二階の食堂
2015.05.20(水)

日常にある贅沢 二階の食堂

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ご応募ありがとうございました。

二階の食堂

おいしい物や好きな物を食べることが特別な食事という人もいれば、家族や仲の良い人と食べる食事が特別な食事という人もいるだろう。人によって特別な食事と日常の食事というのは微妙に違っていて、特に今の時代は物に溢れ、食事ができる場所やシチュエーションも多く、これといった正解はないのかもしれない。

「私はどちらかと言うと、日常の食事を作りたいし、特別なものを食べに行こうじゃなくて、日常の食事として食べにきてもらいたい。でもその日常の食事を丁寧に作る。そうすることで、みんなにも真似して欲しいってところまで考えた食事を提供します。」

素材にこだわり、丁寧に心を込めて作るだけで、日常の食事が健康的で特別な食事になる。人によっては当たり前のことかもしれないし、やろうと思えば誰にでもできることではあるが、普段の生活の中ではなかなかできることではない。

二階の食堂

そんな日常の食事に素材からこだわり、丁寧に調理するお店「二階の食堂」が2015年5月、墨田区吾妻橋に誕生する。この食堂のカフェタイムで働いてくれる、アルバイトスタッフを募集しています。

二階の食堂

二階の食堂は、元々は鞄工房「HIS-FACTORY」のショップがあった場所をリニューアルし、一階はこれまで通り工房として、二階を「二階の食堂+ショップ」という形へと生まれ変わった。

二階の食堂

お店は店名の通り、工房の脇を抜けて、奥の階段を上った二階にある。

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店内は墨田区役所側が全面窓になっていて、とても明るく東京スカイツリーも見える絶好のロケーション。カウンターを取り囲むようにカバンを中心とした革製品や区内のモノづくり作家さんの作品がずらりと並べられている。

二階の食堂

食堂を運営するのは、墨田区出身・在住の四人の子を持つ、荘司美幸さん。
ご自身の実家も鐘ヶ淵で昭和六年から飲み屋をされていて、昔から飲食店をやりたいという想いはあったそうだが、十年以上も働いていた税理士事務所を辞めて、お店を始めたのにはどんな想いがあったのだろう。直接ご本人にお店を初めた経緯や想いを伺った。

お店を始めることになった経緯を教えてもらえますか?

「三人目の子供を生んでからですよね、食に対する考え方が変わったのは。子供を生むってのはすごく大変なことで、働きながら親として何ができるのかって考えた時に、やっぱり『食べ物』だけが外せなかったんです。何を食べさせたらいいのかって悩んでたときに、食生活アドバイザーって資格を取って、何をどれだけどうやってどんな人とどんな環境で食べるのかってことが重要なんだって気づきました。」

「そういうことって目からうろこだったんですよ。子育てしてるお母さんたちって、何を食べさせたらいいんだろうかって悩んでらっしゃる方って多いと思うけど、そうゆうことじゃない。要するに、無農薬だったりとか一食の中に栄養素がバランスよく取れているかってことにすごく集中しがちだったけど、実はそうゆうことじゃなくて、食べることが楽しくなったりとか、食べたいって思うってことの方が重要だったんです。あと朝昼晩の習慣ですよね。」

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「あーそうゆう悩んでいる人っていっぱいいるんだってことに気づいた時に、やっぱりその中心には『食』があると思うんですよ。『食』とあと『多世代』というところが、私の中のキーなんです。ママさんたちだけで支えあうよりももっと老若男女、おじいちゃんおばあちゃんから、大学生、高校生、もっとすごく幅広い人たち全員で子育て支援ができたりとかですね。だから、介護の世界の話もぜんぜん違うカテゴリーではなく、介護の人たちだって子育ての人たちと関わるべきだと思うし、色んな人たちが交わうことで解決できることがあるんじゃないかって。」

「その中でただここにおいでとか、ただ集まって、って言うよりも『食』があるとなんとなく集まりやすいと思うんです。食べない人はいないわけであって、食べることが一つのコミュニケーションツールとしての場なのかなと思って、そんなことを昔からやりたいなと思っていたところで、中野さんにここでやりなよ。って声をかけていただいたことがきっかけです。」

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鞄工房「HIS-FACTORY」の中野さんに、荘司さんを誘われた理由について聞いてみた。

「売上志向や流行りだったら絶対にやんないし、やっぱりこだわってんじゃん?ただじゃんじゃん売ればいいってものじゃなくて、こだわってやってて、やってることになんとなく意味があって、熱い気持ちがあるって分かったから一緒にやろうって思ったんだよね。
あとは時代が関係あるよね。やっぱり一緒になにかやるってのは、それも流行りじゃなくてそうゆう人同士だったら合うんじゃないかって思う。」

