株式会社 片岡屏風店
2016.07.11(月)

新しい伝統工芸の世界へ 株式会社 片岡屏風店

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ご応募ありがとうございました。

片岡屏風店

風や視界を遮ったり、装飾や美術品としての側面を持っていた屏風は、金屏風や和模様が中心だったが、今ではアニメや写真といった時代に合わせた新しい形を取り入れたり、洋室にも合わせたものだったりと幅広い世代や海外の方にも受け入れられはじめ、時代とともに少しづつ見せ方や用途を変えつつある。

そんな新しい屏風の世界を切り拓き、後世に伝えようとしている会社が『株式会社 片岡屏風店』です。ここは東京都内で唯一となった屏風専門店。

今回は、ここで屏風の魅力をたくさんの方へ伝えてくれる、専門スタッフを募集しています。

片岡屏風店

片岡屏風店は、墨田区向島にある昭和21年創業の屏風専門店です。
墨田区の小さな博物館にも認定されている『屏風博物館』や『体験教室』も併設されています。

主に、お雛さんなどで使われる小さな屏風をはじめ、端午の節句、結婚式、帯や着物を屏風にしたりとあらゆる屏風の製造を専門にしている会社になります。

片岡屏風店

屏風博物館にお邪魔すると、2代目の片岡さんと奥様が出迎えてくれた。
職人さんをイメージしていたが、ジーンズ姿で非常にラフな姿で出て来られたのがとても印象的です。

「うちの仕事は、屏風を作ることの他に『小さな博物館』と『からくり屏風教室』の運営があります。教室の方は、需要がどんどん多くなっていて、あまり営業といったことはしていませんが、口コミやホームページ、旅行会社からの問い合わせなどで、多い時だと80人、年間で述べ1200人くらいの方に来ていただいています。」

屏風を作る以外の仕事も多いようですが、具体的にはどういった方を求められていますか?

「オリンピックに向けて、東京はますます注目されていくと思うので、そのために今のうちから人材を揃えていかないといけないかなと思っています。今回の募集では、屏風が作れる職人というよりも体験教室で教える先生であったり、広報のような取材対応だったりと、幅広い業務をお願いできる方を求めています。」

片岡屏風店

屏風師である片岡さんは、生まれも育ちも墨田区だ。

昔は作れば売れる時代だった。しかし、今ではこれまで通りのやり方では通用しない時代になりはじめている。今でこそ和の文化や屏風も注目されだしてはいるが、他の屏風専門店は潰れてしまったところも少なくなく、東京都内で屏風を専門にするのは、ここだけになってしまった。

「父の頃は、お雛さんといった需要があって作れば売れる時代で、二十人近く住み込みで働いていた時代でした。他のことをやる必要がないし、やる時間もありませんでした。」

「手作りなのでポンポンできるものではないので、夏場のうちに正月に向けて従来よく出る分は作っておこうよってことで在庫しておいたんです。父の代はそれだけでいっぱいいっぱいだったので、新しいことを始められるようになったのは、僕の時代からですね。」

片岡屏風店

以前は、お雛様だけの屏風を専門に作っているところもあれば、ホテルや結婚式場などで使われる大型の金屏風を作っているところもあった。ホテルや結婚式場がどんどん出来ていた頃は需要も増えて、小さな屏風をやるよりも儲かる大型を専門にやっているところが多かったそうだ。

「あの頃は良かったんです。でも、急に結婚式場はできなくなるし、和装じゃなくて洋装になって、業界が急に冷え込んで潰れちゃったわけです。後継者がいなかったり、少子化だとかでお雛さんの業界自体が小さくなって、だんだんと需要がなくなりました。」

そんな状況の中でも生き残ってこれた理由はなんだと思いますか?

