2022.08.17(水)

想いも一緒に刷る印刷会社 株式会社サンコー

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株式会社サンコー

デジタル化が加速し、電子書籍などデジタル媒体の需要が増加傾向にある一方で、印刷業界はその影響を受け紙媒体の需要が減少しています。

中でも書籍や雑誌などの『出版印刷』、カタログやパンフレット、ポスターなどの『商業印刷』の市場は縮小傾向にあり、中小事業者の中には、こうした市場から撤退する企業も出ています。

デジタル化、ペーパーレス化の時代の流れの中で、厳しい局面が続く印刷業界。

そんな中で印刷や紙の価値を見直しながら、トライアンドエラーを繰り返し印刷業界の未来に挑む会社があります。

株式会社サンコー

墨田区亀沢にある株式会社サンコーは、1967年に製版会社として創業し、今年55年目を迎えた印刷会社です。

三代目のバトンを引き継いだ取締役社長である有薗悦克(ありぞのよしかつ)さんは、大手フランチャイズチェーンで店舗開発や経営企画などを経験し、上場する小売チェーンで経営メンバーとして企業再生にも携わりました。

​​2013年に家業を継ぐためにこの会社へ入社し、2017年には父親から代を受け継ぎ、印刷会社の可能性に挑戦し続けています。

株式会社サンコー

入社して以来、印刷業を主軸としながら会社の未来を模索する中で、2015年にオープンさせたクリエイター専用のシェアオフィス『co-lab墨田亀沢:re-printing(以下、co-lab墨田亀沢)』は、サンコーの事業領域を拡大させるきっかけになりました。

『ものづくりの職人とクリエイターが出会い、化学反応が起きる場』をコンセプトにした、印刷工場直結のシェアオフィスは、クリエイターにとっては相談ができる印刷会社、印刷会社にとってはクリエイターと直接仕事が生まれる場所として、約40名のクリエイターが入居する墨田区を代表するものづくりコミュニティの拠点となっています。

co-lab墨田亀沢が誕生したことで、サンコーではクリエイターとコラボレーションしたアウトプットをする仕事の機会に恵まれ、ビジネスをデザインするクリエイティブな印刷会社へと生まれ変わりました。

有薗さんは、三代目になった際、社員たちと議論を重ね、自分たちの事業領域をおもいをカタチにする仕事と定義。さらに『任せてよかった。ありがとう! と言われ続けるために、常に変化し、成長し続ける会社でありたい』という企業理念を新たに掲げました。

紙の価値を問い直し、情報を伝えるメディアから、五感で伝わるメディアをつくる印刷会社として、印刷物にとどまらずブランディングや企画から入るプロジェクトに多数取り組んでいます。

株式会社サンコー

​​今回募集するのは、営業を担う人。サンコーの営業はとてもユニークです。

まずは有薗さんにお話を伺ってみます。

「デザイナーの印刷受注、Webマーケッター、クリエイティブディレクションをやっていただける方を募集したいです。どれかひとつでも経験がある方は大歓迎で、印刷営業をしていた人ならこれまでにない面白い仕事ができると思います」

サンコーは、この2年半ほどでWebを駆使する印刷会社になりました。主に、自社の強みや想いを発信するブログの運営に注力し、2020年夏から強化し始めたブログの発信は、有薗さんと営業2名で月に1~2本を執筆し続け、年間で50本にもなりました。

さらには、デザイナーや印刷会社向けのメールマガジンも2週間に1回配信するなど、発信を精力的に行ってきました。

インターネットの検索ワードを調べ、アクセス数が取れるところを見つけたり、競合分析をしながら、自社のオリジナルコンテンツを記事化。時間の経過とともに記事をブラッシュアップすることを繰り返していくことで、自社サイトの月間PV数は、以前の4倍にもなったそうです。

ただ、これが本当に印刷会社の仕事なのだろうか?と、疑問に思う人もいるかもしれません。なぜこの取り組みを始められたのでしょうか。

「面倒な相談にも喜んで応える印刷会社がいるということを知らない人は多いです。それをしっかりとWebで発信をすることで、デザイナーが印刷に困ってインターネットで検索したときに、当社にたどり着き、会社の想いを知って相談したくなるサイトを作っていきたかったんです」

株式会社サンコー

営業担当の業務に、マーケッターやクリエイティブディレクションがあるのは印刷会社として珍しい。具体的にはどのようなことをするのでしょうか。

「Webマーケッターであれば、まず自社サイトのアクセス数を伸ばすこと。そして、自社の実績を含めてコンサルティングもできるので、マーケッターとして幅広く携わることができます」

「また、デザイナーをやっていた人であればディレクションの経験がある人も多いと思うので、ビジネス側から考えた経営の役に立つデザインとの付き合い方は一緒にできると思います」

Webマーケッターやデザイナー経験者は、今までいた業界とは違う印刷業界の中でのおもしろみややりがいを感じられる仕事ができるかもしれません。

一方で、印刷会社としてお客さまに向き合うこともあるので、技術的な話も必要になります。印刷業界についてある程度の知識や少しでも経験がある人のほうが、自分の力を発揮しやすいでしょう。

株式会社サンコー

サンコーで働くにあたってはどんな人が向いているでしょうか?