「どかーんとやるんじゃなくてさ、ちゃんとジワジワ丁寧にやっていきたいよね。自信持ってやってることだからさ。それで両方でいい相乗効果があればいいから、俺も精一杯クオリティを追及していこうと思ってるよ。ただのノリと勘違いされる場合もあるけど、そうゆうつもりはなかったし、荘司さんじゃなかったら考えなかったと思う。」

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「丁寧にやっていれば絶対に人は集まってくるよね。中野さんは自分の理想としてまだまだだって言いますが、私たちから見たらある程度定着しているところがあって、でも私たちはゼロベースからのスタートですから、お互いにいい相乗効果になればいいなと思っています。」

誘われた時に迷いはありませんでしたか?

「迷いは全くなかったですよ。元々やりたいやりたいって気持ちはありましたし。中野さんのこだわってることも私はすごい好きで、自分がこだわってるかと言うとこだわってるつもりはなかったんだけど、はたから見るとこだわってたってところもあって、共通する部分があると思います。というか商売がやりたかったというよりは、おもしろい場にしたかっただけかな。」

「そうそう荘司さんは、ある程度さこうやったらいいんだよってアドバイスするんだよね。そうゆうところは俺も似てるんだよね。ワークショップもそうで、やり方教えてやってみなって言ってる。まあ、俺の場合はちょっとやらしいところもあるんだけどね。やらせておいて、ね?大変でしょって(笑)料理だってそうじゃん。ぜんぜんやれない人にとってはそんなに時間かけるの?ってこともあると思うし。」

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どんな方にお店に食べに来てもらいたいですか?

「売上を考えるんじゃなくて、私はもうちょっと副産物的なことを考えていて、例えば商品を見に来た人が食事をする、食べた人が商品を見る、そういった行き来ができるような人たちが集まってくれるとうれしい。そしてそこに集まる人たちがまた交流ができる。だからここは二面を持ってるのかな。中野さんが知ってる人で私が知らない人もいるし、私が知っていて中野さんが知らない人もいるので、そのへんの融合もおもしろいと思う。ターゲットとしてあんまり限定もしていなくて、ここの場をおもしろく使ってくれる人が集まってくれたらいいと思っています。」

「そのへんにある食堂って、土方の人とか入ってるイメージなんだけど、あーゆう食堂って女性でも入りたいし、食べたいのよ。でもなかなか入りにくいんですよね。だからここは、女性でも入れる食堂って感じかな。」

中野さんはどんな人に利用してもらいたいですか?

「改装前は、女性が来づらい雰囲気だったけどさ、今は明るいこの雰囲気と荘司さんなので、女性一人でも来やすいと思いますよ。OLさんとかであまり食事しないとか、毎日ギトギトしたものじゃなくて健康的なものを食べたい人とかにもいいしさ。内輪では、冗談で荘司さんの『説教場』とかって言ってるけど、要は頼りになる姉さんってのもあるから、女子にも人気あるんだよね。」

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今のところスタッフは、荘司さんの他に三人の方が決まっているそうで、全員が現役のママさんだ。

どんな方と一緒に働きたいですか?

「へこたれない人。ここでは、色んなことを言われると思う。あれもやってこれもやってみたいな。中野さんの手伝いちょっとしてきてとか、炒め物しといてみたいなこともあるかもしれないので、言われたことしかできないとか、言われてなかった仕事はできませんみたいな人ではなくて、柔軟性がある人。
あとは、明るくて何でも楽しめる人かな。時給のためとかって言うよりも、遊びに来ましたくらいの楽しむ気持ちで来れる人。もちろん、食に興味のある人も歓迎で、毎日ファーストフードでいいみたいな人じゃなくて、こだわってなくてもいいんだけど、これからちゃんと食べようと思いますとか、食べたいんですって人とかでもいいです。」

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今回の募集はカフェタイム限定のスタッフで、基本的な仕事としては、コーヒー、紅茶、ケーキ一種類の提供と洗い物だが、カフェの仕事以外にも臨機応変に対応する必要がある。例えば、併設のショップには、商品を購入しに来るお客さんもいるので、販売も重要な仕事の一つ。
商品の説明もしないといけない場面も出てくるため、ある程度商品のことを理解する必要があるが、中野さんや他の工房メンバーも同じ建物にはいるので、焦らず徐々に覚えていってもらえればということだ。

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先日行われた工房ショップのオープニングには、百名を超えるお客さんが集まり、既に多くの方に注目と期待をされる場となっている。

ここで働く魅力とは?