「うちは業者さんのも受けるし、一般のお客さんのオーダーも受ける。何でもやってる部分があったから、ここまでなんとか生き残れたんだと思います。」

片岡屏風店

確かに、ここには一風変わった屏風がたくさん並ぶ。一般的には絵を描いたものが多いが、アニメのイラストや写真を使った屏風も試作されており、これまでとは違った新しいことに非常に積極的に取り組まれていることが分かる。

「生き残ったもん勝ちじゃないですが、今は和のものが追い風でいろんな問い合わせがきたりして、『アニメ × 伝統工芸品』なんてこともやりましたよ。」

「そうゆうものって頑固な職人から言うとアニメを屏風になんて!って言う人もいますが、僕は何でも受け入れちゃう方なので。変わったものがどんどん求められているのも事実ですし、そういうのはやってておもしろいですよ。」

片岡屏風店

ここで働く従業員は、十人。
取材途中から、片岡さんの息子さん孝斗さんにも一緒にお話を聞かせていただく。
普段は娘さんもここで働いていて、従業員の多くは片岡さんのご家族になるそうだ。

どんな方と一緒に働きたいですか?

「伝統工芸が好きで、お金じゃなくて屏風を作りたいという人。そういったものを守りたい方、伝えたい方。実際、過去にはデザイナーだった人が、和のものをデザインしたいってことで、十年くらい修行して独立したこともありました。」

「いつかは独立したいとか、下積みが苦にならないくらい屏風に対する想いがある方。あとは、器用で明るい方ですね。厳しい社風ではないと思うので、楽しく一緒にやれたらいいなと思います。」

片岡屏風店

実際に屏風が作られている工房も見せていただいた。
イメージしていた工房という雰囲気とは少し違って非常に新しくて綺麗。

機械などもありませんが、屏風作りはこちらで?

「全て手で作ることなので、機械がないんです。昔は座布団を敷いてやっていましたが、若い人がそれだとしんどいからってことで、今年からテーブルと椅子にしたんです。」

「だから、取材で来てもらってもあれ?ってなることもあって(笑)絵になりにくいみたいですね。」

片岡屏風店

裁断機は先代の頃から使われていたもの。今でも現役で活躍しているそうだ。

「昔は、金屏風ばかり作っていてほんと単調な作業だったし、量もすごかったんです。でも、今は一日一工程という感じで、一つの屏風をずーっとやってるわけじゃなくて、ここの部分を張り終わったら、次の工程をやるといった形です。」

「だから、やることが一貫して全く同じことをしてるわけじゃなくて、いろんなバラエティに富んでいます。塗ったり貼ったり切ったり。いろいろと毎日が違うのでものを作る人にはおもしろいんじゃないかなと思います。」

この仕事のやりがいってなんだと思いますか?

「屏風って身近なもんじゃないじゃないですか。でも、体験教室なんかですごい楽しんで帰ってもらって、その子たちが大きくなった時に少しでも覚えてくれてて屏風に対する気持ちが少しでも変わってくれたらいいなって。それに『楽しかった!』そう言ってもらえるのが、こちらの楽しさでもありますよね。」

片岡屏風店

屏風博物館の2階のスペースでは、体験の他に貸しギャラリーとしても利用できるなど、地域の方が利用できるスペースとなっています。

屏風をもっと色んな方に知ってもらうために始めた博物館がきっかけで、一般の方にも足を運んでもらえるようになった。その結果、これまで世間の方が持つ認識が少しづつ変わっていき身近な依頼や取材も増えていったそう。

「うちの体験はただものを作るだけじゃなくて、古いばかりじゃなくてこんな変わったのもあるし、今の部屋にマッチするのもあるんですよって屏風の魅力を知ってもらう意味合いも含んでやっているので、そこを伝えていって欲しいなと思います。」

体験にはどんな方が来られますか?

