邉さんと本木さんと話してみると、介護って楽しそうだなって思うはずです。
まずはぜひカフェに足を運んで、雰囲気を感じてみてください。