「アルバイトする人もいろんな人に出会うと思うので、人との出会いによってやりたいことが見つかるかもしれません。密かにこうゆうことをやりたいって思ってた、そんな時に関係する人が来店したことではじめるきっかけになるかもしれません。」

「お母さんたちのワークショップをやったときにお母さんたちも実はやりたいことがあって、それを子育てしてるからって諦めている方もいる。でも子育てが終わったときに、それをすぐにできるかっていうと難しいと。じゃあどうしたらいいのって言うと、自分がやりたいことのプラグを持っていたら、それに合うコンセントを探す旅に出て欲しいと思っています。
つまりそうゆう意識をいつも持っていることが大事だと思うので、ここで働いたらただ皿を洗って、ただサーブしてって言うんじゃなくて、もしかしてこの人?みたいなアンテナを持っていてほしいです。」

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そんな風に人との出会いを大事にする荘司さんが、区内で参加しているコミュニティは六つにも及ぶという。それもほとんどがボランティアとして参加されているというから驚きだ。

仕事に子育てにと、忙しい状況でもそういった活動をするのはなぜですか?

「単純におもしろいから。どげんかせんといかんことがあるわけですよ。口で終わらせることがすごく嫌で、関わるんだったらただやってますって言うよりも、議論できるために色んなところで提言できる人になりたかった。そうゆうことは子供ができたことがきっかけで、子供ができてなかったらやってなかったと思います。私は立派な国家資格とかも持ってないけど、子供を育てた経験だけが人よりも多いので、そこを生かさないともったいないと思いました。」

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荘司さんのお子さんは、一番上が二十歳で一番下が小学一年生とかなり歳が離れているが、最初の子育てと比べて、今の事情はまた違うそうだ。

「子育て支援団体をやってる人たちって、現役の子育て中で忙しいんですよ。だけど、そういうときに子育て支援団体をやるっていうのは、要は自分が子育て中じゃないと分からないことってたくさんあるんですよ。これが子供が大きくなってから子育て支援団体やりますって言っても、もう事情が変わっちゃってるし、肌で感じる事情が分からなくなってくる。だからこそ現役の人たちでやっています。」

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区内に住んでいる一般の人たちが先生となり、子供たちに授業をする組織「学校支援ネットワーク」では、直接子供に話をしたり食のありがたみを教える事業がないことから、荘司さんは”食のありがたみ”という授業をされている。

「今の子供たちは本当に恵まれていて、黙っていてもご飯は出て来るし、コンビニに行けば買える。でも、逆に貧困とも言われています。今日は夕飯食べませんでしたって子供さんがいたり。それを親御さんに話して説得するというのはなかなか難しくて、だったら子供に直接話したり、食べ物がどこから来るのかって紙芝居を見せたりして、今は恵まれていて物に溢れているけれど、いざ社会人や大学生になった時に、自分で食べる物を選んでいかないといけないのよって話をします。」

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「私は何が何でも手作りじゃないといけないとは思っていません。なるべくそうしたいと思っていて、時間ができたときにちゃんとやれるように準備万端の気持ちでいればいいと思います。科学調味料一切除去とかも思ってないです。子供にはそうゆうものを除去して、絶対に有機野菜しか食べさせませんとかやっちゃうと生きていくのが大変になっちゃう。化学調味料がほんとにいいか悪いかって分からないじゃないですか。うまく折り合いをつけてやっていくってことが大事だと思っています。」

最後に、このお店を近い将来どんな風にしていきたいか聞いてみた。

「私、計画を立てない人なんですよ(笑)ほんとに行き当たりばったりの人生なので。じゃないと子供四人も生まないと思いますし。こう来たから次はこうしよう。前に石があるからこの石をこうしよう、橋が壊れたから橋をこうしよう。たぶん楽しいハプニングしか起こんないと思ってるので、全部楽しもうかな。全部楽しむことが今後の展望ですね!」

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ここには同じような想いをもった楽しもうとする人がたくさん訪れるはずだ。女性でも気軽に入れる食堂とお二人は話していたが、きっとここは女性だけじゃない『みんなの食堂』にこれからなっていくだろう。

明確な計画はなくとにかく全部楽しむ。つまり楽しむために、日々変化し進化していくはずだし、していかなければならない。そういった新しい出来事や変化を楽しめる人、様々な出会いを求めている人、『食』を通して何かを生み出したいと思う人には、十分すぎるきっかけの場になると思う。

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