「メディアに取り上げていただく機会も多数あって、キラキラした会社に見られることもありますが、私たちは中小企業です。大手企業と比較したら、制度が整っている環境とは正直言いづらい部分はあります。だからこそ、自分の望むカタチにつくれることをメリットと捉えるような楽しめる人が向いていると思います」

情報としての紙の役割は終わり、デジタルに置き換わってきた。そんな時代の流れの中で、サンコーは紙の価値に向き合い、唯一無二の印刷会社を目指して日々奮闘しています。

週に1度『紙と印刷とラジオ』というラジオ番組を放送したり、ウェビナーを実施したり、TwitterやSNSでの発信、工場見学を積極的に受け入れるなど、おもいをカタチにするという考えのもと、自社でできることはなんでも挑戦してきました。

「メディアとしての紙ではなく、マテリアルとしての紙を僕らだけで実現するのは難しく、どれだけデザイナーやクリエイターと出会うことができるかが鍵になります。そして、印刷マーケットはこれからも縮小するし、むしろしないといけないとすら思っています」

「音楽で言うと、レコードからCDへ移行し、その後ダウンロード、ストリーミングへと変化してきましたよね。その変化によって、アナログレコードがCDよりマーケットが大きくなった。レコードの持つ情緒的なものの良さがかえって際立ったわけです。印刷も同じで、ちゃんと紙で欲しいものは残っていくと思っているんです」

それでは、営業担当として働く、入社28年目になる山中さんにもお話を伺ってみます。

株式会社サンコー

「営業はひとつのことを考えるのではなく、お客さまの求めることの根底に何があるのかを引き出すことが大切だと思っています。言われた通りの仕事を完遂するだけでなく、気づいたことは自ら率先して動いていく仕事です」

「情報を伝える印刷なら、今やネット印刷に頼めばすぐに制作物を作れます。でも、我々は、価格勝負ではなく、困りごとを抱える人たちが満足いくものに仕上げることを得意としているので、予算内でできる最大限のよいものをつくりたいですね」

印刷業界で長く営業をしてきた山中さんだが、有薗さんが入社し次々に打ち出す新しい取り組みに、最初は戸惑うことも多々あったと言います。

「これまで自分が営業としてやったことのないブログは、文章ひとつを書くのにも本当に悩ましく、何を伝えたらいいのか分からなかったんです(笑)」

しかし、山中さんは、自身がブログを担当したことで、何を伝えていいのか分からないという会社がいても、どんなことをやりたいのかを引き出すことができるようになってきました。

このように、おもいをカタチにする仕事というサンコーが掲げる想いは、決してお客さまだけに向けたメッセージではなく、社員一人ひとりの意識改革にも繋がりました。

株式会社サンコー

営業担当が大切にしているのは、お客さまの考えや求めているものを引き出す時間です。

例えば、名刺の受注ひとつでも営業担当がしっかりとヒアリングしていくと、名刺を変えたいという相談には、会社を改革したいという想いが隠れていることもあります。

最初は、30分から1時間ほどお話をお伺いして、次のステップでより長く時間を設けて提案と想いをすり合わせしていきます。時間の長さではなく、本当に求めていることは何かを丁寧に引き出していくのです。

また、会社に訪問してヒアリングや提案をすることはもちろんありますが、問い合わせがあった際にできるだけ自社に来てもらえる機会を設けるようにしているのだそう。これは、印刷現場で直接話すことでより確度の高い情報を得られると考えているからです。

サンコーの営業担当は、お客さんだけでなく、シェアオフィスに入居するクリエイターと協業の機会も増えました。これによりクリエイターの考えやスキルを理解し、お客さまに合ったプロジェクトチームをその都度組むことができるようになったと言います。

「どんな想いのもとに、どんなものを作りたいのかを引き出す際や、話しをしている段階でクリエイターの顔が浮かぶようになりました。我々もお客さまに対して提案のしやすさは増したと思います」