「修学旅行の一環で、中学生が一番多いですね。ディズニーランドやスカイツリーに登る前だったり。大体二時間くらいですが、修学旅行生の場合は、時間が決まっているので、時間通りに進行することが重要になってきます。」

意外にも大人の参加者も多いそうで、同窓会や奥様会などにも利用されるんだそうだ。

片岡屏風店

博物館では、体験だけでなく1階のショールームで屏風商品はもちろん、墨田の伝統工芸品の取り扱いもあるため、販売や説明といった接客の仕事もあります。

「ただ教えるだけだとそれだけが長けてれば良いだけです。そうではなくて、子供たちにものづくりの楽しさだとか奥の深さを教えるためには、ある程度自分ができていないと教えるにあたり、話に深みがないものになってしまいます。職人さんではないけど、ある程度作ったことがあって、作り方を知っててもらう必要があります。」

片岡屏風店

三代目である、息子の孝斗さんにもお話を伺ってみます。

海外留学後、日本に戻ってきて新潟の協力工場で一年半ほど修行し、2014年の9月から正式に片岡屏風店の社員として働かれています。

「外国の文化にすごい興味があって、16歳の時に少しアメリカに行かせてもらって。でも、そこで日本のことを聞かれたりして、答えられなかったりしたんですよね。自分の家がこうゆうのやってるのにもったいないなって、逆に武器になるんじゃないかって。」

「大学出てまた1年間アメリカに行って、その時にはある程度の知識が付いていたので、アメリカの色んなところでこうゆうものがあるって話をしたりしましたが、アメリカの市場は難しかったですね。アジアのものは一括りで見られてしまうので。」

東京スカイツリーのすぐそばにある片岡屏風点は、外国人のお客さんも多いんだそう。今は、英語が話せる孝斗さんや娘さんが外国人の対応をされているが、英語が出来る方だと活かせられそうだ。

片岡屏風店

孝斗さんから見て、ここで働く魅力ってなんだと思いますか?

「屏風専門店が都内にはほとんどないことと、技術職の中ではレアな仕事だということ。そして、自分でしか作れないものがあるっていうのは魅力だと思う。自分の意見があって新しいものをクリエイトしたい人とかがやってもいいと思う。」

「職人の世界って門をくぐれないみたいなものがあるけど、うちはどっちかというともくもくと作業してるみたいなことはない。みなさんの想像よりは明るいんじゃないかなと思いますね。」

孝斗さんの言葉通り、ピリッと張り詰めた職人さんの世界というよりは、家庭的でアットホームな職場という言葉がここには合っているように感じる。

片岡屏風店

若くして屏風の世界に飛び込んだ孝斗さんだが、屏風や日本の文化に対しては並々ならぬ想いを持つ。今後の展望をこんな風に話してくれました。

「最終的な夢は、忘れかけてる文化じゃないですけど、そういったものを日本人に落とし込みたいと思っています。僕と同い年の子がお節句をやるかっていうとたぶんやらないし、僕も屏風屋に生まれてなかったらやってなかったと思う。なんでこうゆう文化が必要なのかってことを日本人に再認識してもらいたい思っています。」

「そして、この文化を絶滅させるつもりはないので、そうならないためにはどうしたらいいのかって考えた時に一番いいのが海外に出すこと。最終的に外国に日本の文化を示したいって気持ちもありますけど、やっぱり日本人に日本人らしさみたいな文化を理解してもらえる時代が来ればと思ってます。そのためにはやり方は色々あると思うんです。」

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最後に、片岡さんにこんな質問をしてみました。
息子さんと一緒に働いていて、意見が食い違ったり衝突することってありませんか?

「そりゃ、ありますよ(笑)息子はやりたいことが色々あるけど、僕は現実的なので。彼の描いている世界と現実は違いますよね。お金のこととか。」

「でも、息子や娘が入るまでは、意見を言い合うなんてことがありませんでした。そうやって若い人のアイデアが出て来るようになったので、その流れで新しい人が意見を言えるような雰囲気を作っていきたいと思っています。時代が変化していくのに対して、やっぱり新しいことはやっていきたいねってのはあるんです。」

日本の伝統工芸の良さをもう一度日本人に伝える。そのためには遠回りかもしれないけど、地道に伝えていくことが大切だ。
日本人だからこそこの伝統文化を守りたい、繋いでいきたいと思う方、ぜひ応募してみてください。

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