それでは、プロジェクトに携わるクリエイターは、サンコーをどのような存在に感じているのでしょう。

co-lab墨田亀沢に入居して4年のデザイナー青木さんにもお話を伺ってみます。

株式会社サンコー

青木さんは墨田区が発行する『創業支援パンフレット』の制作など、サンコーと協業する機会の多いクリエイターの一人です。

「印刷工場がオフィスの下の階にあるので、色味を揃える相談や紙による色の沈み具合の想定、印刷立ち会いの相談もすぐにできるのは、ネット印刷にはできないことでありがたいです。そこまでクリエイターと向き合ってくれる会社も珍しいなと思います」

気になっていること、ちょっと不安なところをすぐに相談して、解決できるのは、デザイナーにとって頼りになる存在だと言います。

青木さんは、サンコーとチームで取り組んだブランドづくりが印象的だったそう。

株式会社サンコー

新潟県糸魚川市で、農業に挑戦している会社のブランディング依頼を受けたサンコーから、農作物を発送する際に同封するメッセージカードのデザインを依頼された青木さん。

サンコーの営業は、お客さまの強みや根底にある想いを引き出せるようディレクションを行い、青木さんはお客さまがどんなことを望んでいるかを理解しデザインする。

お客さまとクリエイターの間に立つサンコーは、それぞれの想いを翻訳して伝えることでよりよいアプトプットを引き出していきます。クリエイター側にはクライアントの要望を伝えながら「どうデザインで実現したらいい?」という相談の仕方をしています。

クライアントに対しては、クリエイターそれぞれの魅力を分かっているサンコーだからこそ、デザインがどんないいことをもたらすのか、ビジネスパーソンが理解できるように翻訳して伝えます。

このチームによって、翌日に新鮮なものが届く直送感や、届いたものを開けるワクワクの瞬間を演出する観音開きのカードを作り上げました。

「私がなぜこのようなデザインにしたのかという想いも代弁して伝えてくれます。それによってクリエイティブに集中できますし、想いを受けとめて伝えてくれるのはありがたいです」

株式会社サンコー

自分たちの仕事が世の中へのつながりを実感できるからこそ、現場スタッフも生き生きしています。

最後に、印刷部門で働いて21年目となるプリンティングディレクターの待鳥(まちどり)さんにも、クリエイターと一緒に仕事をする楽しみや、営業担当との普段のやりとりをお聞きしました。

待鳥さんは、前職の映画配給会社でフィルムの色を調整してプリントをする仕事に携わっていました。そこから、色に関する興味関心が強くなりこの会社に転職。今では、頼れるプリンティングディレクターとして社内で欠かせない存在です。

ここで長年働く待鳥さんですが、工場の上にco-lab墨田亀沢ができたことで、クリエイターが工場にやってきて、直接お話する機会も増え、印刷現場で働くスタッフたちのモチベーションは向上しているそうです。

「印刷工場直結なので、ちょっと相談に乗ってほしいと、いきなり営業担当からco-labに呼ばれることも多いんです(笑)でも、自分たちがやってきた当たり前は、お客さまにとって違う場合があります。だからこそ、自分だったらどんな風にされたら嬉しいだろうかということを、忘れずに仕事をするように心がけています」

サンコーの営業担当は、プロジェクトを率いるためにco-lab墨田亀沢をはじめとするクリエイターや印刷現場で働くスタッフとチームになって仕事をすることになります。プロジェクトメンバーを引っ張っていく力、仲間への気遣いや対人コミュニケーション力が求められる仕事です。

株式会社サンコー

お客さまに納得してもらえる仕上がりにするために、ときには印刷立ち会いも積極的に行っています。お客さまそれぞれに制作物への思い入れやこだわりがあり、任せてよかったと思ってもらえるように、営業も技術スタッフも最後まで妥協をしません。

「印刷現場のライブ感を大事にしています。例えば、企業のコーポレートカラーの色にブレが生じるとします。コート紙、マット紙、上質紙のように紙によって色の出方も異なるので、事前に色見本を用意しておきながら、立ち会いの場でも色の変化を見ていただき、選んでいただけるようにします。現場に来てもらうことで生まれる色があるんです。だから効率重視にふらず、時間をかけてでも現場で見てもらう時間を大切にしています」

現場を担当する待鳥さんは、どんな営業担当者と一緒に仕事をしたいですか?

「営業担当が個性的すぎる必要はなくて、普通の人でいいと思っています。印刷業界の厳しさもある中で、お客さまや印刷現場の状況を判断しながら、プロジェクトを進捗させていくと思うので、察する力のある人が営業担当としていてくれたら嬉しいです」

株式会社サンコー

厳しいと言われる印刷業界ですが、サンコーは従来の下請け仕事をする印刷会社のイメージを覆す会社へと進化をしている最中。

一緒に紙の価値を考えながら、クリエイターとのコラボレーションと共に印刷会社の変化を楽しみたいと思う方、ぜひ応募してみてください。

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